日本にっぽん経済けいざいはどこへ向むかうのか？ 新年しんねん祝賀しゅくが会かいで企業きぎょうトップに聞きく

そのうえで、新あたらしい日常にちじょうをチャンスと捉とらえ、企業きぎょうのイノベーションで社会しゃかいの課題かだいを解決かいけつし、経済けいざい成長せいちょうへとつなげるべきだと訴うったえました。

そのうえで「コロナ禍かからのリバウンドと新しん時代じだいへの挑戦ちょうせんが重かさなるタイミングを官民かんみんでしっかりとらえ、局面きょくめん転換てんかんをしていかなければならない。日本にっぽん経済けいざいの局面きょくめん転換てんかんに弾はずみをつけるためにも、攻せめの姿勢しせいでの協力きょうりょくをお願おねがいしたい」と要請ようせいしました。

その一方いっぽうで「将来しょうらい不安ふあんがあると賃金ちんぎんや手当てあてが本当ほんとうに消費しょうひに回まわるのか」と指摘してきし、政府せいふに対にたいして持続じぞく可能かのうな社会しゃかい保障ほしょう制度せいどの構築こうちくを求もとめました。

▽景気けいきがよくなる場合ばあいは、プラス1～5

▽景気けいきが悪わるくなる場合ばあいは、マイナス1～5

ことしの景気けいきについて「コロナをコントロールすることで、個人こじんの行動こうどう制限せいげんが緩和かんわされ、それに伴ともなって個人こじん消費しょうひが回復かいふくし、日本にっぽんの景気けいきも回復かいふくするというのがメインシナリオだ」と述のべました。

そのうえで、ことし予想よそうされているアメリカの利上りあげについて「アメリカの金利きんりが上あがると為替かわせが円えん安やす傾向けいこうになるが、それほどの急激きゅうげきかつ過激かげきな円えん安やすにはならないと思おもっており、日本にっぽん経済けいざいや日本人にっぽんじんの生活せいかつに直接ちょくせつ大おおきな影響えいきょうは与あたえないと思おもう」と述のべ、日本にっぽんの景気けいきに与あたえる影響えいきょうは限定げんてい的てきだという認識にんしきを示しめしました。

一方いっぽう、企業きぎょうの間まで広ひろがる脱だつ炭素たんそ社会しゃかいの実現じつげんに向むけた取り組とりくみについて、太田おおた社長しゃちょうは「気候きこう変動へんどう対応たいおうに関にかんする情報じょうほう開示かいじや、温室おんしつ効果こうかガスの排出はいしゅつ量りょうの削減さくげんに向むけて、企業きぎょうがさまざまな悩なやみを抱かかえている。その解決かいけつ策さくを提供ていきょうする大だい規模きぼな部隊ぶたいを作つくって対応たいおうしていくことで、銀行ぎんこうにとっても新あらたなビジネスチャンスにつながってくると思おもう」と述のべ、グループとして、企業きぎょうの脱だつ炭素たんそへの対応たいおうを支援しえんしていく考かんがえを示しめしました。

ことしの景気けいきについて「新型しんがたコロナによって日本にっぽんはデジタル後進こうしん国こくであるという危機きき感かんを多おおくの人ひとが共有きょうゆうしたがこのことが大おおきなバネになるという期待きたい感かんがある。働はたらき方かたをはじめとしたさまざまな変化へんかが企業きぎょうにとってはチャンスになる」と述のべました。

また、コロナ禍かで変化へんかする生活せいかつ様式ようしきへの対応たいおうについては「コロナ禍かで巣すごもりが進すすんでいるといっても中身なかみは変化へんかしている。最初さいしょの頃ころは、新鮮しんせんさもあって『料理りょうりを家族かぞくで頑張がんばろう』という声こえもあったが、徐々じょじょに、1日にち3食しょくすべてを家いえで作つくるのは大変たいへんだという感かんじになってきた」と述のべて、こうした変化へんかを捉とらえながらサービスを提供ていきょうしていきたいという考かんがえを示しめしました。

ことしの景気けいきについて「景気けいきのよくなる会社かいしゃと悪わるくなる会社かいしゃの差さは大おおきくなると思おもう。新型しんがたコロナウイルスの感染かんせん拡大かくだいがおさまり、以前いぜんのように元もとに戻もどることをただ待まっている会社かいしゃは厳きびしくなると思おもう」と述のべ、コロナ禍かでの変化へんかに対応たいおうできるかどうかで企業きぎょう業績ぎょうせきの回復かいふくスピードに差さが出でてくるという認識にんしきを示しめしました。

