日本新聞: 遺族厚生年金見直し内容は？子どもいない現役世代は5年間の案

遺族いぞく厚生こうせい年金ねんきん見直みなおし内容ないようは？子こどもいない現役げんえき世代せだいは5年間ねんかんの案あん

Jul 30, 2024 19:07

Furigana

会社かいしゃ員いんなどが亡なくなった際さいに配偶はいぐう者しゃらに支給しきゅうされる「遺族いぞく厚生こうせい年金ねんきん」をめぐり、厚生こうせい労働ろうどう省しょうは、現役げんえき世代せだいで子こどもがいない人ひとの受給じゅきゅう期間きかんを男女だんじょともに5年間ねんかんとする案あんを審議しんぎ会かいに示しめしました。

出席しゅっせきした委員いいんからは賛成さんせいする意見いけんが相次あいついだ一方いっぽう、受給じゅきゅう期間きかんについて今後こんご、時間じかんをかけて検討けんとうするよう求もとめる意見いけんも出だされました。

「遺族いぞく厚生こうせい年金ねんきん」は、厚生こうせい年金ねんきんに加入かにゅうしている会社かいしゃ員いんなどが亡なくなった際さいに、配偶はいぐう者しゃらに年金ねんきんが支給しきゅうされる制度せいどで、18歳さい以下いかの子こどもがいない人ひとの場合ばあい、60歳さい未満みまんで受け取うけとる際さいの要件ようけんに男女だんじょ差さがあります。

具体ぐたい的てきには▽女性じょせいは夫おっとが亡なくなった時点じてんで30歳さい未満みまんの人ひとは5年間ねんかん、30歳さい以上いじょうの人ひとは生涯しょうがい受け取うけとれる一方いっぽう、▽男性だんせいは妻つまが亡なくなった時点じてんで55歳さい未満みまんの人ひとは受け取うけとれません。

厚生こうせい労働ろうどう省しょうは共働ともばたらき世帯せたいが中心ちゅうしんとなっている実態じったいにそぐわないとして、30日にち開ひらかれた審議しんぎ会かいに、男女だんじょ差さを解消かいしょうする案あんを示しめしました。

それによりますと、配偶はいぐう者しゃが亡なくなった時ときに60歳さい未満みまんの人ひとについて、男性だんせいも年齢ねんれいにかかわらず受給じゅきゅうできるようにし、期間きかんは男女だんじょともに5年間ねんかんとするとしています。

ただ、今いまも男女だんじょの就労しゅうろう環境かんきょうには差さがあることから、妻つまの受給じゅきゅう期間きかんの5年間ねんかんへの短縮たんしゅくは段階だんかい的てきに20年ねん以上いじょうかけて行おこなうとしていて、受給じゅきゅう中ちゅうの人ひとや現在げんざい40代だい以上いじょうの女性じょせいは影響えいきょうを受うけないとしています。

あわせて夫おっとが亡なくなった時点じてんで40歳さい以上いじょうだった妻つまに64歳さいまでの間ま、年間ねんかんおよそ60万まん円えんが上乗うわのせして支給しきゅうされる「中ちゅう高齢こうれい寡婦かふ加算かさん」も段階だんかい的てきに廃止はいししていく方針ほうしんが示しめされました。

一方いっぽう、▽5年間ねんかんの遺族いぞく厚生こうせい年金ねんきんの受け取うけとり額がくを現行げんこう制度せいどより増ふやす配慮はいりょ措置そちや▽年収ねんしゅう850万まん円えん未満みまんの人ひとしか受け取うけとれない収入しゅうにゅう要件ようけんの廃止はいしも検討けんとうするとしています。

出席しゅっせきした委員いいんからは制度せいど改正かいせいに賛成さんせいする意見いけんが相次あいつぎましたが、受給じゅきゅう期間きかんを5年ねんにするかどうかについては今後こんご、時間じかんをかけて検討けんとうするよう求もとめる意見いけんも出だされたほか、移行いこう期間きかんや配慮はいりょ措置そちについて丁寧ていねいに説明せつめいするべきだという指摘してきも出だされました。

厚生こうせい労働ろうどう省しょうは、さらに検討けんとうを重かさねたうえで来年らいねんの通常つうじょう国会こっかいに必要ひつような法案ほうあんの提出ていしゅつを目指めざす方針ほうしんです。

見直みなおしがなく現行げんこうと同おなじケースも

子こどもがいる世帯せたいの遺族いぞく年金ねんきんはどうなるのでしょうか。

現在げんざいは、子こどもが18歳さいになった年度ねんど末まつまで、遺族いぞく基礎きそ年金ねんきんと遺族いぞく厚生こうせい年金ねんきんが配偶はいぐう者しゃに支給しきゅうされていますが、制度せいど改正かいせいが行おこなわれても子こどもが18歳さいになった年度ねんど末まつまでは子こどもへの支給しきゅうが続つづくため、世帯せたいへの給付きゅうふ額がくは今いままでと変かわりません。