Japanese News: “排出ガス車ゼロ2040年までに”なぜ日本は参加を見送ったのか

“排出はいしゅつガス車しゃゼロ2040年ねんまでに”なぜ日本にっぽんは参加さんかを見送みおくったのか

Nov 11, 2021 20:11

Furigana

イギリスで開ひらかれている国連こくれんの気候きこう変動へんどう対策たいさくの会議かいぎ、「COP26」で議長ぎちょう国こくであるイギリスは、2040年ねんまでに世界せかいの新車しんしゃ販売はんばいをEV＝電気でんき自動車じどうしゃなどの排出はいしゅつガスを出ださない車くるまにする目標もくひょうをまとめ、20か国かこく余あまりが合意ごういしたと発表はっぴょうしました。

一方いっぽうで、自動車じどうしゃ産業さんぎょうが大おおきい日本にっぽんやアメリカ、ドイツなどは参加さんかを見送みおくりました。

なぜ日本にっぽんは参加さんかを見送みおくったのか。日本にっぽんのEV開発かいはつの現状げんじょうと課題かだいを探さぐりました。

日本にっぽんの自動車じどうしゃメーカーで相次あいつぐEVシフト

今月こんげつ11日にち、自動車じどうしゃメーカーのSUBARUが、EV＝電気でんき自動車じどうしゃを来年らいねん半なかばまでに日本にっぽんやアメリカなどに投入とうにゅうすることを発表はっぴょうしました。海外かいがいでEVの開発かいはつ・販売はんばいが加速かそくするなか、国内こくないでもここ最近さいきん、主要しゅようメーカーによるEVの発表はっぴょうが相次あいついでいます。

SUBARU 中村なかむら知美ともみ社長しゃちょう

「安全あんぜん性せいや四よん輪りん駆動くどうの性能せいのうなど、EVでもSUBARUらしさをしっかり担保たんぽできた。EVの世界せかいでもお客様おきゃくさまの期待きたいは変かわらないと思おもうので外はずすことなくやっていきたい」

2040年ねんまでに新車しんしゃのすべてを電気でんきで走はしる「EV」と、水素すいそで走はしる「FCV・燃料ねんりょう電池でんち車しゃ」にすると宣言せんげんしたホンダでも、大衆たいしゅう車しゃから自動車じどうしゃレース最高峰さいこうほうのF1まで“エンジンのホンダ”を支ささえてきた技術ぎじゅつ者しゃたちがEVの分野ぶんやに挑戦ちょうせんしています。

本田ほんだ技術ぎじゅつ研究所けんきゅうじょ大津おおつ啓司けいじ社長しゃちょう

「エンジンを継続けいぞくしてZEV化か（車くるまの脱だつ炭素たんそ化か）できるかというとそれは相当そうとう難むずかしいことなので確実かくじつにカーボンニュートラルを達成たっせいするための技術ぎじゅつ、それをしっかり開発かいはつして世よに出だしていくことだと思おもう。さみしいですけどね」。

脱だつ炭素たんその機運きうんが高たかまる中なか、ここ最近さいきんは国内こくないの自動車じどうしゃメーカーもEVの新あらたな販売はんばい計画けいかくを相次あいついで打ち出うちだしています。