そのうえでこれからの働はたらき方かたについて「若わかい世代せだいになればなるほど在宅ざいたく勤務きんむなど働はたらき方かたを選えらべるかが重要じゅうようで選えらべる働はたらき方かたを提供ていきょうできるよう変かわれる会社かいしゃに人材じんざいも集あつまるようになっている」と述のべ、柔軟じゅうなんに働はたらける環境かんきょうを整ととのえることが、優秀ゆうしゅうな人材じんざいの確保かくほに向むけて重要じゅうようになるという考かんがえを示しめしました。

ことしの景気けいきについて「以前いぜんからデジタル化かの遅おくれを実感じっかんしていたが、コロナ禍かはこうした遅おくれた部分ぶぶんを一挙いっきょに取り返とりかえす絶好ぜっこうのきっかけにもなった。災わざわい転てんじて福ふくとなす絶好ぜっこうのチャンスだ」と述のべました。

またアメリカが利上りあげに踏み切ふみきることが、世界せかいや日本にっぽんの経済けいざいに与あたえる影響えいきょうについて、「一時いちじ的てきにはプラス・マイナスの両りょうサイドの動うごきがあると思おもうが、利上りあげがスムーズに行おこなわれればアメリカ経済けいざいが非常ひじょうにおかしな状態じょうたいになるということは想定そうていしていない。このことが景気けいき動向どうこうに決定けってい的てきに影響えいきょうを与あたえることはないのではないか」という考かんがえを示しめしました。

その一方いっぽうで、アメリカと中国ちゅうごくの対立たいりつについて、「米べい中ちゅうの問題もんだいは簡単かんたんに収束しゅうそくする問題もんだいではなく、今後こんごも対立たいりつが続つづくと見みるのが自然しぜんだ。中国ちゅうごくに頼たよったビジネスは潜在せんざい的てきなリスクを無視むしするわけにはいかず、万が一まんがいちに備そなえた生産せいさん拠点きょてんや販売はんばい拠点きょてんなどの再さい構築こうちくが必要ひつようになる」と述のべました。

ことしの景気けいきについて「去年きょねんは天気てんきでいうとどんよりとした曇くもりという感かんじだったが、ことしはだいぶ薄日うすびがさしてきて、年とし後半こうはんにはぜひとも晴はれにもっていきたいと思おもっている」と述のべました。

また「半導体はんどうたい不足ふそくなどもことし前半ぜんはんまでは影響えいきょうあるが、後半こうはんは影響えいきょうが少すくなくなるとみているので、ぱっと晴はれた世界せかいにいち早いちはやく持もって行いきたい」と述のべ、自動車じどうしゃ業界ぎょうかいにとって大おおきな打撃だげきとなった半導体はんどうたい不足ふそくは、年としの後半こうはんに向むけて解消かいしょうしていくという見通みとおしを示しめしました。

一方いっぽう、脱だつ炭素たんそ社会しゃかいの実現じつげんに向むけた取り組とりくみについて、三さん部ぶ社長しゃちょうは「一いち企業きぎょうとして確実かくじつにやっていきたい。EV＝電気でんき自動車じどうしゃに欠かかせない充電じゅうでんインフラや、送電そうでん網もうの整備せいびを進すすめることでカーボンニュートラルを早期そうきに達成たっせいできると思おもうので、国くにと連携れんけいを取とりながら積極せっきょく的てきに進すすめていきたい」と述のべました。

ことしの景気けいきについて「国内線こくないせんを中心ちゅうしんにお客様おきゃくさまが戻もどってきた。これまでは雨あめから曇くもりだったがことしは日ひがさしてくる。オミクロン株かぶも出でてきて不安ふあんもあるが、間違まちがいなく日本にっぽんの企業きぎょうも業績ぎょうせきが改善かいぜんし、運輸うんゆ業界ぎょうかい、航空こうくう業界ぎょうかいも回復かいふくしていく年としになるだろうと見みている。これまでのコスト削減さくげんの力ちからがエネルギーとなっているので、2022年度ねんどは黒字くろじ化かを必かならず達成たっせいしたい」と述のべました。

その上うえで、ことしの春闘しゅんとうでの賃上ちんあげについて「ベースアップはなかなか難むずかしい。月例げつれい賃金ちんぎんがカットされ賞与しょうよがゼロという状態じょうたいだが、会社かいしゃが黒字くろじ化かする時ときに社員しゃいんの給与きゅうよを元もとに戻もどしたい」と述のべました。

