Japanese News: 新型コロナ死者過去最多「5類」見直し見解案まとまる課題は

新型しんがたコロナウイルスによる全国ぜんこくの死者ししゃ数すうは28日にち415人にんと、一いち日にちの発表はっぴょうとしてはこれまでで最多さいた。

厚生こうせい労働ろうどう省しょうの専門せんもん家か会合かいごうは、感染かんせんレベルは高たかく、今後こんごのさらなる増加ぞうかに懸念けねんを示しめしました。年末ねんまつ年始ねんしの接触せっしょく機会きかいの増加ぞうかなどの影響えいきょうに注意ちゅういが必要ひつようだとしています。

一方いっぽう、新型しんがたコロナの感染かんせん症しょう法ほう上じょうの位置いちづけを季節きせつ性せいインフルエンザなどと同おなじ「5類るい」などに見直みなおした場合ばあい、どのような影響えいきょうが出でるかについて専門せんもん家か会合かいごうのメンバーらが見解けんかい案あんをまとめました。

今後こんごの見通みとおしとともに、後段こうだんでは分類ぶんるい見直みなおしの課題かだいについて詳くわしくお伝おつたえしています。

専門せんもん家か会合かいごうは現在げんざいの感染かんせん状況じょうきょうについて全国ぜんこくでは感染かんせん者しゃ数すうの増加ぞうか速度そくどは低下ていかしているものの、高たかい感染かんせんレベルとなっていて中国ちゅうごく・四国しこく、九州きゅうしゅうなどでは増加ぞうかの幅はばが大おおきくなっているとしています。

専門せんもん家か会合かいごうで示しめされた資料しりょうによりますと、27日にちまでの1週間しゅうかんの新規しんき感染かんせん者しゃ数すうは全国ぜんこくでは前まえの週しゅうと比くらべて1.10倍ばいと増加ぞうかが続つづいていて、北海道ほっかいどうや東北とうほくなどを除のぞく35の都府県とふけんで前まえの週しゅうより感染かんせん者しゃ数すうが増ふえています。

全国ぜんこくで重症じゅうしょう者しゃや亡なくなる人ひとの数かずの増加ぞうか傾向けいこうが続つづき、一いち日にちに亡なくなる人ひとの数かずは過去かこ最多さいただった2022年ねん夏なつの「第だい7波は」のピークを超こえていて、今後こんごも増加ぞうかが続つづくことに懸念けねんを示しめしました。

医療いりょう体制たいせいについては全国ぜんこく的てきに病床びょうしょう使用しよう率りつが上昇じょうしょう傾向けいこうとなっていて、救急きゅうきゅう搬送はんそうが困難こんなんなケースがコロナとコロナ以外いがいでも第だい7波はのピークを超こえて医療いりょう体制たいせいに負荷ふかがかかっていて年末ねんまつ年始ねんしの救急きゅうきゅう医療いりょう体制たいせいの確保かくほに注意ちゅういが必要ひつようだとしました。

今後こんごの感染かんせん状況じょうきょうの短期たんき的てきな予測よそくでは、多おおくの地域ちいきで増加ぞうか傾向けいこうが続つづくと見込みこまれ、▽ワクチンの接種せっしゅや感染かんせんから時間じかんがたって免疫めんえきのレベルが下さがることや、▽より免疫めんえきを逃のがれやすいとされるオミクロン株かぶの「BQ.1」系統けいとうの割合わりあいの増加ぞうか、それに▽年末ねんまつ年始ねんしで接触せっしょく機会きかいが増ふえることなどによる影響えいきょうに注意ちゅういが必要ひつようだと指摘してきしました。

また、インフルエンザの感染かんせん者しゃ数すうも増加ぞうかが続つづくと見込みこまれ、特とくに学校がっこうが再開さいかいする冬休ふゆやすみ以降いこうに新型しんがたコロナとインフルエンザが同時どうじ流行りゅうこうすることに注意ちゅういが必要ひつようとしています。

その上うえで、必要ひつような対策たいさくについて専門せんもん家か会合かいごうはオミクロン株かぶ対応たいおうのワクチン接種せっしゅを行おこなうよう呼よびかけ、自分じぶんで検査けんさできる抗原こうげん検査けんさキットを準備じゅんびして感染かんせんに備そなえるよう求もとめています。

