【
合意内容の
詳細】
今回の最終合意で大企業は法人税率が低い国や地域に子会社や工場などの拠点を置いても、少なくとも15%分の税負担を求められることになります。
低い税率の国に子会社を作った企業はこれまで利益を移すことで税率の差の分の課税を逃れることができましたが親会社がある国は差額分の法人税を親会社に上乗せすることができるようになります。
例えばある企業が税率が10%の国に子会社などを設立した場合、親会社がある国は最低税率との差にあたる5%を上乗せして課税できるのです。
ただ、いわゆるペーパーカンパニーではなく、工場があって従業員がいるなど現地で操業している子会社については、税負担が大幅に増えないようにする特例的な措置も設けられました。
具体的には、税率が低い国にある子会社については税額を計算する際に対象となる所得から、工場など有形資産や従業員に支払っている給与に相当する金額の一部を差し引くことを認めます。
OECD=経済協力開発機構の推計によりますと、最低税率が15%となったことで、世界全体で年間およそ1500億ドル、日本円で16兆円余りの税収が新たに得られる見込みです。
【日本や日本企業への影響】
各国はこれまで企業誘致を目的に法人税を引き下げてきました。
日本も
これまで、
ほかの
国に
追従する
形で、
法人税を
引き下げ、
国と
地方をあわせた
法人税の
実効税率は、
平成26
年度の34.62%から29.74%まで
引き下げられてきました。
今回の合意で、法人税の引き下げ競争に歯止めがかかることが期待されています。
また、企業が海外の進出先を選ぶ際は、インフラの整備や労働者の教育水準など税負担以外の条件を重視するようになることなども期待されています。
さらに、日本企業の競争力の引き上げにつながるという指摘もあります。
低い税率の国に設けた子会社に利益を移して課税を逃れることで利益を蓄えてきた海外の巨大グローバル企業も今後は少なくとも15%分の法人税を負担することになります。
日本ではこうした形で税負担を軽減してきた企業が比較的少なく、競争上不利だとされてきましたが、今回の合意で状況が是正されると考えられるためです。
グローバル企業への課税は…
【
合意内容の
詳細】
「GAFA」と呼ばれる巨大IT企業に代表されるグローバル企業への課税の強化についても最終的な合意に至りました。
これまでのルールでは、国や地域が企業に法人税を課税するには工場などの拠点を構えていることが条件となっています。
このため、拠点は持たず、国境を越え、インターネットを通じて動画や音楽などのコンテンツを提供している企業に対しては、法人税を課税することができませんでした。
今回の合意は、このルールを改めてサービスの利用者がいる国や地域も課税できるようにするというものです。
課税の対象となる企業の基準は、売り上げが200億ユーロ、日本円でおよそ2兆6000億円で利益率が10%を超える巨大企業で、世界で100社程度が該当するとしています。
これらの企業の売り上げの10%を超えた税引き前利益の25%を課税の対象として売り上げに応じてサービスの利用者がいる国に配分するということです。
OECD=経済協力開発機構によりますと利用者がいる国や地域には毎年、合計1250億ドル、日本円で14兆円を超える利益が課税の対象として配分されると推計しています。
【
日本への
影響】
日本は、インターネットを通じて海外企業のサービスを比較的多く利用していることから税収が増える可能性があると専門家は指摘しています。
一方、日本企業にとっては影響は限定的とみられています。
合意された基準に日本企業を単純にあてはめると、数社が課税の対象になる可能性がありますが、海外で得ている利益が多くはないためです。
今後のスケジュールは…
今回の
最終合意は、
来週開かれるG20=
主要20
か国の
財務相・
中央銀行総裁会議に
報告されます。
その上で、それぞれの国や地域は合意されたルールを実際に適用するための法整備を進めることになります。
このうち、最低税率については、法人税法などを改正することになります。
一方、グローバル企業への課税については、合意に加わった国どうしで、租税条約を結ぶ必要があります。
今回の合意では、来年中(2022年)に法改正や租税条約を策定し、合意内容の一部を除いて再来年(2023年)には実施することを目標としています。
鈴木財務相コメント「高く評価」
鈴木財務大臣は、
新たな
国際課税の
ルールで
最終合意に
達したことについて「100
年来、
続いてきた
国際課税原則の
見直しが、グローバルな
枠組みのもとで
合意されたことを
高く
評価する。
今後、
多国間条約の
策定・
批准や、
国内法の
改正に
向け、
引き続き各国と
協調しながら
取り組みたい」という
談話を
発表しました。
専門家「合意は日本にとってはプラスに」
今回の
最終合意について、
国際課税に
詳しい東京財団政策研究所の
岡直樹研究員は、「
経済のグローバル
化とデジタル
化が
進む中で、
法人課税の
長年の
難問といわれてきたものに
きちんと答えを
出し、140
近くの
国と
地域の
合意によって
成し遂げられたことに
大きな価値が
ある」と
評価しました。
そのうえで、日本への影響について、「税収もプラスになる面が大きいと考えてよいのではないか。企業の視点から見ても、グローバル企業との間で競争条件が公平になることにつながり、日本企業にとってプラスの面が大きい」と指摘しています。
米バイデン大統領「働く世帯に恩恵」
最終合意について
アメリカのバイデン
大統領は
声明を
出し「この合意はアメリカのリーダーシップと
外交力が、
国内の
働く
世帯にいかに
恩恵をもたらして
いくかを
示している。
利益を
上げる企業が
公正な
分配を
行い、
各国が
労働者に
投資する
財源を
増やすことが
できる」と
成果を
強調しました。
バイデン大統領は、各国に法人税の引き下げ競争をやめるよう訴えるとともに、自国でも法人税率を引き上げて大規模な経済対策の財源にあてる計画を打ち出しましたが、野党・共和党などの反対に直面していて、その行方が注目されています。
