Actualités japonaises: 【詳しく】“社会機能を維持” 濃厚接触者の待機期間短縮へ

オミクロン株かぶの感染かんせんが急速きゅうそくに拡大かくだいし医療いりょうや介護かいごなどの体制たいせいがひっ迫ひっぱくしてきています。沖縄おきなわでは12日にち時点じてんで医療いりょう従事じゅうじ者しゃの600人にんを超こえる欠勤けっきんが出でて救急きゅうきゅうや診療しんりょうが制限せいげんされる事態じたいとなっています。

さらなる感染かんせんの拡大かくだいが懸念けねんされる中なか、厚生こうせい労働ろうどう省しょうはオミクロン株かぶの感染かんせん者しゃの濃厚のうこう接触せっしょく者しゃについて現在げんざい14日間にちかんとしている待機たいき期間きかんを原則げんそく10日間にちかんに短縮たんしゅくする方針ほうしんを明あきらかにしました。医療いりょう現場げんばで起おきていることや、欧米おうべいの対応たいおうなどについてもまとめました。

■濃厚のうこう接触せっしょく者しゃの待機たいき期間きかん 14日間にちかん→10日間にちかん

オミクロン株かぶの感染かんせん拡大かくだいを受うけて、厚生こうせい労働ろうどう省しょうは社会しゃかい機能きのうを維持いじできるよう濃厚のうこう接触せっしょく者しゃに求もとめている宿泊しゅくはく施設しせつや自宅じたくでの待機たいき期間きかんを短縮たんしゅくする方針ほうしんを固かためました。

オミクロン株かぶ感染かんせん者しゃの濃厚のうこう接触せっしょく者しゃに対にたいしては現在げんざい、宿泊しゅくはく施設しせつや自宅じたくで14日間にちかん待機たいきするよう求もとめていますが、13日にちに開ひらかれた厚生こうせい労働ろうどう省しょうの専門せんもん家か会合かいごうでは潜伏せんぷく期間きかんが従来じゅうらいのウイルスよりも短みじかいことなどから待機たいき期間きかんを短縮たんしゅくするよう求もとめる意見いけんが出だされていました。

これを受うけて岸田きしだ総理そうり大臣だいじんは14日にち、濃厚のうこう接触せっしょく者しゃの待機たいき期間きかんをめぐって後藤ごとう厚生こうせい労働ろうどう大臣だいじんと対応たいおうを協議きょうぎ。その後そのご、後藤ごとう厚生こうせい労働ろうどう大臣だいじんは記者きしゃ団だんに対にたいし待機たいき期間きかんを現在げんざいの14日間にちかんから10日間にちかんに短縮たんしゅくする方針ほうしんを明あきらかにしました。

さらに医療いりょう従事じゅうじ者しゃに加くわえ警察けいさつや消防しょうぼう、公共こうきょう交通こうつう、それに介護かいごや保育ほいくなど社会しゃかいや暮くらしを支ささえる「エッセンシャルワーカー」については、自治体じちたいの判断はんだんで感染かんせん者しゃに最後さいごに接触せっしょくした日ひから6日にち目めに実施じっしするPCR検査けんさや抗原こうげん定量ていりょう検査けんさ、または6日にち目めと7日にち目めに実施じっしする抗原こうげん定性ていせい検査けんさで連続れんぞくして陰性いんせいであれば待機たいきを解除かいじょできるようにする方針ほうしんです。

このほかオミクロン株かぶへの置き換おきかわりが進すすんだ自治体じちたいでは現在げんざいデルタ株かぶへの感染かんせん者しゃ以外いがいを対象たいしょうに行いっているゲノム解析かいせきなどを省略しょうりゃくし、すべての感染かんせん者しゃをオミクロン株かぶへの感染かんせん者しゃとみなして扱あつかうことができるようにするといいうことです。

後藤ごとう大臣だいじんは「引き続ひきつづきオミクロン株かぶの感染かんせん力りょくや重症じゅうしょう化かリスクなどに関にかんする科学かがく的てき知見ちけんを収集しゅうしゅうしつつ、地域ちいきの医療いりょう体制たいせいをしっかりと稼働かどうさせて先手せんて先手せんてで国内こくないの感染かんせん拡大かくだいに全力ぜんりょくで対応たいおうしていきたい」と述のべました。

