石破いしば首相しゅしょう アメリカに到着とうちゃく あす日にち米べい首脳しゅのう会談かいだんへ

トランプ大統領だいとうりょうが自国じこく第だい一いち主義しゅぎの政策せいさくを掲かかげる中なか、日にち米べい両国りょうこくの幅広はばひろい分野ぶんやでの協力きょうりょくが世界せかいの平和へいわと発展はってんにつながるという認識にんしきを共有きょうゆうし、関係かんけい構築こうちくを図はかりたい考かんがえです。

石破いしば総理そうり大臣だいじんは、アメリカのトランプ大統領だいとうりょうとの初はじめての日にち米べい首脳しゅのう会談かいだんに臨のぞむため、6日にち夜よる、政府せいふ専用せんよう機きで羽田はた空港くうこうを出発しゅっぱつしました。

これを前まえに記者きしゃ団だんに対にたいし「初対面しょたいめんなので、お互おたがいの信頼しんらい関係かんけいの確立かくりつのために努力どりょくしたい」と述のべました。

政府せいふ専用せんよう機きは先さきほど午前ごぜん7時じすぎワシントン郊外こうがいの空軍くうぐん基地きちに到着とうちゃくし、首脳しゅのう会談かいだんは日本にっぽん時間じかんの8日にち未明みめい、ホワイトハウスで行おこなわれます。

これに続つづき、食事しょくじをとりながら意見いけんを交かわす「ワーキングランチ」が行おこなわれ、終了しゅうりょう後ごに両りょう首脳しゅのうが共同きょうどう記者きしゃ会見かいけんで成果せいかなどを発表はっぴょうする運はこびです。

今回こんかいの首脳しゅのう会談かいだんで、石破いしば総理そうり大臣だいじんは安全あんぜん保障ほしょう分野ぶんやで日にち米べい同盟どうめいの抑止よくし力りょくと対処たいしょ力りょくのさらなる強化きょうかで一致いっちしたいとしているほか、経済けいざい分野ぶんやではアメリカに対にたいする日本にっぽんの巨額きょがくな投資とうしが雇用こようの創出そうしゅつにも貢献こうけんしていることを説明せつめいし、両国りょうこくの国益こくえきに沿そう協力きょうりょく関係かんけいの構築こうちくを目指めざす方針ほうしんです。

そしてトランプ大統領だいとうりょうが自国じこく第だい一いち主義しゅぎの政策せいさくを掲かかげる中なか、石破いしば総理そうり大臣だいじんとしては日にち米べい両国りょうこくが幅広はばひろい分野ぶんやで協力きょうりょくすることがインド太平洋たいへいよう地域ちいきや世界せかいの平和へいわと発展はってんにつながるという認識にんしきを共有きょうゆうし、関係かんけい構築こうちくを図はかりたい考かんがえです。

トランプ大統領だいとうりょう「話はなしをするのを楽たのしみにしている」

アメリカのトランプ大統領だいとうりょうは先月せんげつ31日にち、ホワイトハウスの執務しつむ室しつで記者きしゃ団だんに対にたいし「来週らいしゅう、日本にっぽんの総理そうり大臣だいじんが訪おとずれる。彼かれの側がわから会談かいだんの打診だしんがあった」として首脳しゅのう会談かいだんが行おこなわれることを明あきらかにしたうえで「日本にっぽんには大おおきな敬意けいいを抱だいている。日本にっぽんが好すきだ。彼かれらが私わたしに会あいに来きて話はなしをするのを楽たのしみにしている」と述のべました。

石破いしば総理そうり大臣だいじんとの首脳しゅのう会談かいだんをめぐっては、トランプ大統領だいとうりょうは去年きょねん12月つきの記者きしゃ会見かいけんで、NHKの記者きしゃが「大統領だいとうりょう就任しゅうにん式しきの前まえに会あうこともあるのか」と質問しつもんしたのに対にたいし「彼かれらが望のぞむなら、そうする」と述のべて、就任しゅうにん式しきの前まえに会談かいだんする可能かのう性せいも示しめしていました。

