Actualités japonaises: 子どもに広まる「クロミング」とは？　合法製品の吸入で死亡事例も

子こどもに広ひろまる「クロミング」とは？　合法製品ごうほうせいひんの吸入きゅうにゅうで死亡事例しぼうじれいも

Sep 30, 2024 07:09

Furigana

米べいピッツバーグ大学医学部だいがくいがくぶのアンソニー・ピゾン教授きょうじゅによると、若わかい世代せだいの間あいだで広ひろまっている「クロミング」とは、油性ゆせいマーカー、デオドラント、マニキュア、塗料用とりょうようシンナー、ガソリン、ヘアスプレーなど、さまざまな合法製品ごうほうせいひんを乱用らんようして炭化水素たんかすいそを吸入きゅうにゅうし、ハイになる手段しゅだんだ。

クロミングという言葉ことばは、布ぬのにスプレーされた金属塗料きんぞくとりょうを吸入きゅうにゅうすることの影響えいきょうに由来ゆらいしており、顔かおにクロム、つまり金属きんぞくの残留物ざんりゅうぶつが残のこるという。

小児科医しょうにかいのベティ・チョイ氏しによると、一般的いっぱんてきなクロミングでは、容器ようきから直接ちょくせつ、または製品せいひんを浸ひたした布ぬまたはビニール袋ぶくろから鼻はなや口くちで吸入きゅうにゅうする。

チョイ氏しは「人ひとびと々は何世紀なんせいきにもわたって煙けむりを吸入きゅうにゅうしてきた」「２０２０年ねんの薬物使用やくぶつしようと健康けんこうに関かんする全国調査ぜんこくちょうさによると、吸入剤きゅうにゅうざいの乱用らんようは１９９０年代ねんだいにピークを迎むかえ、過去かこ２０年間ねんかんは減少傾向げんしょうけいこうにあったが、近年きんねん、１０代だいの若者わかものの間あいだでの試行率しこうりつは再ふたたび上昇じょうしょうしている」と指摘してきした。

米国薬物乱用べいこくやくぶつらんよう・精神衛生管理庁せいしんえいせいかんりちょう（ＳＡＭＨＳＡ）によると、吸入剤きゅうにゅうざいを使用しようする１２～１７歳さいの米国べいこくの若者わかものの数かずは、２０１５年ねんの６８万まん４０００人にんから２２年ねんには５５万まん４０００人にんに減少げんしょうしている。しかし過去数年間かこすうねんかん、若者わかものは１２歳以上さいいじょうの他ほかのどの年齢層ねんれいそうよりも一般的いっぱんてきに吸入剤きゅうにゅうざいを使用しようしており、その数かずは再ふたたび徐じょじょ々に増加ぞうかしている。２３年ねんには少すくなくとも５６万まん４０００人にんに達たっするという。

ビゾン氏しは「リラックスしたり、自分じぶんで治療ちりょうしたりしたいだけの子こどもたちには根底こんていに精神疾患せいしんしっかんの要素ようそがある場合ばあいが多おおい」と指摘してきする。若者わかものの間あいだでは不安ふあんやうつ病びょうなどの気分障害きぶんしょうがいの割合わりあいが増加ぞうかしている。

専門家せんもんかによると、さまざまなＳＮＳでも薬物吸入関連やくぶつきゅうにゅうかんれんのコンテンツが広ひろまっている。

例たとえば、一部いちぶのＴｉｋＴｏｋ（ティックトック）ユーザーは「ＷｈｉｐＴｏｋ」というタグで動画どうがを投稿とうこうしていたが、これは亜酸化窒素あさんかちっそを含ふくむ物質ぶっしつを吸入きゅうにゅうする行為全般こういぜんぱんを指さす「ウィペット」という言葉ことばをもじったものだという。ＴｉｋＴｏｋは現在げんざい、このタグの付ついたコンテンツの閲覧えつらんを禁止きんししようとしている。