ロシア国防省は31日、ウクライナ軍が前日にロシア西部を攻撃した報復として、ウクライナ東部のハルキウ州を攻撃したことを明らかにしました。
ロシア軍は先月29日にもウクライナに対して軍事侵攻の開始以降で最大規模とされる攻撃を行い、あわせて41人が死亡するなど年末にかけても激しい戦闘が続きました。
ウクライナは、去年6月に大規模な反転攻勢に乗り出しましたが、戦闘はこう着状態に陥り、東部ではロシア軍の激しい攻勢にさらされています。
また、プーチン大統領は先月、ロシア軍の兵士を17万人増やす大統領令に署名するなど、戦闘の長期化をにらんで兵力を強化する動きを見せています。
これについてアメリカのシンクタンク「戦争研究所」は、西側諸国はロシアが国の人員や予算を軍事部門に総動員してくるのを見通すことができなかったと指摘し、ロシアの大規模な攻撃は今後も続くという見方を示しています。
これに対し、ウクライナを一貫して支援してきたアメリカは、議会内の党派の対立で支援のための予算承認のめどがたっていないほか、EUはハンガリーの反対で資金支援の協議をまとめることができず、欧米の「支援疲れ」も指摘されています。
ことしは、11月にアメリカ大統領選挙、6月にヨーロッパ議会選挙が予定され、それぞれ選挙運動が本格化する中で支援に向けた議論が紛糾する可能性もあり、欧米のウクライナ支援が続くかどうかが、長期化する戦況を左右することになります。