Japanese News: 横浜市長選当選の山中氏 “就任後速やかにIR誘致を撤回”

横浜よこはま市長しちょう選せん当選とうせんの山中やまなか氏し “就任しゅうにん後ご速すみやかにIR誘致ゆうちを撤回てっかい”

Aug 23, 2021 17:08

Furigana

過去かこ最多さいたの8人にんが立候補りっこうほした、横浜よこはま市長しちょう選挙せんきょで当選とうせんした山中やまなか竹春たけはる氏しが23日にち、市役所しやくしょで当選とうせん証書しょうしょを受け取うけとり、就任しゅうにん後ご速すみやかにIR＝統合とうごう型がたリゾート施設しせつの誘致ゆうちの撤回てっかいを宣言せんげんするとともにコロナ対策たいさくとして医療いりょう提供ていきょう体制たいせいの確保かくほなどに取り組とりくんでいく考かんがえを示しめしました。

山中やまなか竹春たけはる氏しは、横浜よこはま市長しちょう選挙せんきょで50万まん票ひょう以上いじょうを獲得かくとくして当選とうせんし、23日にち、市役所しやくしょで当選とうせん証書しょうしょを受け取うけとりました。

このあと山中さんちゅう氏しは記者きしゃ団だんの取材しゅざいに応おうじ「身みの引き締ひきしまる思おもいだ。市民しみんが住すんでよかったと思おもえる横浜よこはまを作つくるという強つよい責任せきにん感かんでいっぱいだ」と述のべました。

そして、今月こんげつ30日にちに市長しちょうに就任しゅうにんしたあと速すみやかにIR誘致ゆうちの撤回てっかいを宣言せんげんし、市しの「IR推進すいしん室しつ」を廃止はいしする考かんがえを示しめしました。

さらに、感染かんせんの急きゅう拡大かくだいが続つづく新型しんがたコロナ対策たいさくとして今後こんご、医療いりょう提供ていきょう体制たいせいの確保かくほやワクチン接種せっしゅのスピードアップ、検査けんさ態勢たいせいの充実じゅうじつなどに取り組とりくむ考かんがえを示しめしました。

22日にち、投票とうひょうが行おこなわれた横浜よこはま市長しちょう選挙せんきょで立憲りっけん民主党みんしゅとうが推薦すいせんした元もと横浜よこはま市立しりつ大学だいがく教授きょうじゅの山中やまなか竹春たけはる氏しが初はつ当選とうせんしたことを受うけて横浜よこはま市民しみんからは、さまざまな声こえがあがっていました。

横浜よこはま市し中なか区くの自営じえい業ぎょうの男性だんせい（59）は「現職げんしょくの市政しせいが長ながかったので、そろそろ別べつの人ひとをと期待きたいする人ひとも多おおかったのかなと思おもうし、自分じぶんも別べつの人ひとを選えらびたいと思おもった」と話はなしていました。

また、横浜よこはま市し中なか区くの男性だんせい（68）は「若わかい方ほうなので行動こうどう力りょくには期待きたいしているが、市しの財政ざいせい問題もんだいに全まったく触ふれていないので、今後こんご財政ざいせい問題もんだいにどう取り組とりくんでいくのか、お手並てなみを拝見はいけんしたい」と話はなしていました。

横浜よこはま市し緑みどり区くの会社かいしゃ員いんの女性じょせい（26）は「新あたらしい市長しちょうには若わかい人ひとたちのワクチン接種せっしゅ率りつをあげることに力ちからを入いれてほしいのと、外出がいしゅつ制限せいげんを呼よびかけた際さいの経済けいざい的てきな支援しえんをしてもらいたい」と話はなしていました。

また、カジノを含ふくむIR＝統合とうごう型がたリゾート施設しせつの誘致ゆうちをめぐっては「自分じぶんもIR反対はんたいだったので、公約こうやくをぜひ実現じつげんしてほしい」と話はなしていました。