さらに▽飲食いんしょくはできるだけ少しょう人数にんずうで、飲食いんしょく時じ以外いがいはマスクを着用ちゃくようすること、▽換気かんきの徹底てってい、▽症状しょうじょうがあるときは外出がいしゅつを控ひかえるといった、基本きほん的てきな感染かんせん対策たいさくの再さい点検てんけんや徹底てっていを改あらためて呼よびかけました。

新型しんがたコロナ死者ししゃ415人にん過去かこ最多さいた

28日にち、発表はっぴょうされた新型しんがたコロナウイルスによる全国ぜんこくの死者ししゃ数すうは415人にんで、2022年ねん9月つき2日にちの347人にんを上回うわまわって1日にちの発表はっぴょうとしてはこれまでで最もっとも多おおくなりました。また、28日にち発表はっぴょうされた新あらたな感染かんせん者しゃは、21万まん6219人にんでした。

2022年ねん新型しんがたコロナ対策たいさく大おおきく転換てんかん

この1年ねんで政府せいふの新型しんがたコロナ対策たいさくは大おおきく転換てんかんしました。オミクロン株かぶが広ひろがった2022年ねん初はじめからの「第だい6波は」では、亡なくなる人ひとも増ふえましたが、それ以上いじょうに感染かんせん者しゃ数すうの増加ぞうかが大おおきく、致死ちし率りつや重症じゅうしょう化か率りつは以前いぜんと比くらべて低下ていかしました。

これを受うけこの夏なつの「第だい7波は」では、夏休なつやすみ中ちゅうで人ひとの移動いどうが活発かっぱつになり感染かんせん者しゃ数すうも連日れんじつ、過去かこ最多さいたを更新こうしんしましたが、緊急きんきゅう事態じたい宣言せんげんやまん延まんえん防止ぼうし等とう重点じゅうてん措置そちといった行動こうどう制限せいげんは行おこなわず、濃厚のうこう接触せっしょく者しゃに求もとめる待機たいき期間きかんが短縮たんしゅくされました。

そして9月つきからオミクロン株かぶに対応たいおうしたワクチン接種せっしゅが開始かいしされたことや海外かいがいで社会しゃかい・経済けいざい活動かつどうの正常せいじょう化かの動うごきが進すすんでいることなどを踏ふまえ、▽感染かんせん者しゃの全数ぜんすう把握はあくを簡略かんりゃく化かや▽患者かんじゃの療養りょうよう期間きかんの短縮たんしゅく▽空港くうこうでの水際みずぎわ対策たいさくの緩和かんわなど感染かんせん拡大かくだい防止ぼうしと社会しゃかい経済けいざい活動かつどうの両立りょうりつを図はかる対策たいさくが打ち出うちだされました。

さらにインフルエンザとの同時どうじ流行りゅうこうが懸念けねんされた「第だい8波は」では、重症じゅうしょう化かリスクの低ひくい人ひとは自宅じたくなどで抗原こうげん検査けんさキットで検査けんさを行おこない、陽性ようせいだった場合ばあいはオンラインや電話でんわで受診じゅしんするなど、医療いりょう機関きかんのひっ迫ひっぱくを避さけるための対策たいさくが本格ほんかく化かし、感染かんせん拡大かくだい後ご初はじめて帰省きせいや旅行りょこうについて慎重しんちょうな対応たいおうを求もとめるなどの呼よびかけが行おこなわれない年末ねんまつ年始ねんしとなりました。

2022年ねん感染かんせん者しゃ数すう去年きょねんの約やく18倍ばい

2022年ねん、国内こくないの新型しんがたコロナウイルスの感染かんせん者しゃ数すうはオミクロン株かぶの影響えいきょうなどで爆発ばくはつ的てきに増加ぞうかし、年明としあけと夏なつ、秋あき以降いこうの3回かいにわたって感染かんせんが拡大かくだいし、1年間ねんかんの感染かんせん者しゃ数すうは28日にちの時点じてんでおよそ2704万まん人にんと、およそ150万まん人にんだった去年きょねんのおよそ18倍ばいとなりました。