一方いっぽう、トランプ大統領だいとうりょうは大統領だいとうりょう選挙せんきょや就任しゅうにん後ごの演説えんぜつでも、日本にっぽんについてはほとんど言及げんきゅうしていません。

ただ、経済けいざいについては時折ときおり、厳きびしい姿勢しせいを示しめしていて、去年きょねん10月つきにイリノイ州しゅうで開ひらかれたイベントでは、関税かんぜいの引き上ひきあげについて「同盟どうめい国こくは敵対てきたい国こくよりもわれわれを利用りようしてきた」とした上うえで、当時とうじの安倍あべ総理そうり大臣だいじんに対にたいし「あなたは何なん百ひゃく万まん台だいもの自動車じどうしゃを輸出ゆしゅつしているが、われわれの自動車じどうしゃは受け入うけいれない」などと述のべ、貿易ぼうえき赤字あかじの是正ぜせいを強つよく迫せまったことを明あきらかにしています。

また、トランプ氏しは1期き目めの在任ざいにん中ちゅうに安倍あべ元もと総理そうりと強つよい信頼しんらい関係かんけいを築きずいたとされ「私わたしのとてもよい友人ゆうじんだった」などと述のべ、たびたび2人にんの交流こうりゅうを振り返ふりかえる場面ばめんもみられます。

先月せんげつ31日にちにホワイトハウスで石破いしば総理そうりとの首脳しゅのう会談かいだんを行おこなうことを明あきらかにした際さいも「安倍あべ元もと総理そうりは私わたしのとても親したしい友人ゆうじんだった。彼かれに起おきたことは大変たいへん悲かなしく、最もっとも悲かなしい日ひのひとつとなった」と話はなしていました。

また、去年きょねん4月つき、ニューヨーク・マンハッタンの中心ちゅうしん部ぶにある「トランプタワー」で、当時とうじの自民党じみんとうの麻生あそう副ふく総裁そうさいと会談かいだんした際さいには、トランプ氏しみずから麻生あそう氏しを出迎でむかえ「日本にっぽんはすばらしい国くにだ。日本にっぽんの人々ひとびとを尊敬そんけいしている」と述のべています。

トランプ大統領だいとうりょうのねらいは

アメリカのトランプ大統領だいとうりょうが2期き目めの就任しゅうにん後ご、外国がいこくの首脳しゅのうと対面たいめんで会談かいだんするのは、今月こんげつ4日にちにホワイトハウスに招まねいたイスラエルのネタニヤフ首相しゅしょうに続つづいて、石破いしば総理そうり大臣だいじんが2人にん目めです。

就任しゅうにんから間まもない中なかでの首脳しゅのう会談かいだんは関係かんけいを重視じゅうししている表あらわれと受け止うけとめられていて、中国ちゅうごくがインド太平洋たいへいよう地域ちいきで、影響えいきょう力りょくを強つよめ、アメリカが同盟どうめい国こく日本にっぽんに求もとめる役割やくわりがさらに増ます中なか、安全あんぜん保障ほしょう面めんや経済けいざい面めんでの協力きょうりょく強化きょうかを図はかりたいものとみられます。

特とくに経済けいざい面めんでは、アメリカの貿易ぼうえき赤字あかじの削減さくげんやアメリカでの雇用こよう創出そうしゅつにつながる投資とうしなどで日本にっぽんにも協力きょうりょくを求もとめる機会きかいにしたいと考かんがえているとみられます。

また、トランプ大統領だいとうりょうは前まえのバイデン政権せいけんから大おおきくエネルギー政策せいさくを転換てんかんし、化石かせき燃料ねんりょうの増産ぞうさんを通をつうじてエネルギー価格かかくを引き下ひきさげる考かんがえを強調きょうちょうしていて、日本にっぽんによる石油せきゆやLNG＝液化えきか天然てんねんガスの購入こうにゅうや設備せつび投資とうしなどに期待きたいを寄よせているとみられます。