▽トヨタ自動車とよたじどうしゃは10月つき、世界せかいでの展開てんかいを目指めざすEV専用せんようブランドの

SUV＝多た目的もくてきスポーツ車しゃを2022年ねん半なかばから販売はんばいすると発表はっぴょうし、

2025年ねんまでにこの専用せんようブランドのEVを7車種しゃしゅ、投入とうにゅうする計画けいかくです。

▽ホンダは去年きょねん、小型こがたのEVを日本にっぽんと欧州おうしゅうで販売はんばいしました。

来年らいねん春はるには中国ちゅうごくで新型しんがたEVの販売はんばいを始はじめるほか、

2024年ねんには国内こくないで軽けい自動車じどうしゃサイズのEVを投入とうにゅうする方針ほうしんです。

▽日産にっさん自動車じどうしゃは2010年ねんから販売はんばいしていて、

この冬ふゆにはSUVの新型しんがたEVを国内こくない外がいで販売はんばいする予定よていです。

▽マツダはことし1月つきにEVを販売はんばいし、

2025年ねんまでにさらに3車種しゃしゅを投入とうにゅうする方針ほうしんを示しめしています。

▽三菱みつびし自動車じどうしゃ工業こうぎょうは、

日産にっさん自動車じどうしゃと共同きょうどう開発かいはつしている軽自動車けいじどうしゃサイズのEVを、

2022年度ねんど初はじめに販売はんばいする計画けいかくです。

また、軽けい自動車じどうしゃを主力しゅりょくとするメーカーでも、

▽スズキが2025年ねんまでに市場しじょうに投入とうにゅうする方針ほうしんを示しめしているほか、

▽ダイハツ工業だいはつこうぎょうも開発かいはつを進すすめていて、

日本にっぽんの自動車じどうしゃメーカーのEVの開発かいはつが加速かそくしています。

2040年ねんの排出はいしゅつガス車しゃゼロの目標もくひょう日にち米べいなどは参加さんか見送みおくり

国内こくないの主要しゅようメーカーによるEVの発表はっぴょうが相次あいつぐなか、イギリスで開ひらかれている「COP26」で2040年ねんまでにガソリン車しゃやハイブリッド車しゃなどの新車しんしゃの販売はんばいを停止ていしし、排出はいしゅつガスを出ださないEVや燃料ねんりょう電池でんち車しゃに移行いこうする新あらたな目標もくひょうをまとめました。

▽目標もくひょうに合意ごういしたのがイギリスやカナダ、スウェーデンやチリなど24か国かこく。（11月つき11日にち現在げんざい）

▽またアメリカのGM＝ゼネラル・モーターズぜねらるも-た-ずやフォード、

スウェーデンのボルボなどの大手おおて自動車じどうしゃメーカーも賛同さんどうしました。

▽一方いっぽうで自動車じどうしゃ産業さんぎょうが大おおきい日本にっぽんやアメリカ、ドイツ、フランス

それに中国ちゅうごくは参加さんかを見送みおくりました。

なぜ日本にっぽんは参加さんかを見送みおくったのか

背景はいけいに何なにがあるのでしょうか。

ガソリン車しゃ1台だい作つくるのに必要ひつような部品ぶひんはおよそ3万まん点てんと言いわれています。電気でんき自動車じどうしゃとなると必要ひつような部品ぶひんはその半分はんぶん程度ていどになるとされていて、部品ぶひんメーカーなどの雇用こようへの影響えいきょうが懸念けねんされます。

また、今後こんご、再生さいせい可能かのうエネルギーが普及ふきゅうして二に酸化さんか炭素たんその排出はいしゅつが少すくない国くにに車くるまの生産せいさんがシフトしていく可能かのう性せいがあるとして、日本にっぽん自動車じどうしゃ工業こうぎょう会かいでは、日本にっぽん車しゃの輸出ゆしゅつができなくなった場合ばあい、100万まん人にんの雇用こようが失うしなわれる可能かのう性せいがあるとしています。

日本にっぽんはハイブリッドを含ふくめた形かたちで脱だつガソリン車しゃを図はかろうとしていて、エンジンと電気でんきの両方りょうほうを使つかうハイブリッド技術ぎじゅつはトヨタ自動車とよたじどうしゃをはじめ、日本にっぽんのメーカーが世界せかいをリードしています。

そして、国くにも得意とくいのハイブリッド技術ぎじゅつをできるだけ生いかしながら本格ほんかく的てきな電動でんどう化かの時代じだいに備そなえる、そうした道みちのりを描えがいていました。

まだまだ多おおいEV移行いこうへの課題かだい

自動車じどうしゃ産業さんぎょうの調査ちょうさ会社かいしゃ、マークラインズによりますと、去年きょねんのEVの販売はんばい打数だすうは、日本にっぽんでは1万まん2900台だいで、新車しんしゃ販売はんばい台数だいすうの0.3％にとどまっています。

EVが伸び悩のびなやむ背景はいけいに

▽専用せんようの充電じゅうでんスタンドが十分じゅうぶん整備せいびされていないことや、

▽ハイブリッド車しゃの種類しゅるいが充実じゅうじつしていることなどがあるほか、

▽電源でんげんの7割わり以上いじょうを火力かりょく発電はつでんに頼たよっているため、再生さいせい可能かのうエネルギーを普及ふきゅうさせない中なかでEVを増ふやしても充電じゅうでんに必要ひつような電気でんきをつくる際さいにかえって多おおくの二に酸化さんか炭素たんそを出だすことになるという指摘してきもあります。

今回こんかいの目標もくひょうについて、自動車じどうしゃが基幹きかん産業さんぎょうである国くにからは早期そうきにEVなどに完全かんぜん移行いこうする目標もくひょうを打ち出うちだすのは現実げんじつ的てきではないとの声こえが上あがったということで、今後こんごの各国かっこくのEV市場しじょうにどのような影響えいきょうを与あたえるのか注目ちゅうもくされます。