美容びよう医療いりょう 健康けんこう被害ひがいなど相談そうだん増加ぞうか安全あんぜん管理かんり状況じょうきょう 定期ていきてき報告ほうこく

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Nov 23, 2024 16:11 0
Furigana
Japanese newspaper
美容びよう医療いりょうに関にかんする健康けんこう被害ひがいなど相談そうだん増加ぞうかしていることから、厚生こうせい労働ろうどうしょう検討けんとうかい医療いりょう機関きかんに対にたい安全あんぜん管理かんり適切てきせつっているかどうか、定期ていきてき都道とどう府県ふけんなどへの報告ほうこくもとめることを盛り込もりこんだ報告ほうこくしょをまとめました。

いま、美容びよう医療いりょう現場げんばなにきているのか、取材しゅざいしました。

美容びよう後遺症こういしょう外来がいらいには各地かくちから患者かんじゃ

日本にっぽん医科いか大学だいがく付属ふぞく病院びょういんには美容びよう手術しゅじゅつによる後遺症こういしょう対応たいおうする外来がいらい自費じひ診療しんりょう開設かいせつされ、全国ぜんこく各地かくちから患者かんじゃおとずれています。

美容びよう後遺症こういしょう外来がいらい担当たんとうしている朝日あさひ林太郎りんたろう医師いしによると5ねんまえ患者かんじゃいちにち5にんほどでしたが、現在げんざいおおいちにち30にん以上いじょう急増きゅうぞうしているといいます。

朝日あさひ医師いしのもとには、しわの改善かいぜんのためかお脂肪しぼう注入ちゅうにゅうおこなったところ、ほおがこぶのようにれていたてきたという事例じれいや、ふともも脂肪しぼう吸引きゅういんけたところ皮膚ひふがくぼんで傷痕きずあとのこった事例じれい、20ねんまえにインプラントによるゆたかむね手術しゅじゅつけた部分ぶぶん皮膚ひふけた事例じれいなど様々さまざま後遺症こういしょうなや患者かんじゃおとずれています。

この先月せんげつ、しわを目立めだちにくくさせるヒアルロンさん注射ちゅうしゃけたのちほおれる後遺症こういしょう患者かんじゃおとずれていました。

朝日あさひ医師いし自由じゆう診療しんりょうでの美容びよう医療いりょう現状げんじょうについて「自分じぶんおもっていたのとはまったちが結果けっかになり、そのトラブル対応たいおうする治療ちりょうはしてくれず、どこ相談そうだんしていいかわからないと相談そうだんにくるケースめずらしくない」とはなしていました。

朝日あさひ医師いし検討けんとうかい報告ほうこくしょ指摘してきされた問題もんだい発生はっせいしたとき相談そうだん窓口まどぐち必要ひつようせいについて「これだけ美容びよう医療いりょうひろがっているのにこまったときに相談そうだんできる窓口まどぐちえている状況じょうきょうく、全国ぜんこくからこの病院びょういん患者かんじゃおとずれている状況じょうきょうだ。かく地域ちいき後遺症こういしょう対応たいおうする拠点きょてんあるべきで、(いんで)美容びよう施術しじゅつによる合併症がっぺいしょうトラブルきた場合ばあいは、相談そうだん搬送はんそうをするかもしれないとほか医療いりょう機関きかん提携ていけいし、診療しんりょう情報じょうほう適切てきせつ提供ていきょうするなど橋渡はしわたしっかりおこなことがアフターケアだ」と指摘してきしています。

また美容びよう医療いりょうもとめる患者かんじゃに対にたいしても「美容びよう医療いりょうベース医療いりょうであり、安全あんぜんせい重要じゅうようなことを医師いし患者かんじゃ認識にんしきし、治療ちりょうはメリットもあればリスクやデメリットがあることも共有きょうゆうすることが大切たいせつだ。くに学会がっかいがガイドラインを作成さくせいし、治療ちりょう確実かくじつせいしていくことはとても大切たいせつだが、すべてのクリニックが賛成さんせいして実施じっしするかというとそうではないとおもので、患者かんじゃがわ対策たいさくおこなっている医師いしやクリニックをえらんでほしい」とうったえていました。

後遺症こういしょう患者かんじゃ “リスクをらなかった”

自由じゆう診療しんりょう美容びよう医療いりょうによって後遺症こういしょう患者かんじゃからは、リスクをらなかったなどこえがあがっています。

7ねんほどまえに、都内とない美容びようクリニックでゆたかむね手術しゅじゅつけた50だい女性じょせい手術しゅじゅつにしびれや違和感いわかんがありましたが、手術しゅじゅつけたクリニックでは十分じゅうぶん対応たいおうしてもらえず、なやんだといいます。