2022年ねん死者ししゃ数すう去年きょねんの約やく２に.５ご倍ばい

ワクチン接種せっしゅが進すすんだこともありオミクロン株かぶの感染かんせん拡大かくだい以降いこう、重症じゅうしょう化かする割合わりあいや致死ちし率りつは下さがりましたが、感染かんせん者しゃ数すうが爆発ばくはつ的てきに増加ぞうかしたことで、亡なくなった人ひとは多おおくなりました。

2022年ねん、新型しんがたコロナに感染かんせんして亡なくなった人ひとの数かずは28日にちの時点じてんで3万まん7843人にんで、アルファ株かぶやデルタ株かぶが広ひろがった2021年ねんの1万まん4926人にんのおよそ2.5倍ばいとなっています。感染かんせんの第だい7波はのピークだった2022年ねん8月つきには1か月かげつ間かんに7295人にんが亡なくなり、第だい8波はの今月こんげつも、28日にちまでに6584人にんが亡なくなったと報告ほうこくされています。

政府せいふ分科ぶんか会かいのメンバーで東邦とうほう大学だいがくの舘田たてだ一博かずひろ教授きょうじゅは「致死ちし率りつは低ひくくなってきているが人数にんずうで見みると300人にん以上いじょうが亡なくなる日ひもある。感染かんせん者しゃ数すうがさらに増ふえれば亡なくなる人ひともさらに増ふえるというリスクに直面ちょくめんしていて、この現状げんじょうを認識にんしきしながらできる対策たいさくをしっかり継続けいぞくすることが重要じゅうようだと思おもう」と指摘してきしています。

変異へんいウイルスの割合わりあいが増加ぞうか

2022年ねんの初はじめ以降いこう、感染かんせん力りょくが強つよいオミクロン株かぶの系統けいとうの新型しんがたコロナウイルスの感染かんせんが主流しゅりゅうとなっていて、現在げんざいはオミクロン株かぶのうち、さらに免疫めんえきから逃のがれる性質せいしつが加くわわった新あらたな変異へんいウイルスの割合わりあいが増加ぞうかしてきています。

2022年ねん前半ぜんはんには、オミクロン株かぶの「BA.1」や「BA.2」が主流しゅりゅうとなり、感染かんせんの第だい6波はを引き起ひきおこしました。

その後そのご、感染かんせんが爆発ばくはつ的てきに広ひろがった夏なつの第だい7波はではオミクロン株かぶの「BA.5」が主流しゅりゅうとなり、7月つきから10月つきごろまでは検出けんしゅつされる新型しんがたコロナウイルスのほぼすべてを占しめていましたが、国立こくりつ感染かんせん症しょう研究所けんきゅうじょの推定すいていでは今週こんしゅうの時点じてんで全国ぜんこくで50％ほどに割合わりあいが下さがっているとみられるとしています。

現在げんざいは、これまでの感染かんせんやワクチン接種せっしゅで得えた免疫めんえきからより逃のがれやすいとされるオミクロン株かぶの「BQ.1」が35％ほどにまで増加ぞうかしていると推定すいていされ、今後こんごも増ふえるとみられています。

WHO＝世界せかい保健ほけん機関きかんによりますと、12月つき4日にちまでの1週間しゅうかんで世界中せかいじゅうでゲノム解析かいせきされた新型しんがたコロナウイルスの中なかで

最もっとも多おおくなっているのは

▽「BQ.1」で42.5％、

続つづいて

▽「BA.5」系統けいとうが13.4％

▽「BA.2.75」が9.8％、

▽オミクロン株かぶの複数ふくすうのタイプのウイルスが組くみ合あわさった

　「XBB」が6.1％などとなっています。

この中なかで懸念けねんされているのが、さらに新あらたな変異へんいウイルスが現あらわれることです。厳きびしい行動こうどう制限せいげんを伴ともなう「ゼロコロナ」政策せいさくを緩和かんわし、感染かんせんが急きゅう拡大かくだいしている中国ちゅうごくで極きわめて多おおくの人ひとが感染かんせんした場合ばあい、変異へんいを繰り返くりかえして、性質せいしつの異ことなる新あらたな変異へんいウイルスが生うまれるおそれもあると専門せんもん家かは指摘してきしていて、今後こんごも監視かんしする必要ひつようがあるとしています。