米 イエレン財務長官「一世一代の快挙」
最終合意を
受けてアメリカのイエレン
財務長官は
声明を
発表し「
経済外交の
一世一代の
快挙だ。たゆまぬ
交渉が
アメリカと
世界全体に
長きにわたる
繁栄をもたらすことになった。
世界経済は
法人税の
底辺への
競争を
終わらせることを
決断した」として、
合意の
意義を
強調しました。
国際課税のルールづくりをめぐっては、ことし発足したアメリカのバイデン政権が前政権の消極的な姿勢を転換したことが合意に向けた転機となり、イエレン財務長官が法人税の引き下げ競争を止めるため、各国に対して最低税率の導入を働きかけていました。
OECD事務総長「大勝利だ」
新たな
国際課税ルールで
最終合意したことについて、OECD=
経済協力開発機構のコーマン
事務総長は
声明の
中で「
多国間主義の
大勝利だ。
新たな
国際課税ルールはデジタル
化されグローバル
化が
進んだ
世界経済に
適応し、より
公平により
よく機能するように
なるだろう」として
成果を
強調しました。
欧州委員長「より公正にするための大きな一歩」
EU=
ヨーロッパ連合の
執行機関にあたるヨーロッパ
委員会のフォンデアライエン
委員長も
最終合意を
歓迎する
声明を
発表しました。
声明では「国際的な課税システムをより公正にするための大きな一歩だ。大企業に適正な税の支払いを求めることは、財政だけでなく、基本的な公正さの問題だ」と意義を強調したうえで、「合意は履行されることが必要だ。EUが一丸となって前に進むよう、われわれは加盟国と密に連携していく」としています。
ハンガリー財務相「現在の法人税率の9%は変わらない」
法人税率が9%と
低く、ことし7
月の
大枠合意には
加わっていなかったハンガリーのバルガ
財務相は8
日、
自身のフェイスブックに
動画を
投稿し「ハンガリー
政府は
新しい国際課税ルールに
合意した」と
述べました。
ただ、ハンガリーが提案した10年間の移行期間などが認められたとして、「現在の法人税率9%は変わらない。交渉は成功し、ハンガリーが勝利した」としています。
フェイスブック「より多くの税払う可能性
最終合意についてフェイスブックは、「
今回の
合意によってわれわれがより
多くの
税金を
異なる場所で
支払うことになる
可能性があると
認識している。
税制は
市民の
信頼を
得られるものでなければならず、
合意をうれしく
思う」
などとする
コメントを
出しました。
アマゾン「今回の進展を支持」
最終合意についてアマゾンは、「今回の進展を支持しており、OECD加盟国などの継続的な取り組みに期待する」というコメントを出しました。
日本・インド首脳会談へ幅広い分野で協力強化確認したい考え
石破総理大臣は29日、インドのモディ首相との首脳会談に臨みます。世界で最も人口が多く、市場の拡大が見込まれるインドの活力を日本の成長に取り込みたいとして、安全保障や経済、人的交流など幅広い分野での協力強化を確認したい考えです。
N2
Source: NHK
307
Aug 29, 2025 05:08
石破首相とインドのモディ首相 半導体製造装置メーカー視察へ
石破総理大臣はインドのモディ首相と首脳会談を行い、経済や人的交流など幅広い分野での協力強化を確認しました。30日はそろって宮城県を訪れ、半導体製造装置メーカーの工場を視察する予定で、経済安全保障分野の連携を具体化する足がかりとしたい考えです。
N2
Source: NHK
261
Aug 30, 2025 05:08
ロシアによる大規模攻撃 キーウで子ども含む22人死亡
ウクライナの首都キーウでは28日、ロシアによる大規模な攻撃があり、子どもを含む少なくとも22人が死亡しました。キーウへの大規模攻撃は先月末以来で、ウクライナやヨーロッパ側は、ロシアが停戦などの交渉に応じる姿勢がないことのあらわれだとして非難を強めています。
N1
Source: NHK
100
Aug 29, 2025 06:08
長崎佐世保基地海自自衛官自殺国が心理的負荷認め和解成立
長崎県佐世保市の基地に所属する海上自衛隊の護衛艦で勤務していた当時20歳の自衛官が自殺したのは、上官のパワハラなどが原因だとして両親が国に賠償などを求めた裁判は、国側が自衛官に強い心理的な負荷をかけたことを認めることなどで和解が成立しました。
N2
Source: NHK
58
Aug 29, 2025 12:08
「緊急避妊薬」医師の処方箋なくても薬局などで販売へ【Q&A】
意図しない妊娠を防ぐ「緊急避妊薬」について、厚生労働省の専門家会議は29日夜、医師の処方箋がなくても薬局などで薬を購入できるようにする方針を了承しました。店舗での対面販売に限られ、薬剤師からの説明を受けたうえで、その場で服用することを義務づけることにしています。
N2
Source: NHK
5
Aug 29, 2025 23:08
韓国“日本によい印象”割合 過去最高 日本と対照的 民間調査
日韓両国の民間団体が行った世論調査で、日本によい印象を持っていると答えた韓国人の割合が、調査開始以来、過去最高となりました。一方、韓国によくない印象を持っていると答えた日本人は半数を超え、調査した団体は、日本に厳しい姿勢を示してきたイ・ジェミョン(李在明)政権への不信感などによるものだと分析しています。
N2
Source: NHK
4
Aug 30, 2025 14:08
This feature is only available for registered users!
Login
or
Register
Premium feature
You need to upgrade to a premium account to using this feature
Are you sure you want to test again?
You have reached the limit for today
Please upgrade your account to read unlimited newspapers