女性じょせいは「コンプレックスをなんとかしたいとふか調しらべずに手術しゅじゅつけてしまった。一時いちじ手術しゅじゅつけたことを後悔こうかいして、相談そうだんできる場所ばしょく、なかなかそとられなかった」とかしました。

女性じょせいその後そのご日本にっぽん医科いか大学だいがく付属ふぞく病院びょういん美容びよう後遺症こういしょう外来がいらい自分じぶんつけて修正しゅうせい手術しゅじゅつけ、「いま振り返ふりかえ手術しゅじゅつまえにリスクをあまりおしえてもらっていなかったとおもよいめんわるめん両方りょうほうったうえで判断はんだんできるようにするべきで、クリニックには時間じかんをかけて説明せつめいしてほしい」とうったえていました。

またべつ都内とないの50だい女性じょせいは、ことし10つきかおのしわを目立めだたなくするために、美容びようクリニックでヒアルロンさん注射ちゅうしゃけたあとに感染かんせんしょうかおれあがり、大学だいがく病院びょういん緊急きんきゅう入院にゅういんしました。

その後そのご日本にっぽん医科いか大学だいがく付属ふぞく病院びょういん美容びよう後遺症こういしょう外来がいらい受診じゅしんし、感染かんせんしょう治療ちりょう変形へんけいしたほおもともど治療ちりょう毎週まいしゅうつづけていますが、あごがいたくてくちけられず、食事しょくじ十分じゅうぶんにとれずに体重たいじゅうったということです。

女性じょせいは「美容びよう医療いりょう後遺症こういしょうどの病院びょういんでも治療ちりょうできるものではなく、治療ちりょうたどり着たどりつのがむずかしかった」とはなし、「美容びよう医療いりょうによる後遺症こういしょう患者かんじゃは『健康けんこうたいなのになぜ施術しじゅつをしたの』とわれることがこわくて、治療ちりょう尻込しりごしてしまう傾向けいこうあるおも自由じゆう診療しんりょうであっても医療いりょう医療いりょうなので、最後さいごまで責任せきにんって医師いし治療ちりょうにあたってほしい」とうったえていました。

さらに、問題もんだい対応たいおうできる医療いりょう機関きかん周囲しゅういになかったという北海道ほっかいどう50だい女性じょせい取材しゅざいおうじました。

5ねんまえ目の下めのしたのしわをとりたいと美容びようクリニックで脂肪しぼう注入ちゅうにゅう施術しじゅつけたことによる後遺症こういしょうで、目の下めのしたふくがってマスクをしないと生活せいかつできないほどになったといいます。

2ねん以上いじょう施術しじゅつけたクリニックで治療ちりょうけましたが症状しょうじょう改善かいぜんせず、道内どうない複数ふくすう美容びようクリニックに相談そうだんしましたが対応たいおうしてもらえなかったといいます。

その後そのご日本にっぽん医科いか大学だいがく付属ふぞく病院びょういん美容びよう後遺症こういしょう外来がいらいつけて、北海道ほっかいどうから3かいかよって修正しゅうせい手術しゅじゅつけ、改善かいぜんしたということです。

女性じょせいは、「いまおもえば3ミリほどのしわでおおがかり施術しじゅつ必要ひつようなかったが、美容びようクリニックで『目の下めのしたたいなる』とすすめられて、あまり自分じぶんかんがえずに施術しじゅつけた。その結果けっか自然しぜん目の下めのしたふくれて人前ひとまえことができず、『人生じんせいをあきらめるしかない』とおもうほどだった」と振り返ふりかえり、「相談そうだんできるところをつけるのがむずかしかったので、治療ちりょうができる医療いりょう機関きかん紹介しょうかいしてくれる仕組しくづくすすんでほしい」とうったえていました。

美容びよう医療いりょう健康けんこう被害ひがい あつろうしょう調査ちょうさ

美容びよう医療いりょう健康けんこう被害ひがいなどについて厚生こうせい労働ろうどうしょうは、医療いりょう機関きかん患者かんじゃ対象たいしょうにことし8つきから9つきにかけて調査ちょうさおこないました。

調査ちょうさでは美容びよう医療いりょう提供ていきょうする417の医療いりょう機関きかん美容びよう医療いりょうけてなんらかのトラブル経験けいけんした患者かんじゃ600にんから回答かいとうました。

