日本新聞: 生乳 “大量廃棄を食い止めたい” 消費促す各地の取り組み

生乳せいにゅう “大量たいりょう廃棄はいきを食い止くいとめたい” 消費しょうひ促うながす各地かくちの取り組とりくみ

Dec 28, 2021 15:12

Furigana

牛乳ぎゅうにゅうなどの原料げんりょうとなる生乳せいにゅうがかつてない規模きぼで余あまり、この年末ねんまつ年始ねんしに全国ぜんこくでおよそ5000トンが廃棄はいきされる懸念けねんが出でています。

何なんとか消費しょうひを広ひろげようと、各地かくちで“あの手この手あのてこのて”の取り組とりくみが行おこなわれています。

ホットミルクを半値はんねで販売はんばい福岡ふくおか天神てんじん

学校がっこう給食きゅうしょくがなくなり1年ねんの中なかで最もっとも生乳せいにゅうの需要じゅようが減へる年末ねんまつ年始ねんしにあわせ、27日にち「JA全農ぜんのうふくれん」が福岡ふくおか市し天神てんじんの直営ちょくえい店てんで、牛乳ぎゅうにゅうを格安かくやすで販売はんばいしました。

売り場うりばでは福岡ふくおか県けん産さんの牛乳ぎゅうにゅうを使つかったホットミルクが特別とくべつに用意よういされ、1杯はい180ミリリットルが50円えんと、同おなじ牛乳ぎゅうにゅうの小売こうり価格かかくの半値はんねほどで販売はんばいされました。

ホットミルクを購入こうにゅうした50代だいの女性じょせいは「飲のむことで助たすけになればと思おもって買かいに来きました。飲のみやすくておいしいです」と話はなしていました。

「JA全農ぜんのうふくれん」営農えいのう開発かいはつ部ぶの清原きよはら京香きょうかさんは「生産せいさん者しゃが丹精たんせいを込こめて作つくった牛乳ぎゅうにゅうです。近ちかくのスーパなどで好すきなものを買かって、消費しょうひしてもらいたいです」と話はなしていました。

無料むりょう引換ひきかえ券けんを全ぜん世帯せたいに配布はいふ北海道ほっかいどう弟子屈てしかが町まち

北海道ほっかいどうの弟子屈てしかが町まちでは無料むりょうで牛乳ぎゅうにゅうと交換こうかんできる引換ひきかえ券けんが全ぜん世帯せたいに配くばられ、27日にちから引き換ひきかえが始はじまりました。

酪農らくのうが盛さかんな弟子屈てしかが町まちでは、地元じもとの農協のうきょうが1リットル入いりの牛乳ぎゅうにゅうと交換こうかんできる無料むりょうの引換ひきかえ券けんを町内ちょうないすべてのおよそ3800世帯せたいに5枚まいずつ配布はいふしました。

地元じもとの農協のうきょう系列けいれつのスーパーで交換こうかんが始はじまると、券けんを持もった人ひとたちが次々つぎつぎと訪おとずれ牛乳ぎゅうにゅうを受け取うけとっていました。

中なかには5枚まいすべてを使つかって、5リットル分ぶんと交換こうかんする人ひともいました。

すべての券けんが使用しようされれば、町内ちょうないでおよそ2万まんリットルの牛乳ぎゅうにゅうが消費しょうひされるということで、農協のうきょうは積極せっきょく的てきな使用しようを呼よびかけています。

引き換ひきかえに来きた町民ちょうみんは「酪農らくのう家かは大変たいへんだと思おもうので、いつもの2倍ばいは牛乳ぎゅうにゅうを飲のんで消費しょうひします」とか「シチューなどの料理りょうりにも使つかいたい」などと話はなしていました。

JA摩周ましゅう湖この川口かわぐち覚さとし代表だいひょう理事りじ組合くみあい長ちょうは「年末ねんまつ年始ねんしは厳きびしい需要じゅようの状況じょうきょうになるので、ぜひ牛乳ぎゅうにゅうを飲のんで健康けんこう増進ぞうしんとともに寒さむさを乗り越のりこえてもらいたい」と話はなしていました。

元日がんじつに神社じんじゃで無料むりょう配布はいふへ北海道ほっかいどう旭川あさひかわ

北海道ほっかいどう旭川あさひかわ市内しないの神社じんじゃでは、来年らいねんの元日がんじつ、初詣はつもうでの人ひとたちに無料むりょうで牛乳ぎゅうにゅうを配くばり消費しょうひ拡大かくだいを呼よびかけることになりました。

牛乳ぎゅうにゅうが配くばられるのは、旭川あさひかわ神社じんじゃ、上川かみかわ神社じんじゃ、北海道ほっかいどう護国ごこく神社じんじゃ、永山ながやま神社じんじゃ、鷹栖たかす神社じんじゃ、それに神楽かぐら神社じんじゃです。

牛乳ぎゅうにゅうは、ホクレン旭川あさひかわ支所ししょから200ミリリットルのパック5300個こが無償むしょうで提供ていきょうされるということです。

旭川あさひかわ神社じんじゃの芦原あしはら大だい記き禰宜ねぎは「生乳せいにゅうの大量たいりょう廃棄はいきに対にたいして神社じんじゃとしてできることを考かんがえました。わずかな量りょうだが地元じもとの酪農らくのう業ぎょうを守まもるための一助いちじょになればと思おもいます」と話はなしています。

“毎日まいにちコップ1杯はいの牛乳ぎゅうにゅうを飲のむと「脳のう梗塞こうそく」の予防よぼうに” 研究けんきゅうも

毎日まいにちコップ1杯はいの牛乳ぎゅうにゅうを飲のむと血圧けつあつの上昇じょうしょうが抑おさえられ「脳のう梗塞こうそく」の予防よぼうにつながる可能かのう性せいがあるという研究けんきゅう結果けっかを岩手いわて医科いか大学だいがくのグループが発表はっぴょうしました。

岩手いわて医科いか大学だいがくの研究けんきゅうグループは、県内けんないで2002年ねんから2004年ねんにかけて集団しゅうだん健けん診みを受うけた40歳さいから69歳さいまでの1万まん4000人にんが、その後そのごの12年間ねんかんに脳のう梗塞こうそくを発症はっしょうしたかどうかと、どれだけ牛乳ぎゅうにゅうを飲のんだかの関係かんけい性せいを調しらべました。

その結果けっか、牛乳ぎゅうにゅうを1週間しゅうかんにコップで「7杯はい以上いじょう12杯はい未満みまん」飲のむと答こたえた女性じょせいは、1週間しゅうかんに「2杯はい未満みまん」と答こたえた女性じょせいより脳のう梗塞こうそくの発症はっしょうが47％も低ひくくなっていたということです。

牛乳ぎゅうにゅうに含ふくまれるカリウムやカルシウムなどには血圧けつあつを下さげる効果こうかがあるということで、研究けんきゅうグループは牛乳ぎゅうにゅうを飲のむことで血圧けつあつの上昇じょうしょうが抑おさえられ、脳のう梗塞こうそくの発症はっしょうリスクが下さがった可能かのう性せいがあるなどとしています。