一方いっぽうで、取とるべき感染かんせん対策たいさくは大おおきく変かわらず、人ひとと人ひとの接触せっしょく機会きかいが増ふえる年末ねんまつ年始ねんしに向むけて、

政府せいふの分科ぶんか会かいは

▽オミクロン株かぶ対応たいおうのワクチンを接種せっしゅすること、

▽定期ていき的てきに窓まどを開あけるなど十分じゅうぶんな換気かんきを行おこなうこと、

▽帰省きせいする人ひとは高齢こうれいの親族しんぞくと接せっする機会きかいが多おおくなるため、

事前じぜんに検査けんさを受うけることなどを呼よびかけています。

さらに医療いりょうのひっ迫ひっぱくを避さけるため、

重症じゅうしょう化かリスクが低ひくい人ひとは発熱はつねつなどの症状しょうじょうが出でた際さい、

▽自分じぶんで抗原こうげん検査けんさキットを使つかった検査けんさを検討けんとうすることや

▽特とくに年末ねんまつ年始ねんしは医療いりょう機関きかんの体制たいせいが通常つうじょうとは異ことなるため、自分じぶんの住すむ地域ちいきの医療いりょう機関きかんをあらかじめ確認かくにんして検査けんさキットや解熱げねつ薬やくを事前じぜんに購入こうにゅうして対応たいおうするよう求もとめています。

都内とないの発熱はつねつ外来がいらい患者かんじゃ増ぞう「年末ねんまつ年始ねんし慎重しんちょうな生活せいかつを」

東京とうきょう世田谷せたがや区くにあるクリニックでは夜間やかんや休日きゅうじつに予約よやく制せいで発熱はつねつ外来がいらいを開設かいせつしていて、出入り口でいりぐち付近ふきんに設もうけたスペースで診察しんさつや検査けんさなどにあたっています。

26日にちの夜よるに発熱はつねつの症状しょうじょうで受診じゅしんした50代だいの女性じょせいと20代だいの男性だんせいはPCR検査けんさで陽性ようせいが確認かくにんされました。クリニックでは10月つき下旬げじゅんから受診じゅしんする患者かんじゃが増ふえ始はじめ、コロナの感染かんせんが確認かくにんされる人ひとは今月こんげつは10月つきの4倍ばい程度ていどに増ふえているということです。

この2週間しゅうかんほどはインフルエンザへの懸念けねんもあって受診じゅしんする人ひとが相次あいつぎ、これまでに5人にんがインフルエンザの感染かんせんが確認かくにんされたということで、年末ねんまつ年始ねんしも休やすみなく発熱はつねつ外来がいらいを開ひらく予定よていだということです。

「下馬げば6-21かやしま医院いいん」の萱かや嶋しま信介しんすけ院長いんちょうは「今回こんかいの第だい8波はでは重症じゅうしょう者しゃが少すくない一方いっぽう、しっかり熱ねつが出でる人ひとが多おおく、受診じゅしんする人ひとは去年きょねんの暮くれよりも多おおいと感かんじる。年末ねんまつ年始ねんしは大切たいせつな人ひとと会あえる大事だいじな機会きかいだが、早期そうきの診断しんだんと隔離かくりという対策たいさくを念頭ねんとうに熱ねつやせきがないかなど体調たいちょうを確認かくにんして慎重しんちょうな生活せいかつを心こころがけてほしい」と話はなしています。

新型しんがたコロナウイルスの感染かんせんが拡大かくだいする中なか、都内とないの薬局やっきょくでは自分じぶんで検査けんさができる抗原こうげん検査けんさキットの需要じゅようが高たかまっていて、年末ねんまつ年始ねんしに帰省きせいする人ひとなどが買い求かいもとめています。

東京とうきょう江戸川えどがわ区くにある大手おおて薬局やっきょくチェーンの店舗てんぽでは、11月つき以降いこう、抗原こうげん検査けんさキットの販売はんばいがこれまでの2倍ばい以上いじょうに増ふえています。28日にちも午前ごぜん中ちゅうから10人にん以上いじょうが買い求かいもとめていて、電話でんわでの問い合といあわせも増ふえているということです。

