トーツポテンのもの

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Nov 6, 2024 07:11 1
Furigana
Journal japonais

むかしむかしのことじゃった。だれまなくなったふる屋敷やしきのあたりに、よるになるものて「トーツポテン……トーツポテン……」とってあるまわったそうな。このあたりの村人達むらびとたちは、大人おとな子供こどもみなおっかながって、夜一人よるひとりあることもできん、一人ひとり小便しょうべんこともできんかったと。

そこで一人ひとり若者わかものが「ものになんぞけていられねえ!」と夜中よなかかけてったそうな。するとしろおおきなからだひとのトーツポテンのものてきて、若者わかものにらみあった。若者わかものものに、トーツポテンといながらあるまわわけいてみたんじゃと。するとものとつとつ話始はなしはじめた。

このものは、もともとは屋敷やしき裏庭うらにわえたおおきなキノコじゃった。あるどこからかトチの(トッポ)がんできて、キノコのあたまさったんじゃと。それいたくていたくて「トッポって~!」といていたのが、いつのにか「トーツポテン」といううなわった。そうしてあたまさったトッポはたまになり、キノコはあるかいようになったそうな。

トーツポテンのものはなしいた若者わかものは、今度こんどまえけるちからせてくれとちかけた。もの若者わかものとおり、見事みごとにネコや竹馬たけうま姉様ねえさまけてみせたんじゃと。最後さいごに、ものがホカホカの納豆なっとうけたとき若者わかもの納豆なっとうげ、そのままストーンとみこんでしまったそうな。

さてもの納豆なっとうみこんだ若者わかものしばらくするとはらがごやごやとくるしくなった。若者わかものあわてて土手どてんでいって、毒消どくしょうくさをたらふくったら、ボボーンと一発大いっぱつおおきなそうな。トーツポテンのものは、そのってどことおばされていったんじゃと。

じゃからな、ものなんぞこわもんでねえよ。だれじゃ、夜中一人やちゅうひとり小便しょうべんかれねえなんてっているのは。

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