一方いっぽうで、アメリカ第だい一いち主義しゅぎを掲かかげるトランプ大統領だいとうりょうは、国際こくさい協調きょうちょうを重視じゅうししてきた前まえのバイデン大統領だいとうりょうとは異ことなり、同盟どうめい国こくや友好国ゆうこうこくであっても利害りがいが一致いっちしなければ、対立たいりつや摩擦まさつが生しょうじることもいとわない姿勢しせいを示しめしています。

トランプ大統領だいとうりょうは大統領だいとうりょう選挙せんきょや就任しゅうにん後ごの演説えんぜつで、日本にっぽんについてはほとんど言及げんきゅうしておらず、日本にっぽんに対にたいする方針ほうしんは詳くわしくは明あきらかにしていません。

ただ、1期き目めのトランプ政権せいけんでは、農産のうさん品ひんの関税かんぜいの引き下ひきさげなど市場しじょう開放かいほうを求もとめたほか、在日ざいにちアメリカ軍ぐんの駐留ちゅうりゅう経費けいひの日本にっぽん側がわ負担ふたん、いわゆる「思おもいやり予算よさん」を大幅おおはばに増ふやすことなどを求もとめていました。

また、これまでNATO＝北大ほくだい西洋せいよう条約じょうやく機構きこうの加盟かめい国こくなどに対にたいしGDPに占しめる国防こくぼう費ひの割合わりあいを引き上ひきあげるべきだと主張しゅちょうしていて、日本にっぽんに対にたいしても防衛ぼうえい費ひの対たいGDP比ひを引き上ひきあげることを求もとめる可能かのう性せいもあります。

USスチール

この買収ばいしゅう計画けいかくについてトランプ氏しは去年きょねん1月末げつまつ「ひどい話はなしだ。私わたしなら即座そくざに阻止そしする。絶対ぜったいにだ」と述のべ、大統領だいとうりょうに再ふたたび就任しゅうにんした場合ばあいには、買収ばいしゅうを認みとめない考かんがえを明あきらかにしました。

トランプ氏しは去年きょねん12月つきにも、自身じしんのSNSで買収ばいしゅう計画けいかくについて「全面ぜんめん的てきに反対はんたいする」などと投稿とうこうし、改あらためて阻止そしする考かんがえを示しめしました。

この中なかでトランプ氏しは、「かつて偉大いだいで強力きょうりょくだったUSスチールが、外国がいこくの企業きぎょう、今回こんかいの場合ばあいは日本にっぽん製鉄せいてつに買収ばいしゅうされることに全面ぜんめん的てきに反対はんたいする」とした上うえで「大統領だいとうりょうとして私わたしはこの取り引とりひきを阻止そしする。買収ばいしゅう者しゃは注意ちゅういせよ」として日本にっぽん製鉄せいてつ側がわへの警告けいこくとも受け取うけとれる内容ないようを記しるしていました。

さらに先月せんげつ6日にちには自身じしんのSNSに「関税かんぜいの導入どうにゅうによって、USスチールがより収益しゅうえき性せいの高たかい、価値かちある企業きぎょうになるのに、なぜ、彼かれら（経営けいえい陣じん）はUSスチールを売却ばいきゃくしたいのか」と投稿とうこうしました。

そのうえで「かつて世界せかいで最もっとも偉大いだいな企業きぎょうであったUSスチールに、再ふたたび偉大いだいさを取り戻とりもどす役割やくわりをリードしてもらえたらすばらしいと思おもわないか。すべてはあっという間あっというまに実現じつげんする」と主張しゅちょう。

みずから掲かかげてきた関税かんぜいを実行じっこうに移うつせばUSスチールの企業きぎょう価値かちは高たかまるとして売却ばいきゃくに疑問ぎもんを呈ていしました。

トランプ政権せいけん下かで買収ばいしゅう計画けいかくが承認しょうにんされるかどうかについて専門せんもん家かの間までは、▽両社りょうしゃが「アメリカの鉄鋼てっこう産業さんぎょうの活性かっせい化かや中国ちゅうごくへの対抗たいこうという観点かんてんから最善さいぜんの計画けいかくだ」とトランプ大統領だいとうりょうを説得せっとくすることができれば可能かのう性せいはあるとの見方みかたもあります。