この薬局やっきょくチェーンでは今週こんしゅうに入はいってから▽前まえの週しゅうより30％以上いじょう、販売はんばいが増ふえていて、▽新型しんがたコロナとインフルエンザの感染かんせんを同時どうじに調しらべることができる検査けんさキットも40％程度ていど伸のびているということです。このチェーンでは今いまのところ在庫ざいこは十分じゅうぶんに確保かくほしているということで、年末ねんまつ年始ねんしは営業えいぎょうしない店みせも多おおいことから、必要ひつような人ひとは早はやめの購入こうにゅうを呼よびかけています。

検査けんさキットを購入こうにゅうした70代だいの男性だんせいは「年末ねんまつに兄弟きょうだいの家いえに遊あそびに行いく予定よていでその後そのご、老人ろうじんホームに入居にゅうきょするのに必要ひつようなので初はじめて購入こうにゅうしました」と話はなしていました。

日本にっぽん調剤ちょうざいヘルスケア推進すいしん部ぶの薬剤師やくざいし、黒木くろき眞まこと千せん子しさんは「新型しんがたコロナに加くわえインフルエンザも流行りゅうこう期きに入はいったことで検査けんさキットの販売はんばいが増ふえている。帰省きせいなどに合あわせて家族かぞくの分ぶんを確保かくほしておこうという人ひとが多おおい印象いんしょうです」と話はなしていました。

「5類るい」見直みなおしの見解けんかい案あんまとめる

新型しんがたコロナウイルスの感染かんせん症しょう法ほう上じょうの位置いちづけを季節きせつ性せいインフルエンザなどと同おなじ「5類るい」などに見直みなおした場合ばあい、どのような影響えいきょうが出でるかについて厚生こうせい労働ろうどう省しょうの専門せんもん家か会合かいごうのメンバーらが見解けんかい案あんをまとめました。

患者かんじゃが増加ぞうかしたときに入院にゅういん調整ちょうせいが行おこなわれなくなることなどが懸念けねんされる一方いっぽう、濃厚のうこう接触せっしょく者しゃに法律ほうりつに基もとづいた行動こうどう制限せいげんの呼よびかけができなくなる影響えいきょうは少すくないなどとしていて、位置いちづけの変更へんこうは必要ひつような準備じゅんびを進すすめながら行おこなうべきだとしています。

厚生こうせい労働ろうどう省しょうの専門せんもん家か会合かいごうのメンバーらがまとめた見解けんかい案あんでは現在げんざいの新型しんがたコロナについてオミクロン株かぶになって感染かんせんが広ひろがりやすくなっている上うえ死亡しぼう者しゃ数すうが多おおいなど「季節きせつ性せいインフルエンザと同様どうようの対応たいおうが可能かのうな病気びょうきになるにはもうしばらく時間じかんがかかる」と評価ひょうかしています。

そのうえで厳きびしい措置そちをとることができる「2類るい相当そうとう」から「5類るい」などに変更へんこうされた場合ばあい、▽患者かんじゃが増加ぞうかしたときに行政ぎょうせいによる入院にゅういん調整ちょうせいが行おこなわれず地域ちいきを越こえた調整ちょうせいも難むずかしくなることや▽治療ちりょう費ひが公費こうひで負担ふたんされなくなり、感染かんせん者しゃが検査けんさや治療ちりょうを受うけなくなるなどの懸念けねんがあるとしています。

一方いっぽうで、▽濃厚のうこう接触せっしょく者しゃに法律ほうりつに基もとづいた行動こうどう制限せいげんの呼よびかけができなくなることについてはすでに事実じじつ上じょう行おこなわれておらず、影響えいきょうは少すくないとしています。そして今後こんごも▽医療いりょうがひっ迫ひっぱくしたときに調整ちょうせいを行おこなう機能きのうを維持いじすることや▽新あらたな変異へんいウイルスによって感染かんせん者しゃや死亡しぼう者しゃが激増げきぞうする場合ばあいは接触せっしょく機会きかいを減へらす対策たいさくを考慮こうりょすることが求もとめられるとしていて、位置いちづけの変更へんこうは必要ひつような準備じゅんびを進すすめながら行おこなうべきだとしています。

見解けんかい案あんは、28日にちの専門せんもん家か会合かいごうに示しめされ、意見いけんが交かわされたということで、脇田わきた隆たかし字じ座長ざちょうは年明としあけにも最終さいしゅう版ばんを公表こうひょうしたいという考かんがえを示しめしました。

