Báo tiếng Nhật: 「ステルスマーケティング」は「不当表示」きょうから規制

広告こうこくであることを隠かくして宣伝せんでんするいわゆる「ステルスマーケティング」が法律ほうりつ上じょうの「不当ふとう表示ひょうじ」として指定していされ、10月つき1日にちから規制きせいの対象たいしょうとなります。

ステルスマーケティングは、広告こうこくであることを隠かくして宣伝せんでんする行為こういで、最近さいきんでは、企業きぎょうなどが依頼いらいしたにもかかわらず、ネットで影響えいきょう力りょくのあるインフルエンサーなどが個人こじんの感想かんそうをよそおってSNSで宣伝せんでんするなどの行為こういが問題もんだいになってきました。

消費しょうひ者しゃ庁ちょうは、このステルスマーケティングを景品けいひん表示ひょうじ法ほうで禁止きんしされている「不当ふとう表示ひょうじ」に指定していし、10月つき1日にちから規制きせいが始はじまりました。

規制きせいの対象たいしょうとなるのは広告こうこく主ぬしの事業じぎょう者しゃで、ネットやテレビ、新聞しんぶんといったすべての媒体ばいたいで、広告こうこくや宣伝せんでんを行おこなう場合ばあい、「広告こうこく」「宣伝せんでん」「PR」などといった表示ひょうじが必要ひつようになります。

違反いはんが認みとめられた場合ばあいは、広告こうこくの差し止さしとめや再発さいはつ防止ぼうしを求もとめるなどの措置そち命令めいれいが出だされます。

消費しょうひ者しゃ庁ちょうではホームページにステルスマーケティングに関にかんする通報つうほう窓口まどぐちを設置せっちし、情報じょうほう提供ていきょうを求もとめることにしています。

何なにが「ステルスマーケティング」にあたる？

今回こんかいの規制きせいにあわせて消費しょうひ者しゃ庁ちょうが示しめした運用うんよう基準きじゅんでは、ステルスマーケティングとなる広告こうこくは、広告こうこく主ぬしが作成さくせいや投稿とうこうに関与かんよした「事業じぎょう者しゃの表示ひょうじ」であること、そして、そのことが一般いっぱんの消費しょうひ者しゃに伝つたわらないこと、の2点てんを満みたしたものとしています。

「事業じぎょう者しゃの表示ひょうじ」については、例たとえば、従業じゅうぎょう員いんや取り引とりひき先さきの関係かんけい者しゃ、インフルエンサーなどが行おこなった投稿とうこうでは、明示めいじ的てきに依頼いらいや指示しじを行おこなわず、金銭きんせんや物品ぶっぴんなどの対価たいかを与あたえていない場合ばあいでも広告こうこく主ぬしの意図いとが反映はんえいされていると判断はんだんされれば「事業じぎょう者しゃの表示ひょうじ」として認定にんていされるとしています。

そのうえで、広告こうこくの記載きさいがない場合ばあいだけでなく、広告こうこくであることを表示ひょうじした場合ばあいでも、その表示ひょうじの文言もんごんや大おおきさ、場所ばしょなどが、消費しょうひ者しゃにとって分わかりにくい場合ばあいは、「不当ふとう表示ひょうじ」に当あたるとしています。

インフルエンサー「ちゃんとした投稿とうこうを心こころがけたい」

SNSの投稿とうこうで商品しょうひんなどの宣伝せんでんをすることがあるインフルエンサーの中なかには、ステマの注意ちゅうい点てんをみずから学まなび、規制きせいに対応たいおうしていこうという動うごきも出でています。

9月つき、インフルエンサーと広告こうこく主ぬしとのマッチングを行おこなう会社かいしゃが開ひらいた講習こうしゅう会かいには、およそ10人にんのインフルエンサーが参加さんかし、規制きせいの内容ないようを学まなびました。

参加さんかしたインフルエンサーからは「広告こうこく主ぬしの企業きぎょうから無料むりょうで提供ていきょうされた商品しょうひんの投稿とうこうを行おこなう場合ばあい、どうすればいいか」という質問しつもんが出だされ、これに対にたいして、講師こうしは、「無償むしょう提供ていきょうは投稿とうこうを期待きたいしてのことが多おおいので、リスク回避かいひのためにはPRと記載きさいしたほうがいい」などとアドバイスしていました。

飲食いんしょく店てんの食たべ歩あるき動画どうがなどを投稿とうこうしているという20代だいの男性だんせいインフルエンサーは「トラブルや炎上えんじょうを避さけるためにもちゃんとした投稿とうこうを心こころがけたい」と話はなしていました。