一方いっぽう、航空こうくう業界ぎょうかいの脱だつ炭素たんその取り組とりくみについては「私わたしたちも2050年ねんにカーボンニュートラルを達成たっせいすると宣言せんげんした。『SAF』と呼よばれるバイオジェット燃料ねんりょうを輸入ゆにゅうに頼たよっているので、早はやく国産こくさん化かや量産りょうさん化かをしていただき、この燃料ねんりょうに切り替きりかえていきたい」と述のべ石油せきゆを使つかわない代替だいたい燃料ねんりょうへの切り替きりかえを加速かそくさせる方針ほうしんを示しめしました。

ことしの景気けいきについて「世界中せかいじゅうでオミクロン株かぶが問題もんだいになっているが、オミクロン株かぶを抑おさえられるだけのワクチンや、飲のみ薬やくといった対応たいおうがきちんとできるかどうかが重要じゅうようだ」と述のべ、飲のみ薬やくの普及ふきゅうなどが進すすめば、さまざまな人ひとの交流こうりゅうが再開さいかいし、景気けいきが上向うわむくという認識にんしきを示しめしました。

そのうえで、「ウィズコロナ」の中なかで生き抜いきぬくカギについて「DX＝デジタル変革へんかくに対にたいする意識いしきをもっと強つよく持もつ必要ひつようがある。また、DXが起おこると標準ひょうじゅん化かが起おこるので、その標準ひょうじゅん化かについて積極せっきょく的てきなリーダーシップをとっていくことがとても重要じゅうようだ」と述のべました。

また、ことしの春闘しゅんとうに向むけた賃金ちんぎんの引き上ひきあげについては「賃上ちんあげはとても重要じゅうような領域りょういきだが、北欧ほくおうなどを見みると社会しゃかい保障ほしょうがしっかりしている。社会しゃかい保障ほしょうも含ふくめて、国民こくみんの皆みなさんが少すこしでもいい生活せいかつに変かわっていくという感覚かんかくを得えられることが重要じゅうようだと思おもう」と述のべ、賃金ちんぎんの引き上ひきあげだけでなく社会しゃかい保障ほしょうも含ふくめて生活せいかつを豊ゆたかにする方法ほうほうを模索もさくする必要ひつようがあるという考かんがえを示しめしました。

ことしの景気けいきについて「オミクロン株かぶの拡大かくだいやエネルギー価格かかくの上昇じょうしょうといった下した振ふれリスクはあるが、日本にっぽんの経済けいざいは社会しゃかい経済けいざい活動かつどうが再開さいかいされ緩ゆるやかな回復かいふく基調きちょうにある。脱だつ炭素たんそやデジタル変革へんかくの分野ぶんやで投資とうしの拡大かくだいが進すすめば、本格ほんかく回復かいふくに進すすんでいくのではないか」という見通みとおしを示しめしました。

また、脱だつ炭素たんそ社会しゃかいの実現じつげんに向むけた取り組とりくみについて「去年きょねんはカーボンニュートラルに明け暮あけくれたが、ことしはこの流ながれが一層いっそう加速かそくするとみている。2050年ねんまでに温室おんしつ効果こうかガスの排出はいしゅつを実質じっしつゼロにする政府せいふの目標もくひょうを達成たっせいするには、エネルギーを変かえ、産業さんぎょうの構造こうぞうを変かえ、国民こくみん生活せいかつも変かえなければならない。社会しゃかいを根底こんていから変革へんかくしなければならず、果敢かかんにチャレンジしていく」と述のべ、石油せきゆ業界ぎょうかいとしても再生さいせい可能かのうエネルギーをはじめ、次世代じせだいエネルギーとして活用かつようが期待きたいされる水素すいそやアンモニアなどの普及ふきゅうに力ちからを入いれる考かんがえを示しめしました。

ことしの景気けいきについて、今月こんげつから発効はっこうした日本にっぽんや中国ちゅうごくなどが参加さんかするRCEP＝地域ちいき的てきな包括ほうかつ的てき経済けいざい連携れんけいにより貿易ぼうえきが活発かっぱつ化かすることから、去年きょねんよりも景気けいきが上向うわむくという見方みかたを示しめしました。

一方いっぽうで日本にっぽん経済けいざいのキーワードについて、脱だつ炭素たんそに関連かんれんしたモノの価格かかくがあがる現象げんしょう、グリーンとインフレを合あわせた「グリーンフレーション」をあげ、「意図いとせずコントロールできないインフレが懸念けねんされる。これが起おきるとマイナスに働はたらくのではないか」と述のべ、日本にっぽん企業きぎょうが脱だつ炭素たんそ化かが進すすめるにあたって、価格かかくへの転嫁てんかがうまくいかなければ、景気けいき減速げんそくのリスクになると指摘してきしました。