一方いっぽうで、▽アメリカ製造せいぞう業ぎょうの象徴しょうちょうともいえるUSスチールを外国がいこく企業きぎょうが買収ばいしゅうすることについてアメリカ第だい一いち主義しゅぎを掲かかげるトランプ大統領だいとうりょうが認みとめる可能かのう性せいはほぼゼロだという指摘してきも出でています。

通商つうしょう政策せいさく

「私わたしにとって辞書じしょの中なかで最もっとも美うつくしいことばは関税かんぜいだ。関税かんぜいを賢かしこく使つかう」と訴うったえてきたトランプ大統領だいとうりょう。

先月せんげつ20日にちの就任しゅうにん以降いこう、さまざまな関税かんぜい措置そちの導入どうにゅうを表明ひょうめいしてきました。

このうちメキシコとカナダには、不法ふほう移民いみんや薬物やくぶつなどが流入りゅうにゅうしていることなどを理由りゆうに今月こんげつ4日にちから25％の関税かんぜいを課かすと表明ひょうめい。

その後そのご、両国りょうこくが対策たいさくを講こうじることを約束やくそくしたとして1か月かげつ間かん発動はつどうを停止ていししました。

世界せかいに向むけて関税かんぜいを“交渉こうしょうのカード”にして譲歩じょうほを引き出ひきだす「ディール外交がいこう」を強つよく印象いんしょう付つけた形かたちになりました。

一方いっぽう、中国ちゅうごくに対にたいしてはアメリカで社会しゃかい問題もんだいになっている薬物やくぶつのフェンタニルを流通りゅうつうさせているなどとして予定よていどおり4日にちから10％の追加ついか関税かんぜいを課かしました。

これに対にたいし、中国ちゅうごく政府せいふはアメリカから輸入ゆにゅうされる石炭せきたんやLNG＝液化えきか天然てんねんガスなどに今月こんげつ10日にちから追加ついか関税かんぜいを課かすことを発表はっぴょうしました。

トランプ政権せいけんの1期き目めのときと同様どうよう、両国りょうこくの間まで関税かんぜいの応酬おうしゅうとなって、貿易ぼうえき摩擦まさつが一段いちだんと激はげしくなることへの懸念けねんが広ひろがっています。

またEU＝ヨーロッパ連合れんごうに対にたいしてもアメリカが対たいEUで貿易ぼうえき赤字あかじを抱かかえていることを問題もんだい視し。

「EUはわれわれにひどい仕打しうちをしてきた」と述のべ、追加ついか関税かんぜいの導入どうにゅうを検討けんとうしていることを明あきらかにしています。

日本にっぽんに対にたいしては、選挙せんきょ戦せんからこれまで言及げんきゅうは少すくなく、日本にっぽんを名指なざしする形かたちで関税かんぜいを課かすかどうか、不透明ふとうめいです。

ただ、選挙せんきょ戦せんで公約こうやくに掲かかげてきた全ぜん世界せかいを対象たいしょうにした一律いちりつ関税かんぜいが発動はつどうされれば、日本にっぽんも巻き込まきこまれることになります。

アメリカの去年きょねん1年間ねんかんの貿易ぼうえき赤字あかじは1兆ちょう2117億おくドル、日本にっぽん円えんにしておよそ185兆ちょう円えんとなり、過去かこ最大さいだいとなりました。

トランプ大統領だいとうりょうは、一律いちりつ関税かんぜいを導入どうにゅうすれば多額たがくの貿易ぼうえき赤字あかじを削減さくげんでき、国くにの歳入さいにゅうを増ふやすことにもつながると強調きょうちょうしてきました。

この一律いちりつ関税かんぜいについては就任しゅうにん日びには「まだ準備じゅんびができていない」と言及げんきゅうしましたが、すべての国くにからの輸入ゆにゅう品ひんへの関税かんぜいを毎月まいつき数すう％ずつ引き上ひきあげていくという案あんも検討けんとうされているとアメリカメディアは報ほうじています。