分類ぶんるい見直みなおしの課題かだい

新型しんがたコロナウイルスの感染かんせん症しょう法ほう上じょうの分類ぶんるい見直みなおしについて厚生こうせい労働ろうどう省しょうは自治体じちたいや医療いりょう関係かんけい者しゃなどが参加さんかする感染かんせん症しょう部会ぶかいで議論ぎろんを進すすめています。検討けんとうにあたっては医療いりょう体制たいせいや公費こうひ負担ふたんのあり方ありかたなどが焦点しょうてんになっています。

【課題かだい1 医療いりょう体制たいせい】

新型しんがたコロナは現在げんざい、結核けっかくなど「2類るい」以上いじょうの強つよい感染かんせん防止ぼうし策さくがとれる「新型しんがたインフルエンザ等とう感染かんせん症しょう」に分類ぶんるいされ、▽入院にゅういんできる医療いりょう機関きかんが感染かんせん症しょう指定してい医療いりょう機関きかんや、都道とどう府県ふけんが認みとめた医療いりょう機関きかんに限かぎられているほか、感染かんせん力りょくの強つよさから▽院内いんないでの感染かんせん対策たいさくをとった発熱はつねつ外来がいらいでの診察しんさつを進すすめるため、設置せっちした医療いりょう機関きかんには診療しんりょう報酬ほうしゅうの加算かさんが行おこなわれています。

今後こんご、分類ぶんるいが5類るいになれば医療いりょう機関きかんを限定げんていする法的ほうてき根拠こんきょがなくなり、一般いっぱんの医療いりょう機関きかんでも診察しんさつや入院にゅういんが可能かのうとなるため医療いりょうのひっ迫ひっぱくが軽減けいげんされると期待きたいされています。

一方いっぽうで、新あらたに患者かんじゃを受け入うけいれる医療いりょう機関きかんには院内いんないでの感染かんせんリスクを減へらす対応たいおうが求もとめられるほか、感染かんせん対策たいさくが不十分ふじゅうぶんな場合ばあいなど、実際じっさいには患者かんじゃを受け入うけいれることができない医療いりょう機関きかんが出でてくることも懸念けねんされています。

また、▽病床びょうしょう確保かくほの費用ひようや▽院内いんない感染かんせん対策たいさくなど国くにが自治体じちたいや医療いりょう機関きかんに行いっている財政ざいせい支援しえんを継続けいぞくするかどうかも焦点しょうてんとなっています。

【課題かだい2 医療いりょう費ひなど公費こうひ負担ふたん】

医療いりょう費ひの公費こうひ負担ふたんをどうするかも大おおきな焦点しょうてんとなっています。

現在げんざい、▽入院にゅういんや検査けんさの費用ひようについては現在げんざい、感染かんせん症しょう法ほうの規定きていで公費こうひで負担ふたんされています。

また、▽外来がいらい診療しんりょうにかかる費用ひようや▽治療ちりょう薬代くすりだいなども予算よさん措置そちで公費こうひ負担ふたんされていますが、今後こんご、5類るいになった場合ばあい、入院にゅういんや検査けんさの費用ひようは保険ほけん適用てきよう以外いがいの費用ひようが自己じこ負担ふたんになります。

さらに外来がいらい診療しんりょうの費用ひようなどの公費こうひ負担ふたんも減へらすことになれば、高額こうがくな治療ちりょう薬やくの代金だいきんを患者かんじゃが負担ふたんすることになるほか、受診じゅしん控ひかえから感染かんせん発覚はっかくや治療ちりょうが遅おくれてしまうケースも懸念けねんされています。

このため、予算よさん措置そちで継続けいぞくするなど段階だんかい的てきに移行いこうすべきだといった意見いけんも出だされています。

【課題かだい3 行動こうどう制限せいげん】

患者かんじゃへの入院にゅういん勧告かんこくや、患者かんじゃや濃厚のうこう接触せっしょく者しゃへの行動こうどう制限せいげんも感染かんせん症しょう法ほうの現在げんざいの分類ぶんるいに基もとづいて行おこなわれています。

