イーロン・マスク、xAI資金調達を契機に史上初の純資産127兆円到達間近
イーロン・マスク氏は、純資産が8,000億ドル(約127兆円)を超えるという、これまで前例のない領域に到達しようとしている。
フォーブスの調査によれば、マスク氏が率いるxAIホールディングスは2024年1月初旬、2,500億ドル(約39兆5,900億円)という評価額で2,000億ドル(約3兆1,700億円)の資金調達に成功した。この評価額は、2025年3月に人工知能事業のxAIとソーシャルメディア「X」(旧ツイッター)を統合した際、マスク氏自身が主張した1,130億ドル(約17兆8,900億円)を大きく上回っている。
フォーブスは今回の取引によって、マスク氏が保有するxAIホールディングスの持分(49%)の価値が620億ドル(約9兆8,200億円)増加し、合計で1,220億ドル(約19兆3,200億円)に達したと推計している。これにより、フォーブスの「リアルタイム・ビリオネア・リスト」において、マスク氏の推定純資産額は過去最高の7,800億ドル(約124兆円)となり、世界で最も裕福な人物の地位をさらに固めている。
xAIへの出資によって多大な利益を得た他の投資家としては、ツイッター創業初期の出資者であるサウジアラビアのアルワリード・ビン・タラール王子、ツイッター共同創業者ジャック・ドーシー、さらに2022年のツイッター買収時に10億ドル(約1,600億円)を拠出したオラクル共同創業者ラリー・エリソンなどが挙げられる。
フォーブスは、アルワリード王子がxAIホールディングスの1,6%を保有し、その価値は40億ドル(約6,300億円)に達すると推定している。これにより、同王子の推定資産額は194億ドル(約3兆700億円)に増加した。一方、ドーシー氏とエリソン氏はそれぞれ0,8%の持分を所有し、その価値は21億ドル(約3,300億円)と見積もられている。両者の資産額もそれぞれ60億ドル(約9,500億円)、2410億ドル(約38兆1,600億円)へと増加した。
今回のxAIによる資金調達は、AI分野における激しい競争の中、同社が積極的な投資を続ける最中に実施された。ブルームバーグが確認した内部文書によれば、xAIは2024年初頭から9カ月間で78億ドル(約1兆2,400億円)を支出しているという。
一方で、xAIが開発したチャットボット「Grok」は、実在する女性の偽画像生成をめぐって批判を浴びており、アシュリー・セントクレア氏による訴訟も提起されている。
ここ1年間で、マスク氏は資産額に関する複数のマイルストーンを達成してきた。2025年10月、政府効率化省(DOGE)のトップを辞任しテスラへの関与を強めた結果、同社株価が5カ月間でほぼ倍増し、史上初めて純資産5,000億ドル(約79兆1,700億円)を記録した。さらに同年12月には、スペースXの評価額が8,000億ドル(約127兆円)に引き上げられたことで、資産額6,000億ドル(約95兆円)を突破した。加えて、テスラのストックオプション付与無効の下級審判決が最高裁で覆されたことで、資産は7,000億ドル(約111兆円)に達した。
それにもかかわらず、テスラは依然としてマスク氏にとって2番目に価値の高い資産であり、スペースX(持分42%、3,360億ドル=約53兆2,000億円)に次ぐ位置を占める。ストックオプションに加え、テスラの普通株式12%も保有しており、関連資産の総額は3,070億ドル(約48兆6,100億円)に上る。
なお、2025年11月に付与された過去最大規模の報酬パッケージは、現時点の資産額には含まれていない。仮にテスラが今後10年間で時価総額を8倍以上に拡大すれば、マスク氏は税金や制限付き株式の解除コストを差し引く前の金額で、最大1兆ドル(約158兆円)相当の株式を追加取得する可能性がある。
現在、マスク氏は推定資産額約42兆7,500億円のラリー・ペイジ氏(グーグル共同創業者)を、過去最大となる5,100億ドル(約80兆7,500億円)の差で大きく上回っている。
これまでに4,000億ドル(約63兆3,400億円)に到達したことがあるのはラリー・エリソン氏のみであり、その期間も短かった。エリソン氏は2025年9月にこの水準に達したが、その後1,590億ドル(約25兆1,800億円)減少し、順位も2位から5位へと後退した。
なお、マスク氏が保有するxAIホールディングスの持分価値だけでも、世界第16位の富豪であるマイケル・ブルームバーグ氏の推定資産額1090億ドル(約17兆2,600億円)を上回っている。