仮かりに一律いちりつ関税かんぜいを導入どうにゅうすれば各国かっこくと個別こべつに関税かんぜいを撤廃てっぱいするための交渉こうしょうを行おこないそれぞれの国くにからアメリカにとってメリットのある譲歩じょうほを引き出ひきだす協議きょうぎを進すすめていく可能かのう性せいがあると指摘してきされています。

アラスカが焦点しょうてんになるエネルギー政策せいさく

トランプ大統領だいとうりょうは、先月せんげつ20日にちの就任しゅうにん演説えんぜつで「記録きろく的てきなインフレを抑おさえこむため国家こっかエネルギー緊急きんきゅう事態じたいを宣言せんげんする。掘ほって掘ほりまくれ」と述のべ、化石かせき燃料ねんりょうの増産ぞうさんを通をつうじてエネルギー価格かかくを引き下ひきさげる考かんがえを強調きょうちょうしました。

また就任しゅうにん日びには「アメリカのエネルギーを解き放ときはなつ」という大統領だいとうりょう令れいに署名しょめい。

すべての政府せいふ機関きかんに国内こくないのエネルギー資源しげんの開発かいはつを潜在せんざい的てきに妨さまたげる可能かのう性せいのある行き過いきすぎた規制きせいなどを特定とくていし、30日にち以内いないに撤回てっかいや修正しゅうせいなどを盛り込もりこんだ行動こうどう計画けいかくを策定さくていするよう求もとめています。

エネルギー資源しげんの中なかでは特とくに石油せきゆ、天然てんねんガス、石炭せきたん、水力すいりょく発電はつでん、原子力げんしりょくなどに注目ちゅうもくするとしています。

LNG＝液化えきか天然てんねんガスをめぐっては、バイデン前ぜん政権せいけんが環境かんきょうに及およぼす影響えいきょうを調査ちょうさするため新あらたな輸出ゆしゅつの許可きょかを一時いちじ凍結とうけつした措置そちについて、輸出ゆしゅつに向むけた審査しんさを可能かのうなかぎり速すみやかに再開さいかいするよう求もとめています。

また日本にっぽんと密接みっせつにかかわるといわれるのが「アラスカ州しゅうのすばらしいエネルギー資源しげんを解き放ときはなつ」とした大統領だいとうりょう令れいです。

就任しゅうにん初日しょにちに署名しょめいしたこの大統領だいとうりょう令れいではアラスカ州しゅうに眠ねむる豊富ほうふな資源しげんを活用かつようすれば国民こくみんの繁栄はんえいにつながり国こくの安全あんぜん保障ほしょうの強化きょうかに役立やくだつと指摘してき。

貿易ぼうえき不ふ均衡きんこうの改善かいぜんにもつながるとしてLNGの開発かいはつを優先ゆうせんし、太平洋たいへいよう地域ちいきの同盟どうめい国こくに販売はんばい・輸出ゆしゅつすることが盛り込もりこまれています。

この同盟どうめい国こくには日本にっぽんや韓国かんこくなどが含ふくまれているとみられています。

日にち米べい政府せいふ関係かんけい者しゃの間までは、7日にちの日にち米べい首脳しゅのう会談かいだんでトランプ大統領だいとうりょうがアラスカ産さんのLNGを日本にっぽんが購入こうにゅうすることやLNG輸出ゆしゅつに向むけたパイプラインの建設けんせつに日本にっぽん側がわが投資とうしすることなどを求もとめるのではないかとの見方みかたが出でていました。

トランプ大統領だいとうりょう 1期き目めでの日にち米べい首脳しゅのう会談かいだんは14回かい

1期き目めのトランプ大統領だいとうりょうが世界せかいの指導しどう者しゃのなかで最もっとも親密しんみつな関係かんけいを築きずいたとされているのが当時とうじの安倍あべ総理そうり大臣だいじんです。

きっかけは2016年ねん11月つきの大統領だいとうりょう選挙せんきょの直後ちょくごに安倍あべ総理そうり大臣だいじんがニューヨークの「トランプタワー」を訪おとずれ、まだ就任しゅうにん前まえのトランプ氏しと会談かいだんしたことです。