また、アメリカと中国ちゅうごくの対立たいりつの影響えいきょうについて、小柴こしば名誉めいよ会長かいちょうは「アメリカ、中国ちゅうごくともことしはそれぞれの国内こくない景気けいきの動向どうこうに意識いしきが引っ張ひっぱられると思おもうので、米べい中ちゅう対立たいりつがさらにエスカレートはしないだろう」との見方みかたを示しめしました。

そのうえで、経済けいざい安全あんぜん保障ほしょうなどの企業きぎょうの対応たいおうについては「企業きぎょうの生産せいさん拠点きょてんを米べい中ちゅうで完全かんぜんに分断ぶんだんするということはできない。できるところとできないところを見分みわけて事業じぎょう戦略せんりゃくを作つくっていく上うえで企業きぎょうの国際こくさい感覚かんかくやガバナンスの意識いしきが企業きぎょう間かんの大おおきな差さとなって出でてくるだろう」と述のべました。

ことしの景気けいきについて「新型しんがたの変異へんい株かぶ、オミクロン株かぶによる第だい6波はの可能かのう性せいは出でてきているものの、ワクチンの3回かい目めの接種せっしゅの開始かいしや飲のみ薬やくの開発かいはつにより、これまでの感染かんせん拡大かくだい期きと比くらべて個人こじん消費しょうひは落ち込おちこまない」という見方みかたを示しめしました。

そのうえで、岸田きしだ内閣ないかくが主導しゅどうする賃金ちんぎんの引き上ひきあげをめぐって、伊達だて社長しゃちょうは、「政府せいふが強つよい意志いしを持もって、新あたらしい制度せいどを取り入とりいれたことは評価ひょうかする。一方いっぽうで、税制ぜいせいは一過いっか性せいのもので、賃金ちんぎん上昇じょうしょうなど、継続けいぞく的てきに適正てきせい配分はいぶんが行おこなわれるためには、日本にっぽん型がたの特殊とくしゅな雇用こよう制度せいどを見直みなおす必要ひつようがある。社会しゃかい全体ぜんたいでどうやって人材じんざいを育そだて、賃金ちんぎんを配分はいぶんしていくのか、制度せいど的てきな見直みなおしを含ふくめてやっていくべきではないか」と指摘してきしました。

また、オフィスビルやホテルの運営うんえいを手てがける伊達だて社長しゃちょうは、コロナ禍かで変化へんかする生活せいかつ様式ようしきについて「ワーケーションなど余暇よかを楽たのしみながら働はたらくという新あたらしいライフスタイルが出でてきたことで、観光かんこう地域ちいきも平日へいじつの需要じゅようを取り込とりこむことができるようになった。一方いっぽうで、企業きぎょうのオフィス需要じゅようについては出社しゅっしゃ制限せいげんなど、オフィスの在り方ありかたが問とわれる時代じだいとなり、何なにを目的もくてきにオフィスに来きて、仕事しごとをしていくのか、改あらためて見直みなおす時代じだいが来きた」と述のべ、事業じぎょう環境かんきょうの大おおきな変化へんかに対応たいおうする必要ひつようがあるという認識にんしきを示しめしました。

まずは、市場しじょうに大量たいりょうのドルを供給きょうきゅうする「量的りょうてき緩和かんわ」を、この3月つきで終おえることにしています。

また、今後こんごは「ゼロ金利きんり」もやめて、段階だんかい的てきに利上りあげする見通みとおしです。

つまり、ことしは「円えん安やすドル高だか」が一段いちだんと進すすむのではないかというのが、多おおくの市場しじょう関係かんけい者しゃの見方みかたです。

ただ、原油げんゆなどの原材料げんざいりょう高だかに円えん安やすが加くわわれば、企業きぎょうにとっては仕入しいれコストが一段いちだんと上昇じょうしょうすることになります。

このため、幅広はばひろい商品しょうひんや製品せいひんに値上ねあげの波なみが及およんでいくのではないかと指摘してきされているんです。

こうした心配しんぱいを払拭ふっしょく（ふっしょく）するためには、やはり、賃上ちんあげの動うごきを広ひろげていくことが重要じゅうようになってきます。

感染かんせん拡大かくだいを抑おさえながら、日本にっぽん経済けいざいを力強ちからづよい成長せいちょう軌道きどうに導みちびき、個人こじんが安心あんしんしてお金おかねを使つかえる環境かんきょうを整備せいびすることが、政府せいふには求もとめられます。