感染かんせん拡大かくだい当初とうしょから段階だんかい的てきに緩和かんわされ、現在げんざい、入院にゅういん勧告かんこくは高齢こうれい者しゃなどに重点じゅうてん化かされています。行動こうどう制限せいげんも患者かんじゃは最大さいだい7日間にちかん、濃厚のうこう接触せっしょく者しゃは家庭かてい内ないなどに限定げんていしたうえで最大さいだい5日間にちかんに短縮たんしゅくされています。

5類るいに見直みなおされた場合ばあい、入院にゅういん勧告かんこくや行動こうどう制限せいげんをできなくなるため、医療いりょう従事じゅうじ者しゃなどが家族かぞくなどの濃厚のうこう接触せっしょくとなって出勤しゅっきんできなくなるケースなどが無なくなると期待きたいされています。

一方いっぽうで、感染かんせんした場合ばあいには周囲しゅういに広ひろげないよう行動こうどうすることを国民こくみんに理解りかいしてもらうよう周知しゅうちをすることが求もとめられます。

【課題かだい4 ワクチン公的こうてき接種せっしゅ】

新型しんがたコロナのワクチンは、「まん延まんえん予防よぼう上じょう緊急きんきゅうの必要ひつようがある」として、予防よぼう接種せっしゅ法ほうの「特例とくれい臨時りんじ接種せっしゅ」として無料むりょうでの接種せっしゅが進すすめられてきました。

厚生こうせい労働ろうどう省しょうは感染かんせん症しょう法ほうの見直みなおしと平行へいこうして、「まん延まんえん予防よぼう上じょう緊急きんきゅうの必要ひつよう性せいがある」という理由りゆうが引き続ひきつづき該当がいとうするかどうか専門せんもん家かで作つくる分科ぶんか会かいで議論ぎろんを行おこなっていて今年度こんねんど中ちゅうに▽無料むりょう接種せっしゅを続つづけるかや▽対象たいしょう者しゃをどうするかについて結論けつろんを示しめすことにしています。

【分類ぶんるい見直みなおし今後こんごは】

新型しんがたコロナについて、政府せいふ内ないでは、感染かんせん症しょう法ほう上じょう、季節きせつ性せいインフルエンザと同おなじ「5類るい」への引き下ひきさげを早はやければ2023年ねん春はるにも行おこなう案あんも出でています。

一方いっぽうで厚生こうせい労働ろうどう省しょうの専門せんもん家か会合かいごうでは、新型しんがたコロナはインフルエンザと同等どうとうと判断はんだんできる条件じょうけんを現時点げんじてんで満みたしていないとする指摘してきも出でています。

今後こんご、分類ぶんるいを5類るいに変かえる場合ばあい、厚生こうせい労働ろうどう省しょうは専門せんもん家かで作つくる感染かんせん症しょう部会ぶかいにはかったうえで省令しょうれい改正かいせいを行おこなう必要ひつようがあります。厚生こうせい労働ろうどう省しょうは来月らいげつ中旬ちゅうじゅんにも感染かんせん症しょう部会ぶかい開ひらく見通みとおしで、年明としあけの感染かんせん状況じょうきょうをみたうえで、見直みなおしの方向ほうこう性せいを判断はんだんするとしています。

脇田わきた座長ざちょう「対策たいさくなど整理せいりが必要ひつよう」

厚生こうせい労働ろうどう省しょうの専門せんもん家か会合かいごうのあと開ひらかれた記者きしゃ会見かいけんで脇田わきた隆たかし字じ座長ざちょうは、28日にちの会合かいごうでは、新型しんがたコロナウイルスの感染かんせん症しょう法ほう上じょうの位置いちづけを見直みなおした場合ばあいのリスクや必要ひつような対策たいさくについて意見いけんを交かわしたと述のべました。

その上うえで「一定いっていの見解けんかいを示しめそうと、素案そあんを作つくっていてきょうも議論ぎろんした。きょうの議論ぎろんも踏ふまえて、最終さいしゅう版ばんを公表こうひょうしていきたい。なるべく早はやくまとめたいと思おもっているが、年明としあけになると思おもう。医療いりょう体制たいせいに何なにが必要ひつようで、感染かんせん者しゃや濃厚のうこう接触せっしょく者しゃ、感染かんせんしていない人ひとにどのような対策たいさくが求もとめられるのかなど、整理せいりが必要ひつようだ」と述のべました。