その後そのご2人にんは14回かいにわたり対面たいめんでの首脳しゅのう会談かいだんを重かさねました。

2017年ねん

（1）最初さいしょの首脳しゅのう会談かいだんは、就任しゅうにん直後ちょくごの2017年ねん2月つき、安倍あべ総理そうり大臣だいじんをホワイトハウスに招まねいて行おこなわれました。

トランプ大統領だいとうりょうは首脳しゅのう会談かいだんのあとの共同きょうどう記者きしゃ会見かいけんで「日本にっぽんは重要じゅうような同盟どうめい国こくであり、日にち米べい同盟どうめいは平和へいわと繁栄はんえいの礎いしずえだ」と述のべ、日にち米べい関係かんけいを強化きょうかしていく方針ほうしんを強調きょうちょうしました。

会談かいだんのあと、2人にんは大統領だいとうりょう専用せんよう機きでトランプ大統領だいとうりょうの別荘べっそうがある南部なんぶフロリダ州しゅうに向むかい、ゴルフをプレーしたり、食事しょくじをしたりして、親密しんみつさをアピールしました。

ところが、2人にんが親交しんこうを深ふかめるさなかに、北朝鮮きたちょうせんが弾道だんどうミサイルを発射はっしゃ。

安倍あべ総理そうり大臣だいじんとともに記者きしゃ団だんの前まえに姿すがたを見みせたトランプ大統領だいとうりょうは「アメリカは偉大いだいな同盟どうめい国こく、日本にっぽんと100％ともにある」と述のべる一幕ひとまくもありました。

両りょう首脳しゅのうは（2）5月つきにはG7＝主要しゅよう7か国かこくの首脳しゅのう会議かいぎにあわせてイタリアで、（3）7月つきにはG20＝主要しゅよう20か国かこくの首脳しゅのう会議かいぎにあわせてドイツで、そして、（4）9月つきには国連こくれん総会そうかいにあわせてニューヨークで会談かいだんを行おこないました。

(5)11月つきには、トランプ大統領だいとうりょうは大統領だいとうりょう就任しゅうにん後ご初はじめてのアジア歴訪れきほうを行おこない、最初さいしょの訪問ほうもん国こくとして日本にっぽんを訪おとずれ、日にち米べい首脳しゅのう会談かいだんを行おこないました。

訪問ほうもん中ちゅう、天皇てんのう皇后こうごう両りょう陛下へいかと会見かいけんしたほか、北朝鮮きたちょうせんによる拉致らち被害ひがい者しゃの家族かぞくとも面会めんかいしました。

2018年ねん

2018年ねんには史上しじょう初はつの米べい朝ちょう首脳しゅのう会談かいだんが調整ちょうせいされる中なか、トランプ大統領だいとうりょうは北朝鮮きたちょうせんへの対応たいおうなどを話し合はなしあうため、安倍あべ総理そうり大臣だいじんとの会談かいだんを重かさねていきます。

（6）4月つきにはフロリダ州しゅうのトランプ大統領だいとうりょうの別荘べっそうで2日にちにわたり会談かいだんしたほか、（7）6月つきには米べい朝ちょう首脳しゅのう会談かいだんを直前ちょくぜんにホワイトハウスに招まねいて協議きょうぎしました。

（8）9月つきには国連こくれん総会そうかいにあわせてニューヨークで、（9）11月つきにはG20の首脳しゅのう会議かいぎにあわせて南米なんべいアルゼンチンで会談かいだんしました。

2019年ねん

2019年ねんには（10）4月つきにワシントン、（11）5月つきに東京とうきょう、（12）6月つきに大阪おおさかと3か月かげつ連続れんぞくという異例いれいのペースで首脳しゅのう会談かいだんを行おこないました。

このうち5月つきの来日らいにちは「令りょう和わ」初はつの国賓こくひんとして皇居こうきょを訪問ほうもんし、外国がいこくの元首げんしゅとして初はじめて、即位そくいされた天皇てんのう皇后こうごう両りょう陛下へいかと会見かいけんしました。