■エッセンシャルワーカーへの影響えいきょう続つづく…

後藤ごとう厚生こうせい労働ろうどう大臣だいじんは待機たいき期間きかんを短縮たんしゅくする方針ほうしんについて社会しゃかい機能きのうを維持いじできるようにするためだとしていますが、感染かんせんが拡大かくだいしている地域ちいきでは「エッセンシャルワーカー」の機能きのう維持いじがすでに難むずかしくなっているケースもあります。

＜沖縄おきなわ＞働はたらくことができない医療いりょう従事じゅうじ者しゃ相次あいつぐ

沖縄おきなわ県内けんないでは感染かんせんしたり濃厚のうこう接触せっしょく者しゃになるなどして働はたらくことができない医療いりょう従事じゅうじ者しゃが今月こんげつ12日にち現在げんざいで628人にんに上のぼっています。

このうち感染かんせんが確認かくにんされたのは180人にんで、濃厚のうこう接触せっしょく者しゃになるなどして働はたらくことができない医療いりょう従事じゅうじ者しゃは合あわせて448人にんとなっています。

濃厚のうこう接触せっしょく者しゃになっても医療いりょう従事じゅうじ者しゃは無む症状しょうじょうの場合ばあい、毎日まいにち検査けんさを行おこなって陰性いんせいが確認かくにんされれば働はたらけることになっていますが、県けんによりますと症状しょうじょうがあって働はたらけない人ひとも多おおいということです。

県けんによりますと12日にち現在げんざい、救急きゅうきゅうの受け入うけいれ制限せいげんを行おこなっている医療いりょう機関きかんは8か所かしょで一般いっぱん診療しんりょうを制限せいげんしている医療いりょう機関きかんは14か所かしょとなっています。

＜沖縄おきなわ＞「医療いりょう崩壊ほうかいに近ちかいと思おもう…」

豊見城とみぐすく市しにある新型しんがたコロナの重点じゅうてん医療いりょう機関きかんの「友愛ゆうあい医療いりょうセンター」では感染かんせんの急きゅう拡大かくだいに伴ともない今月こんげつ4日にちごろから医師いしや看護かんご師し、それに事務じむ職員しょくいんが出勤しゅっきんできないケースが相次あいついでいます。

病院びょういんによりますと、新型しんがたコロナに感染かんせんしたり濃厚のうこう接触せっしょく者しゃになったりしたほか、市内しないの小中しょうちゅう学校がっこうが臨時りんじ休校きゅうこうして子こどもの面倒めんどうを見みるために13日にち現在げんざいで職員しょくいん数すう十じゅう人にんが働はたらくことができずにいるということです。

職員しょくいんが不足ふそくする中なか、13日にち時点じてんで院内いんないに20床しょうあるコロナ患者かんじゃ用ようの病床びょうしょうのうち15床しょうが埋うまっているため、病院びょういんでは職員しょくいんの出勤しゅっきん状況じょうきょうなどを把握はあくしたうえで病棟びょうとうごとに再さい配置はいちする調整ちょうせいを進すすめています。

友愛ゆうあい医療いりょうセンターの西平にしひら守まもり邦くに医師いしは「冬ふゆはコロナ以外いがいの通常つうじょうの医療いりょうもひっ迫ひっぱくする時期じきで本来ほんらいであればもっと医療いりょう提供ていきょうの幅はばを広ひろげないといけないのに、職員しょくいんが不足ふそくして縮小しゅくしょうせざるを得えない状況じょうきょうです。医療いりょう崩壊ほうかいに近ちかいと思おもいます」と話はなしていました。

＜沖縄おきなわ＞消防しょうぼう 3交代こうたい制せい→2交代こうたい制せいに

那覇なは市しの消防しょうぼうでは職員しょくいんに感染かんせん者しゃが出でて濃厚のうこう接触せっしょく者しゃも出勤しゅっきんできず「3交代こうたい制せい」から「2交代こうたい制せい」に変更へんこうしての業務ぎょうむを余儀よぎなくされています。

