不ふ登校とうこうの小しょう中学生ちゅうがくせい 過去かこ最多さいたの29万まん人にん超ちょう いじめ認知にんち件数けんすうも最多さいたに

文部もんぶ科学かがく省しょうは全国ぜんこくの小中しょうちゅう学校がっこうと高校こうこう、それに特別とくべつ支援しえん学校がっこうを対象たいしょうに不ふ登校とうこうやいじめ、自殺じさつなどの状況じょうきょうを毎年まいとし調査ちょうさしていて、昨年度さくねんどの結果けっかをまとめました。

それによりますと、小中こなか学校がっこうを30日にち以上いじょう欠席けっせきした不ふ登校とうこうの状態じょうたいにある子こどもは、前まえの年度ねんどから5万まん4000人にん余あまり、率りつにして22％増ふえ、29万まん9048人にんとなりました。10年ねん連続れんぞくで増加ぞうかし、過去かこ最多さいたとなっています。

このうち

▽小学生しょうがくせいが10万まん5112人にんで、10年ねん前まえの2012年度ねんどの5倍ばいに、

▽中学生ちゅうがくせいが19万まん3936人にんで、10年ねん前まえの2倍ばいに増ふえています。

このほか▽高校生こうこうせいも増加ぞうかして6万まん575人にんでした。

また、認知にんちされたいじめの件数けんすうは、

▽小学校しょうがっこうが55万まん1944件けん、

▽中学校ちゅうがっこうが11万まん1404件けん、

▽高校こうこうが1万まん5568件けん、

▽特別とくべつ支援しえん学校がっこうが3032件けんで、

あわせて68万まん1948件けんと、前まえの年度ねんどより6万まん件けん余あまり増ふえ、過去かこ最多さいたとなりました。

いじめによる自殺じさつや不ふ登校とうこうなどの「重大じゅうだい事態じたい」と認定にんていされた件数けんすうも200件けん余あまり増ふえて923件けんと過去かこ最もっとも多おおく、4割わり近ちかくは「重大じゅうだい事態じたい」として把握はあくするまで学校がっこうがいじめと認知にんちしておらず、課題かだいが見みられました。

調査ちょうさでは、小中こなか学校がっこうと高校こうこうの暴力ぼうりょく行為こういの発生はっせい件数けんすうが9万まん5426件けんと過去かこ最多さいたとなったほか、自殺じさつした児童じどうや生徒せいとは小学生しょうがくせいが19人にん、中学生ちゅうがくせいが123人にん、高校生こうこうせいが269人にんであわせて411人にんとなり、過去かこ2番目ばんめに多おおくなりました。

こうした状況じょうきょうについて文部もんぶ科学かがく省しょうは「児童じどう生徒せいとの自殺じさつが後ごを絶たたないことは、極きわめて憂慮ゆうりょすべき状況じょうきょうだ。不ふ登校とうこうなどの増加ぞうかはコロナ禍かの長期ちょうき化かで生活せいかつ環境かんきょうが変化へんかしたことや、学校がっこう生活せいかつでのさまざまな制限せいげんで交友こうゆう関係かんけいが築きずきにくくなったことなどが背景はいけいにある」と分析ぶんせきしています。

専門せんもん家か“予想よそう超こえる増加ぞうか 学校がっこうの中なかだけでは問題もんだい解決かいけつしない”

今回こんかいの結果けっかについて、全国ぜんこく84のフリースクールが加盟かめいしている「フリースクール全国ぜんこくネットワーク」の江川えがわ和弥かずや代表だいひょう理事りじは「予想よそうを超こえる不ふ登校とうこうといじめ件数けんすうの増加ぞうかで、危惧きぐしていたことが現実げんじつになってきている。不ふ登校とうこうは低てい年齢ねんれい化か傾向けいこうにあり、学校がっこうでの人間にんげん関係かんけいの構築こうちくがうまくいっていないのではないか」と話はなしています。

その背景はいけいとして「コロナ禍かで、学校がっこうでは緊張きんちょうした中なかで人間にんげん関係かんけいを結むすばざるを得えず、家庭かていも緊張きんちょうしていた。子こどもどうしが授業じゅぎょうや学校がっこうでの関係かんけい性せいを超こえてつながり合あう、信頼しんらいし合あうという場面ばめんも非常ひじょうに少すくなくなった」とした上うえで、「大人おとなには見みえない、子こどもたちの中なかの関係かんけい性せい、序列じょれつ化かを子こどもたち自身じしんも窮屈きゅうくつに感かんじてしまっている。コロナ禍かが収おさまってきても安心あんしんできる状況じょうきょうを作つくれていないのは大おおきな問題もんだいだ」と指摘してきしました。

そして「学校がっこうの中なかだけでは問題もんだいは解決かいけつしないということが数字すうじに表あらわれている。子こども食堂しょくどうや学童がくどう、習い事ならいごとなど家庭かていと学校がっこう以外いがいの子こどもたちの居場所いばしょを増ふやしていくことが必要ひつようだ。子こどもたちの命いのちに関かかわる問題もんだいを官民かんみん連携れんけいでしっかりと受け止うけとめていく必要ひつようがある」と話はなしています。