また写真しゃしんの撮影さつえい方法ほうほうなどについて投稿とうこうしている30代だいの男性だんせいインフルエンサーは「好すきな商品しょうひんを紹介しょうかいするときはステマを疑うたがわれないよう『#勝手かってにpr』といったタグをつけて発信はっしんしています。規制きせいが始はじまることで安心あんしんして見みてもらえる環境かんきょうになってほしい」と話はなしていました。

「ステマを回避かいひする方法ほうほうは？」企業きぎょうから問い合といあわせ相次あいつぐ

ステルスマーケティングの規制きせいにどう対応たいおうすればいいのか、SNS広告こうこくのコンサルティングを行おこなっている会社かいしゃには、企業きぎょうからの問い合といあわせが相次あいついでいます。

およそ6000社しゃのSNS広告こうこくを手てがけてきたこの会社かいしゃには、9月つきは通常つうじょうの3倍ばい以上いじょうの45件けんの相談そうだんが寄よせられたということです。

具体ぐたい的てきには、規制きせいの開始かいしに伴ともなって社内しゃないのガイドラインをどう改定かいていすればいいかや、SNS上じょうのキャンペーンや新しん商品しょうひんをプレゼントする企画きかくの運営うんえい方法ほうほうなど、ステルスマーケティングを回避かいひする方法ほうほうについての内容ないようが多おおいということです。

この日ひはファッションや美容びよう関連かんれんの広告こうこくを扱あつかう代理だいり店てんとのオンライン面談めんだんが行おこなわれ、広告こうこくを出だしたい企業きぎょうやSNSでの宣伝せんでんの投稿とうこうを依頼いらいするインフルエンサーに対にたいしてどのようにアドバイスすべきか相談そうだんしていました。

相談そうだんしていた広告こうこく代理だいり店てんの橋谷はしたに雅之まさゆきさんは「過去かこの投稿とうこうにどう対応たいおうすればいいかなど現場げんばは混乱こんらんしていますが、規制きせいの開始かいしは歓迎かんげいしています。いい広告こうこくを届とどけるためにルールにのっとって取り組とりくんでいきたい」と話はなしていました。

SNSのマーケティング会社かいしゃ「リデル」の福田ふくだ晃一こういち社長しゃちょうは「新あたらしいルールは『まぎらわしいものをやめましょう』というものだと思おもうので、広告こうこくをまっとうに誠実せいじつに作つくっていくことで、リスクを避さけることができる」と話はなしていました。

広告こうこく業界ぎょうかいはガイドライン改定かいてい「混乱こんらんしている事業じぎょう者しゃ多おおい」

ネットのクチコミを活用かつようしたマーケティングを行おこなっている広告こうこく代理だいり店てんなど60社しゃ以上いじょうが加盟かめいする「クチコミマーケティング協議きょうぎ会かい」は、規制きせいの開始かいしにあわせて広告こうこく表示ひょうじのガイドラインを改定かいていしました。

ガイドラインでは消費しょうひ者しゃ庁ちょうが示しめした規制きせいの運用うんよう基準きじゅんを受うけ、表示ひょうじすべき内容ないようをより細こまかく指定していしています。

具体ぐたい的てきには「広告こうこく主ぬしから謝礼しゃれいをいただいて投稿とうこうしています」といった記述きじゅつの代かわりに使つかえる表示ひょうじとして、「#プロモーション」と「#PR」、「#宣伝せんでん」、「#広告こうこく」の4つを示しめしたうえで、広告こうこく主ぬしの企業きぎょうなどがはっきりと分わかるようロゴやブランド名めいなどを明記めいきするよう求もとめています。

また、ハッシュタグを複数ふくすうつけるときは「#広告こうこく」を示しめす表記ひょうきを先頭せんとうに持もってくることや、動画どうがの場合ばあいは、動画どうが内ないの冒頭ぼうとうで広告こうこくだと伝つたえることなど、表示ひょうじのわかりやすさを求もとめています。

協議きょうぎ会かいで運営うんえい委員いいん会かい副ふく委員いいん長ちょうを務つとめる山本やまもと京みやこ輔さんは「ステルスマーケティングに法律ほうりつの網あみがかかることは歓迎かんげいしているが、新あらたな規制きせいはグレーゾーンが広ひろく混乱こんらんしている事業じぎょう者しゃも多おおい。最低さいてい限げん、これを守まもっていればステルスマーケティングにはならないというガイドラインにしているのでこれを守まもってほしい」と話はなしていました。