那覇なは市し与儀よぎにある「中央ちゅうおう消防しょうぼう署しょ国場こくば出張しゅっちょう所しょ」では職員しょくいんが7人にんごとに3班はんに分わかれて24時間じかん勤務きんむし、2日間にちかん休やすむという「3交代こうたい制せい」で業務ぎょうむに当あたっていました。

しかし今月こんげつに入はいってこのうち1つの班はんで職員しょくいん1人にんの感染かんせんが確認かくにんされ、残のこりのメンバーが濃厚のうこう接触せっしょく者しゃになって出勤しゅっきんできなくなっているということです。

このためこの出張しゅっちょう所しょでは残のこりの2班はんで業務ぎょうむを維持いじするため、24時間じかん勤務きんむして1日にち休やすむ「2交代こうたい制せい」に当番とうばん体制たいせいを変更へんこうしました。

那覇なは市し消防しょうぼう局きょく総務そうむ課かの屋嘉やか比ひ勝しょう課長かちょうは「職員しょくいんに負担ふたんをかけることになってしまうが、消防しょうぼう力りょくの低下ていかは絶対ぜったいにあってならないのでどうにか頑張がんばってほしい」と話はなしていました。

＜広島ひろしま＞120人にんが出勤しゅっきんできず

「エッセンシャルワーカー」への影響えいきょうはほかの地域ちいきでも広ひろがっていて、広島ひろしま県内けんないでは医療いりょう機関きかんや交通こうつう機関きかんなどで感染かんせんが相次あいつぎ、これまでに少すくなくとも120人にんが出勤しゅっきんできなくなっているということです。

また教育きょういくや保育ほいくの現場げんばでも感染かんせんが相次あいつぎ、県内けんないの少すくなくとも68の小学校しょうがっこうや中学校ちゅうがっこう、それに保育園ほいくえんなどで休校きゅうこうや学級がっきゅう閉鎖へいさとなり、保護ほご者しゃが仕事しごとを休やすむなどの影響えいきょうも広ひろがっています。

■これまでにない増加ぞうかペース

新型しんがたコロナウイルスの新規しんき感染かんせん者しゃ数すうを1週間しゅうかん平均へいきんで比較ひかくすると全国ぜんこくの感染かんせん者しゃ数すうは今月こんげつに入はいって急激きゅうげきな増加ぞうかが続つづいていて東京とうきょうや大阪おおさか、沖縄おきなわなど全国ぜんこく各地かくちでこれまでにないペースでの感染かんせん拡大かくだいになっています。

＜全国ぜんこく＞

▽先月せんげつ16日にちまでの1週間しゅうかんでは前まえの週しゅうに比くらべて1.12倍ばい

▽先月せんげつ23日にちは1.45倍ばい

▽先月せんげつ30日にちは1.60倍ばいと

徐々じょじょに増加ぞうかしていたのが、オミクロン株かぶの感染かんせんが広ひろがるとともに

▽今月こんげつ6日にちは4.86倍ばい

▽今月こんげつ13日にちまででは6.69倍ばいと

増加ぞうかのペースが上あがり続つづけています。

＜東京とうきょう＞

▽先月せんげつ30日にちまでの1週間しゅうかんは前まえの週しゅうの1.65倍ばい

▽今月こんげつ6日にちは4.48倍ばい

▽今月こんげつ13日にちまででは6.90倍ばい

＜大阪おおさか＞

▽先月せんげつ30日にちまでの1週間しゅうかんは前まえの週しゅうの1.96倍ばい

▽今月こんげつ6日にちは4.57倍ばい

▽今月こんげつ13日にちまででは6.67倍ばい

＜沖縄おきなわ＞

▽先月せんげつ30日にちまでの1週間しゅうかんは前まえの週しゅうの3.59倍ばい

▽今月こんげつ6日にちは10.86倍ばい

▽今月こんげつ13日にちまででは4.62倍ばいと

急激きゅうげきな拡大かくだいが続つづいています。

■欧州おうしゅう各国かっこく隔離かくり期間きかんを短縮たんしゅく

ヨーロッパ各国かっこくでも隔離かくり期間きかんを短縮たんしゅくする措置そちが取とられています。

【イギリス】

オミクロン株かぶが拡大かくだいし一いち日にちの感染かんせん者しゃが連日れんじつ10万まん人にんを超こえるイギリスでは、隔離かくりによって外出がいしゅつできなくなる人ひとが急増きゅうぞうし、医療いりょう機関きかんや学校がっこうそれに交通こうつう機関きかんなどで働はたらく人ひとが不足ふそくする事態じたいになっています。