【記者きしゃ解説かいせつ】大差たいさで勝利しょうりの背景はいけいは

取材しゅざいにあたった横浜よこはま放送ほうそう局きょくの有吉ありよし記者きしゃに聞ききました。

Q:山中さんちゅうさんの大差たいさでの勝利しょうりの背景はいけいはどこにあったでしょうか。

記者きしゃ:市民しみんの関心かんしんが「新型しんがたコロナ対策たいさく」に集あつまった点てんだと言いえます。

神奈川かながわ県内けんないでは連日れんじつのように2000人にん以上いじょうの感染かんせん確認かくにんが発表はっぴょうされています。

山中やまなかさんはみずからを「コロナの専門せんもん家か」として支持しじを訴うったえ、街頭がいとうでは野党やとうの幹部かんぶも口くちをそろえて菅かん政権せいけんや林はやし市政しせいのコロナ対策たいさくを批判ひはんしました。

不安ふあんや不満ふまんを感かんじている人ひとたちを引ひきつけたと言いえます。

Q:争点そうてんの1つとして挙あげられていたIRは市民しみんの投票とうひょう行動こうどうにどう影響えいきょう？。

記者きしゃ:横浜よこはま市内しないでは、去年きょねん、反対はんたいする市民しみん団体だんたいや野党やとうがIR誘致ゆうちの是非ぜひを問とう住民じゅうみん投票とうひょう条例じょうれいの制定せいていを求もとめる署名しょめい活動かつどうを行おこないました。

20万まん近ちかい署名しょめいが集あつまりましたが条例じょうれい案あん自体じたいは市議会しぎかいで否決ひけつされました。

ただ、山中やまなかさんを推薦すいせんした立憲りっけん民主みんしゅ党とうの関係かんけい者しゃは「署名しょめい活動かつどうを通をとおしてIR反対はんたいの主張しゅちょうは市民しみんに十分じゅうぶん浸透しんとうしていたため選挙せんきょ戦せんがスタートした時点じてんで争点そうてんはIRではなくコロナ対策たいさくに移うつっていた」と振り返ふりかえっています。

NHKの22日にちの出口でぐち調査ちょうさでは75％の人ひとがIR反対はんたいと回答かいとうしました。

菅かん政権せいけんの閣僚かくりょうだった小此木おこのぎさんも市民しみんの理解りかいが得えられていないとしてIR反対はんたいを打ち出うちだしたためIRは争点そうてんとしてわかりにくくなっていたという見方みかたもあります。

公明党こうめいとうの関係かんけい者しゃは「新型しんがたコロナの感染かんせん急きゅう拡大かくだいと内閣ないかく支持しじ率りつの低下ていか影響えいきょうを日増ひましに感かんじた」と受け止うけとめています。

小此木おこのぎさんの陣営じんえいでも「コロナ対策たいさくを前面ぜんめんに打ち出うちだす必要ひつようがある」とポスターや演説えんぜつ内容ないようを変かえたのですが、それは選挙せんきょ戦せんの最終さいしゅう盤ばんでのことでした。

こうした結果けっか、小此木おこのぎさんは地元じもとの鶴見つるみ区くで山中やまなかさんを上回うわまわったものの、菅かん総理そうりの地元じもとを含ふくむすべての地域ちいきで及およびませんでした。

自民党じみんとうの関係かんけい者しゃから「ここまでひどい大敗たいはいとは夢ゆめにも思おもわなかった」「想像そうぞうを超こえる大だい惨敗ざんぱいだ」という声こえが聞きかれるほどです。

Q:今後こんご、山中やまなかさんはどのように市政しせい運営うんえいに当あたっていくんでしょうか。

記者きしゃ:横浜よこはま市議会しぎかいで多数たすうを占しめているのは自民党じみんとうの会派かいはと公明党こうめいとうです。

自民党じみんとうの幹部かんぶは「IRの取とりやめを訴うったえた小此木おこのぎさんを支援しえんした経緯けいいを踏ふまえれば山中やまなかさんのIR反対はんたいに『反対はんたい』とは言いえないが市議しぎの一部いちぶはIR推進すいしんの林はやしさんを支援しえんした。どのように市議しぎ団だんをまとめていくかが問題もんだいだ」と難むずかしい調整ちょうせいに頭あたまを悩なやませている様子ようすでした。