日本新聞: 日銀植田総裁就任から半年金融政策正常化に向けた道筋課題

日銀にちぎん植田うえだ総裁そうさい就任しゅうにんから半年はんとし金融きんゆう政策せいさく正常せいじょう化かに向むけた道筋みちすじ課題かだい

Oct 9, 2023 06:10

Furigana

日銀にちぎんの植田うえだ総裁そうさいは、9日にちで就任しゅうにんから半年はんとしとなります。日銀にちぎんは、賃金ちんぎんの上昇じょうしょうを伴ともなう2％の物価ぶっか安定あんてい目標もくひょうの達成たっせいを目指めざして大だい規模きぼな金融きんゆう緩和かんわを続つづけていますが、円えん安やすが進すすみ長期ちょうき金利きんりの上昇じょうしょうも続つづく中なか、市場しじょうと向き合むきあいながら金融きんゆう政策せいさくの正常せいじょう化かに向むけた道筋みちすじをどうつけていくかが課題かだいとなります。

消費しょうひ者しゃ物価ぶっか指数しすうの上昇じょうしょう率りつは、ことし8月つきまで17か月かげつ連続れんぞくで日銀にちぎんが目標もくひょうとする2％を上回うわまわっていますが、植田うえだ総裁そうさいは、賃金ちんぎん上昇じょうしょうを伴ともなう形かたちでの2％の物価ぶっか安定あんてい目標もくひょうの達成たっせいを見通みとおせる状況じょうきょうにはなお至いたっていないとして、今いまの金融きんゆう緩和かんわ策さくを粘り強ねばりづよく続つづける考かんがえを示しめしています。

ただ、日銀にちぎんが金融きんゆう緩和かんわを続つづけていることが、円えん安やすや物価ぶっか高だかの要因よういんとなっているという指摘してきもあります。

日銀にちぎんはことし7月つきの会合かいごうで、長期ちょうき金利きんりの上昇じょうしょうをそれまでの0.5％程度ていどから事実じじつ上じょう、1％まで容認ようにんする方針ほうしんに変更へんこうしました。

為替かわせを含ふくめた金融きんゆう市場しじょうの急激きゅうげきな変動へんどうを抑おさえるねらいもありましたが、その後そのご、アメリカの長期ちょうき金利きんりが上昇じょうしょうを続つづける中なか、円えん安やすがじりじりと進すすみ、円えん相場そうばは今月こんげつ3日にち、1年ねんぶりに1ドル＝150円えん台だいまで値下ねさがりしました。

また今月こんげつ4日にちには長期ちょうき金利きんりが一時いちじ、10年ねんぶりに0.805％まで上昇じょうしょうしました。

こうした中なか、市場しじょうでは、日銀にちぎんが金融きんゆう緩和かんわ策さくを早期そうきに修正しゅうせいするのではないかという観測かんそくがくすぶり続つづけていますが、植田うえだ総裁そうさいは、先月せんげつ22日にちの記者きしゃ会見かいけんで「現時点げんじてんでは経済けいざいや物価ぶっかをめぐる不ふ確実かくじつ性せいが極きわめて高たかく、政策せいさく修正しゅうせいの時期じきや具体ぐたい的てきな対応たいおうについて到底とうてい決きめ打うちはできない」と述のべています。