イギリス政府せいふは先月せんげつ、ロンドンのあるイングランドで感染かんせんした人ひとの隔離かくり期間きかんを10日間にちかんから最短さいたんで7日間にちかんに短縮たんしゅくしましたが、社会しゃかい的てきな影響えいきょうが深刻しんこくになる中なか、今月こんげつ17日にちからはさらに短みじかくし5日間にちかんとすると発表はっぴょうしました。発表はっぴょうによりますと、隔離かくりを5日間にちかんで終おえられるのは検査けんさによって陰性いんせいが2回かい連続れんぞくで確認かくにんされ熱ねつがなかった場合ばあいで、隔離かくりを終おえても周囲しゅういの人ひとを感染かんせんさせる可能かのう性せいがあるとしてマスクの着用ちゃくようや混雑こんざつした場所ばしょでの接触せっしょくを避さけることなどを求もとめています。

【フランス】

フランスはワクチンを接種せっしゅしていれば隔離かくり期間きかんを7日間にちかんに短縮たんしゅくし、医療いりょう従事じゅうじ者しゃなどは症状しょうじょうがなければ隔離かくりの免除めんじょも可能かのうだとしています。またワクチンの接種せっしゅを済すませた接触せっしょく者しゃは検査けんさを受うけることを条件じょうけんに隔離かくりを免除めんじょしています。

【ドイツ】

ドイツは感染かんせん者しゃの隔離かくり期間きかんを検査けんさで陰性いんせいとなれば7日間にちかんに短縮たんしゅくし、接触せっしょく者しゃはワクチンの追加ついか接種せっしゅを受うけていれば隔離かくりを免除めんじょしています。

【イタリア】

イタリアもワクチンの追加ついか接種せっしゅを受うけているなど一定いっていの条件じょうけんのもとで感染かんせん者しゃの隔離かくり期間きかんを7日間にちかんに短縮たんしゅくし、接触せっしょく者しゃは隔離かくりを免除めんじょしています。

ECDC＝ヨーロッパ疾病しっぺい予防よぼう管理かんりセンターは、社会しゃかいや暮くらしを支ささえる「エッセンシャルワーカー」の隔離かくり期間きかんについてワクチンの追加ついか接種せっしゅなど一定いっていの条件じょうけんを満みたしていれば3日間にちかんに短縮たんしゅくできるとする指針ししんを示しめしています。

＜アメリカ＞カリフォルニア州しゅう陽性ようせいでも無む症状しょうじょうなら業務ぎょうむ継続けいぞく

アメリカでも一定いっていの条件じょうけんのもとに隔離かくり期間きかんを5日間にちかんに短縮たんしゅくしていて、感染かんせん拡大かくだいによる社会しゃかいへの影響えいきょうに対応たいおうする動うごきが広ひろがっています。

カリフォルニア州しゅうの保健ほけん当局とうきょくは、新型しんがたコロナウイルスの感染かんせん拡大かくだいで医療いりょう従事じゅうじ者しゃが不足ふそくしていることから来月らいげつ1日にちまでの間ま、医療いりょう従事じゅうじ者しゃ自身じしんが陽性ようせいと確認かくにんされても無む症状しょうじょうであれば隔離かくりを不要ふようとし業務ぎょうむを継続けいぞくできるとする方針ほうしんを打ち出うちだしました。

勤務きんむに当にあたっては高性能こうせいのうなマスクを着用ちゃくようするよう義務ぎむづけたうえで新型しんがたコロナの陽性ようせい患者かんじゃの対応たいおうにあたることが望のぞましいとしていますが、すぐに検査けんさができない救急きゅうきゅう病棟びょうとうや人手ひとで不足ふそくが深刻しんこくな職場しょくばではこのかぎりではないとしています。