（13）8月つきにはG7の首脳しゅのう会議かいぎにあわせてフランスで、（14）9月つきにはニューヨークで会談かいだんを行おこないました。

トランプ大統領だいとうりょうが1期き目めで日本にっぽんとの首脳しゅのう会談かいだんを重かさねたことについて外交がいこう筋すじは「トランプ大統領だいとうりょうが安倍あべ総理そうり大臣だいじんとの個人こじん的てきな関係かんけいで信頼しんらいを置おいていたことに加くわえて中国ちゅうごくや北朝鮮きたちょうせんなどへの対応たいおうで日本にっぽんが果はたす役割やくわりを重視じゅうししていたからだろう」と話はなしています。

トランプ政権せいけんの外交がいこう

トランプ政権せいけんは、「アメリカ第だい一いち主義しゅぎ」を掲かかげ、バイデン政権せいけんからの大幅おおはばな政策せいさく転換てんかんを進すすめる一方いっぽう、中国ちゅうごくへの対応たいおうなどを優先ゆうせん課題かだいにあげ、アジア太平洋たいへいよう地域ちいきでは、同盟どうめい国こくとの関係かんけい強化きょうかを図はかる立場たちばを示しめしています。

《日本にっぽん》

日にち米べい同盟どうめいについては、「地域ちいきの安全あんぜんや繁栄はんえいの礎いしずえ」だとしています。

首都しゅとワシントンでは、大統領だいとうりょう就任しゅうにん直後ちょくごの先月せんげつ21日にち、ルビオ国務こくむ長官ちょうかんが岩屋いわや外務がいむ大臣だいじんと会談かいだんし、アメリカ側がわの発表はっぴょうでは、「中国ちゅうごくによる安定あんていを損そこなう行為こういへの対処たいしょを含ふくめ、インド太平洋たいへいよう地域ちいきにおける脅威きょういへの対応たいおうについて意見いけんを交かわした」としています。

また、ヘグセス国防こくぼう長官ちょうかんも先月せんげつ、中谷なかたに防衛ぼうえい大臣だいじんと電話でんわで会談かいだんし、指揮しき・統制とうせいの枠組わくぐみを向上こうじょうさせることなどを確認かくにんしました。

《多国たこく間かん、日にち米べい豪ごう印しるし》

アジア太平洋たいへいよう地域ちいきでは、多国たこく間かんの枠組わくぐみも重視じゅうしし、同盟どうめい国こくなどとの関係かんけい強化きょうかを図はかる立場たちばを示しめしています。

トランプ大統領だいとうりょうの就任しゅうにん直後ちょくごに首都しゅとワシントンで、日にち米べい豪ごう印しるし4か国かこくのクアッドの外相がいしょう会合かいごうを開ひらき、「自由じゆうで開ひらかれたインド太平洋たいへいよう」の実現じつげんに向むけた協力きょうりょくの強化きょうかを確認かくにんしました。

また、中国ちゅうごくが海洋かいよう進出しんしゅつを強つよめる南シナ海みなみしなかいでは、今月こんげつ5日にち、自衛隊じえいたいやアメリカ海軍かいぐんに加くわえ、フィリピン、オーストラリアの4か国かこくで、トランプ政権せいけんの発足ほっそく後ご初はじめてとなる共同きょうどう訓練くんれんを行おこない、相互そうご運用うんよう性せいを強化きょうかしました。

《中国ちゅうごく》

政権せいけんの外交がいこうや安全あんぜん保障ほしょうを担になう要職ようしょくに対たい中ちゅう強硬きょうこう派はとされる人材じんざいを起用きようし政権せいけん発足ほっそく当初とうしょから厳きびしい姿勢しせいを示しめしています。

今月こんげつ4日にちには、中国ちゅうごくからの輸入ゆにゅう品ひんに10％の追加ついか関税かんぜいを課かす措置そちを発動はつどうしたのに対にたいし、中国ちゅうごくは、アメリカの石炭せきたんやLNG＝液化えきか天然てんねんガスなどに今月こんげつ10日にちから追加ついか関税かんぜいを課かす対抗たいこう措置そちなどを発表はっぴょうし、早速さっそく対立たいりつしています。

