日本新聞: 4月から18歳で「成人」改正民法が施行へ

4月つきから18歳さいで「成人せいじん」改正かいせい民法みんぽうが施行しこうへ

Jan 1, 2022 15:01

Furigana

およそ140年ねんぶりに“大人おとな”の定義ていぎが変かわります。成人せいじん年齢ねんれいを引き下ひきさげる改正かいせい民法みんぽうの施行しこうにより、ことし4月つきからは18歳さいで「成人せいじん」となります。

明治めいじ9年ねん以来いらい初はじめて

ことし4月つきに施行しこうされる改正かいせい民法みんぽうでは、成人せいじんとなる年齢ねんれいが20歳さいから18歳さいに引き下ひきさげられ、女性じょせいが結婚けっこんできる年齢ねんれいは、これまでの16歳さいから男性だんせいと同おなじ18歳さいに引き上ひきあげられます。

成人せいじん年齢ねんれいの引き下ひきさげは明治めいじ9年ねんに定さだめられて以来いらい初はじめてで、この春はるからは18歳さいになったら親おやなどの同意どういを得えなくても、クレジットカードやローンなどの契約けいやくをすることが可能かのうになります。

ほかにも、有効ゆうこう期間きかんが10年ねんのパスポートの取得しゅとくや、日本にっぽんと外国がいこく、両方りょうほうの国籍こくせきを持もっている人ひとの国籍こくせき選択せんたく、公認こうにん会計かいけい士しや司法しほう書士しょしなどの資格しかくの取得しゅとく、それに性せい同一どういつ性せい障害しょうがいの人ひとの性別せいべつ変更へんこうの申し立もうしたてなども18歳さいからできるようになります。

一方いっぽう、飲酒いんしゅや喫煙きつえん、それに競馬けいばや競輪けいりんなどの4つの公営こうえいギャンブルは、これまでどおり20歳さい未満みまんは禁止きんしです。

また、成人せいじん年齢ねんれいの引き下ひきさげに合あわせて少年しょうねん法ほうも改正かいせいされ、ことし4月つきに施行しこうされます。

新あらたに成人せいじんとなる18歳さいと19歳さいは「特定とくてい少年しょうねん」と位置いちづけられ引き続ひきつづき保護ほごされますが、原則げんそくとして家庭かてい裁判所さいばんしょから検察けんさつに送り返おくりかえす事件じけんの対象たいしょうが広ひろげられ、17歳さい以下いかとは一部いちぶ異ことなる取り扱とりあつかいになります。

起訴きそされると、実名じつめいや顔かお写真しゃしんなどを報道ほうどうすることも可能かのうとなっています。

成人せいじん年齢ねんれいの引き下ひきさげに伴ともなって、若者わかものの消費しょうひ者しゃ被害ひがいの拡大かくだいや、罪つみを犯おかした少年しょうねんの立ち直たちなおりへの影響えいきょうなどを懸念けねんする声こえもあり、これまでより早はやく“大人おとな”になることについて、親しん世代せだいも含ふくめたすべての世代せだいで意識いしきを高たかめていくことが課題かだいとなっています。