NYダウ平均へいきん株価かぶか ことし最初さいしょの取引とりひき 最さい高値たかねを更新こうしん

2日にちのニューヨーク株式かぶしき市場しじょう、ダウ平均へいきん株価かぶかは取り引とりひき開始かいし直後ちょくごは中東ちゅうとう情勢じょうせいへの懸念けねんなどから200ドル近ちかい値下ねさがりでスタートしました。

イエメンの反はん政府せいふ勢力せいりょくフーシ派はによる紅海こうかいを航行こうこうする船舶せんぱくへの攻撃こうげきが相次あいつぐなか、イランが紅海こうかいに軍艦ぐんかんを派遣はけんしたと伝つたえられたほか、デンマークの海運かいうん大手おおてがいったん再開さいかいを発表はっぴょうした紅海こうかいを通とおる運航うんこうを当面とうめん停止ていしすると明あきらかにしたことなどが懸念けねん材料ざいりょうとなりました。

しかし、ことしはアメリカのFRB＝連邦れんぽう準備じゅんび制度せいど理事りじ会かいが早はやい時期じきに利下りさげに踏み切ふみきることを期待きたいする投資とうし家かも多おおく、買い戻かいもどしの動うごきが出でました。

結局けっきょく、ダウ平均へいきん株価かぶかの終値おわりねは去年きょねんの年末ねんまつに比くらべて25ドル50セント高たかい3万まん7715ドル4セントとなりわずかながら最さい高値たかねを更新こうしんしました。

ことしはFRBが利下りさげに転てんじて景気けいきを冷ひやす要因よういんがなくなるとの期待きたい感かんが投資とうし家かの間までは根強ねづよくある一方いっぽう、イスラエル・パレスチナ情勢じょうせいやウクライナ情勢じょうせいなど戦争せんそうや紛争ふんそうが拡大かくだいするリスクがくすぶっています。

市場しじょう関係かんけい者しゃは「ことし秋あきにはアメリカの大統領だいとうりょう選挙せんきょが予定よていされているほか、台湾たいわんやインドネシア、ロシアなどで大おおきな選挙せんきょが控ひかえている。株式かぶしき市場しじょうには不ふ確定かくてい要因よういんが多おおい1年ねんとなりそうだ」と話はなしています。

専門せんもん家かに聞きく 世界せかい経済けいざいと国際こくさい政治せいじの見通みとおし 懸念けねんされるリスクは

ことしの世界せかい経済けいざい、そして国際こくさい政治せいじの見通みとおしと懸念けねんされるリスクについて、2人にんの専門せんもん家かに話はなしを聞ききました。

CEPR ディーン・ベイカー氏し “米べい経済けいざいは堅調けんちょうに推移すいい”見方みかた示しめす

アメリカのシンクタンク、CEPR＝経済けいざい政策せいさく研究けんきゅうセンターのシニアエコノミスト、ディーン・ベイカー氏しはことしのアメリカ経済けいざいについて「FRB＝連邦れんぽう準備じゅんび制度せいど理事りじ会かいが2％の物価ぶっか目標もくひょうにソフトランディング＝軟着陸なんちゃくりくすることを私わたしは確信かくしんしている。インフレが抑おさえられていれば最初さいしょの利下りさげは3月つきだろう。そして、年としに4回かい、利下りさげが行おこなわれると予想よそうしている」と述のべたうえで、「賃金ちんぎんはインフレ率りつを超こえて伸のびている。個人こじん消費しょうひは堅調けんちょうなペースが続つづくと予測よそくしている」としてアメリカ経済けいざいは堅調けんちょうに推移すいいするだろうとの見方みかたを示しめしています。

また、ベイカー氏しは、外国がいこく為替かわせ市場しじょうについて、中東ちゅうとう情勢じょうせいやウクライナ情勢じょうせいが悪化あっかすれば、避難ひなん通貨つうかとしてドルが買かわれる可能かのう性せいがあるとしつつも「アメリカの利下りさげによってドル安やすが進すすみ、ほかの多おおくの通貨つうかに対にたいして5％から10％ドル安やすが進すすむだろう」と指摘してきし、円えん高だかドル安やす傾向けいこうを予測よそくしています。

フランシス・フクヤマ氏し 大統領だいとうりょう選せんの結果けっかが及およぼす影響えいきょう懸念けねん

「歴史れきしの終おわり」などの著作ちょさくで知しられるアメリカ・スタンフォード大学だいがくの政治せいじ学者がくしゃ、フランシス・フクヤマ氏しは、「最もっとも差し迫さしせまった危険きけんはガザ地区ちくでのイスラエルとイスラム組織そしきハマスの軍事ぐんじ衝突しょうとつが激化げきかすることだ。すでに国際こくさい的てきな海運かいうんの運賃うんちんに影響えいきょうが出でている。イランを直接ちょくせつ、巻き込まきこんだより広範こうはんな戦争せんそうが起おきれば、世界せかいのサプライチェーンなどにもっと深刻しんこくな影響えいきょうが及およぶのは明あきらかだ」と警鐘けいしょうを鳴ならしています。

また、フクヤマ氏しは、欧米おうべいのロシアに対にたいする経済けいざい制裁せいさいの影響えいきょうでロシアの石油せきゆやガスの市場しじょうが中国ちゅうごくやグローバル・サウスと呼よばれる新興しんこう国こくや途上とじょう国こくに広ひろがっているとしたうえで、「アメリカがイスラエルを支持しじしガザ地区ちくで軍事ぐんじ衝突しょうとつが続つづいていることで今後こんご、多おおくのグローバル・サウスの国々くにぐにがロシア・中国ちゅうごくの陣営じんえいとより広ひろく、手てを携たずさえることになる」と指摘してきしています。

さらにフクヤマ氏しは、「大おおきな不ふ確定かくてい要素ようそはアメリカ大統領だいとうりょう選挙せんきょだ。トランプ前ぜん大統領だいとうりょうが再ふたたび大統領だいとうりょうに選えらばれればトランプ氏しは世界せかい経済けいざいを孤立こりつ主義しゅぎの方向ほうこうに転換てんかんしようとし、関税かんぜいを引き上ひきあげようとする。それはサプライチェーンの協力きょうりょく関係かんけいや世界せかいの地政学ちせいがく的てきな安定あんていにとって大おおきなリスクになるだろう」とアメリカの大統領だいとうりょう選挙せんきょの結果けっかが世界せかい経済けいざいに及およぼす影響えいきょうを懸念けねんしています。