一方いっぽうで、アメリカ側がわは、トランプ大統領だいとうりょうが習近平ちから国家こっか主席しゅせきと近ちかく電話でんわで会談かいだんする見通みとおしを示しめしています。

また、ウクライナ情勢じょうせいをめぐり、習主席しゅせきが事態じたいの解決かいけつに向むけて役割やくわりを果はたすよう求もとめたとしているほか、ロシアや中国ちゅうごくとともに、核兵器かくへいきを削減さくげんすることに意欲いよくを示しめしています。

《中東ちゅうとう》

1期き目めに続つづいて、イスラエル寄よりの姿勢しせいを鮮明せんめいにしています。

2期き目めの就任しゅうにん後ご、トランプ大統領だいとうりょうがホワイトハウスで初はじめて会談かいだんした外国がいこく首脳しゅのうは、イスラエルのネタニヤフ首相しゅしょうで、会談かいだん後ごの共同きょうどう記者きしゃ会見かいけんでは、パレスチナのガザ地区ちくをアメリカが長期ちょうき的てきに所有しょゆうし再建さいけんするとした上うえで、地区ちくの住民じゅうみんを別べつの場所ばしょに移住いじゅうさせると発言はつげんし、中東ちゅうとう諸国しょこくだけでなく世界せかい各国かっこくから反発はんぱつや懸念けねんの声こえが上あがりました。

《ウクライナ》

ロシアによるウクライナへの軍事ぐんじ侵攻しんこうをめぐって、トランプ大統領だいとうりょうは、早期そうき終結しゅうけつに向むけて、プーチン大統領だいとうりょうとの首脳しゅのう会談かいだんに繰り返くりかえし意欲いよくを示しめす一方いっぽう、ロシア側がわの対応たいおう次第しだいでは、関税かんぜいや制裁せいさいの措置そちをとるとして揺ゆさぶりもかけています。

また、産油さんゆ国こくのサウジアラビアとOPEC＝石油せきゆ輸出ゆしゅつ国こく機構きこうに原油げんゆ価格かかくの引き下ひきさげを要請ようせいすると主張しゅちょうし、原油げんゆ相場そうばの引き下ひきさげを通をつうじて産油さんゆ国こくロシアに財政ざいせい面めんで打撃だげきを与あたえたい考かんがえも示しめしています。

《北朝鮮きたちょうせん》

北朝鮮きたちょうせんをめぐっては、トランプ大統領だいとうりょうは、就任しゅうにん直後ちょくごに放送ほうそうされたメディアのインタビューで、キム・ジョンウン（金きむ正ただし恩おん）総そう書記しょきと接触せっしょくを図はかる意向いこうを示しめしました。

1期き目めでは、3回かいにわたって会談かいだんしましたが、北朝鮮きたちょうせんの非核ひかく化かは進すすまず、2期き目めでも首脳しゅのう会談かいだんの実現じつげんを目指めざすのか、注目ちゅうもくされています。

《パリ協定きょうてい、WHO》

大統領だいとうりょう就任しゅうにん初日しょにちに▽地球ちきゅう温暖おんだん化か対策たいさくの国際こくさい的てきな枠組わくぐみ「パリ協定きょうてい」から離脱りだつするための大統領だいとうりょう令れいや、▽WHO＝世界せかい保健ほけん機関きかんから脱退だったいするための大統領だいとうりょう令れいに署名しょめいし、「アメリカ第だい一いち主義しゅぎ」を推し進おしすすめ、国際こくさい社会しゃかいに波紋はもんを広ひろげています。

《NATO》

トランプ大統領だいとうりょうは、ウクライナ情勢じょうせいをめぐりヨーロッパ各国かっこくがより役割やくわりを果はたすべきだという考かんがえを示しめしていて、NATO＝北大ほくだい西洋せいよう条約じょうやく機構きこうの加盟かめい国こくに対にたいし、GDPに占しめる国防こくぼう費ひの割合わりあいを目標もくひょうとしてきた2％ではなく、5％に引き上ひきあげるべきだと主張しゅちょうしています。