それによりますと医療いりょう機関きかん診療しんりょうにあたる医師いしについて、専門医せんもんい資格しかく経験けいけん年数ねんすうなど要件ようけんもうけているかどうかをたずねたところ、54.4%が「もうけていない」と回答かいとうしました。

またアフターフォローについて、対応たいおうできない施術しじゅつ修正しゅうせい後遺症こういしょう発生はっせいした場合ばあい連携れんけいしている医療いりょう機関きかん有無うむたずねたところ、35.7%が「ない」と回答かいとうしました。

一方いっぽう患者かんじゃ美容びよう医療いりょう施術しじゅつだれからけたかを複数ふくすう回答かいとうたずねたところ「医師いし」は57.5%で、「カウンセラー」が13.8%、さらに「受付うけつけスタッフ」が6.3%、「だれからけたかからない」と回答かいとうしたひとが7%でした。

また回答かいとうした患者かんじゃ600にんのうち112にんが「合併症がっぺいしょうなど施術しじゅつ早期そうきさい施術しじゅつ治療ちりょう必要ひつよう状況じょうきょうおちいった」と回答かいとうし、具体ぐたいてき症状しょうじょう複数ふくすう回答かいとういたところ「熱傷ねっしょう」が25%でもっとおおく、いで理想りそうてきかたちにならなかったなどの「重度じゅうど形態けいたい異常いじょう」が23.2%、「皮膚ひふ皮膚ひふ潰瘍かいよう」が22.3%などとなったほか、「消化しょうか障害しょうがい」が3.6%、「骨折こっせつ」が2.7%などの回答かいとうもありました。

消費しょうひ生活せいかつセンターなどへの相談そうだん件数けんすう 5年間ねんかんで3ばい以上いじょう

厚生こうせい労働ろうどうしょうによりますと、脱毛だつもう脂肪しぼう吸引きゅういんなどの美容びよう医療いりょうのニーズはたかまっていて去年きょねん美容びよう外科げかのクリニックは全国ぜんこくに2016か所かしょと15ねんまえくらべて2ばい以上いじょう増加ぞうかしています。

それともない、トラブル相談そうだん相次あいついでいて、からだきずいたのこったり、不安ふあんをあおられて高額こうがく契約けいやくをしてしまったなど全国ぜんこく消費しょうひ生活せいかつセンターなどにせられた相談そうだん件数けんすうは、昨年度さくねんど6280けんと、5年間ねんかんで3ばい以上いじょう増加ぞうかしています。

しかし美容びよう医療いりょう医療いりょう保険ほけん適用てきようされない「自由じゆう診療しんりょう」でおこなわれるケースおおことから、保険ほけん診療しんりょうくらべて医療いりょう機関きかんへの診療しんりょう内容ないよう確認かくにん指導しどう監査かんさ範囲はんいかぎられ、実態じったいえにくいことが課題かだい指摘してきされています。

あつろうしょう検討けんとうかい医療いりょう機関きかん 安全あんぜん管理かんり状況じょうきょうなど定期ていきてき報告ほうこく必要ひつよう

そのため、厚生こうせい労働ろうどうしょう専門せんもんなどによる検討けんとうかい美容びよう医療いりょう課題かだい対策たいさくについて議論ぎろんかさね、22にち報告ほうこくしょりまとめました。

報告ほうこくしょでは、美容びよう医療いりょう安全あんぜん提供ていきょうされるための対応たいおうさくとして、医療いりょう機関きかん安全あんぜん管理かんり実施じっし状況じょうきょう問題もんだいきた場合ばあい患者かんじゃ相談そうだんできる連絡れんらくさきとしに1かい程度ていど都道とどう府県ふけんなど報告ほうこくし、行政ぎょうせいがわは、このうち患者かんじゃ相談そうだんできる連絡れんらくさき公表こうひょう検討けんとうすることが必要ひつようだとしています。

さらに、患者かんじゃどのような処置しょち希望きぼうしたかをカルテ記載きさいするなど診療しんりょう実態じったい確認かくにんできる対策たいさくすすめるべきだとしています。

また美容びよう医療いりょうしつたかめるために、関係かんけいする学会がっかい法令ほうれい明確めいかく解釈かいしゃく標準ひょうじゅんてき治療ちりょう内容ないようそれ問題もんだい発生はっせい対応たいおうなどについて盛り込もりこんだガイドラインを策定さくていするべきだとしています。

厚生こうせい労働ろうどうしょうは、報告ほうこくしょ内容ないようをもとに具体ぐたいてき対策たいさくすすめるとしています。

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N5 Source: Tổng hợp 282 Oct 18, 2025 03:10