Actualités japonaises: 中国 84％の追加関税措置発動アメリカからの輸入品に

中国ちゅうごく政府せいふは、アメリカのトランプ政権せいけんによる「相互そうご関税かんぜい」などの追加ついか関税かんぜいに対抗たいこうし、日本にっぽん時間じかんの10日にち午後ごご1時じすぎにアメリカからの輸入ゆにゅう品ひんに84％の追加ついか関税かんぜいを課かす措置そちを発動はつどうしました。米べい中ちゅうの貿易ぼうえき摩擦まさつの激化げきかが世界せかい経済けいざいに深刻しんこくな影響えいきょうを与あたえることへの懸念けねんが強つよまっています。

また中国ちゅうごく外務省がいむしょうの林はやし剣けん報道ほうどう官かんは10日にちの記者きしゃ会見かいけんで「関税かんぜい戦争せんそうや貿易ぼうえき戦争せんそうに勝者しょうしゃはいないことを改あらためて強調きょうちょうしたい。

中国ちゅうごく側がわは戦たたかいたくないが、決けっして恐おそれない。われわれは中国人ちゅうごくじん民みんの正当せいとうな権益けんえきが奪うばわれ多国たこく間かん貿易ぼうえき体制たいせいが破壊はかいされることを決けっしてただ座すわって見みることはしない」と述のべました。

そのうえで「各国かっこくの正当せいとうな利益りえきを犠牲ぎせいにしてアメリカの覇権はけんの利益りえきにすることは国際こくさい社会しゃかいからいっそうの強つよい反対はんたいを受うけるに違ちがいない」と強調きょうちょうしました。

アメリカのトランプ政権せいけんは中国ちゅうごくに対にたいし、ことし2月つきと先月せんげつにあわせて20％の追加ついか関税かんぜいを発動はつどうしたのに続つづき、9日にち、相互そうご関税かんぜいなど84％の追加ついか関税かんぜいを発動はつどうし中国ちゅうごくへの追加ついか関税かんぜいをあわせて104％に引き上ひきあげました。

これに対抗たいこうし、中国ちゅうごく政府せいふは日本にっぽん時間じかんの10日にち午後ごご1時じすぎ、アメリカからの輸入ゆにゅう品ひんに同おなじ84％の追加ついか関税かんぜいを課かす措置そちを発動はつどうしました。

中国ちゅうごくはことし2月つきと先月せんげつにもトランプ政権せいけんによる追加ついか関税かんぜいへの対抗たいこう措置そちを発動はつどうしましたが、いずれも対象たいしょうとなる品目ひんもくを限定げんていし追加ついか関税かんぜいを課かしました。

これに対にたいし、今回こんかいは全面ぜんめん的てきな対抗たいこう措置そちに踏み切ふみきった形かたちです。

その後そのご、アメリカは中国ちゅうごくへの追加ついか関税かんぜいを125％に引き上ひきあげていて、中国ちゅうごくがさらなる対抗たいこう措置そちに踏み切ふみきるかどうかが注目ちゅうもくされます。

日本にっぽんを含ふくむ多おおくの国くにや地域ちいきがアメリカとの貿易ぼうえき摩擦まさつの回避かいひに向むけて動うごく中なか、米べい中の間なかのまでは追加ついか関税かんぜいと対抗たいこう措置そちの応酬おうしゅうで対立たいりつが深ふかまっていて、世界せかい経済けいざいに深刻しんこくな影響えいきょうを与あたえることへの懸念けねんが強つよまっています。

人民元じんみんげ 17年ねん4か月かげつぶりの安値やすね水準すいじゅん中国ちゅうごくが人民元じんみんげ安やす容認ようにんとの見方みかた

10日にちの上海しゃんはい外国がいこく為替かわせ市場しじょうでは、人民元じんみんげを売うってドルを買かう動うごきが進すすみ、人民元じんみんげは一時いちじ、ドルに対にたいして1ドル＝7。

351人民元じんみんげん台だいをつけました。これは、2007年ねん12月つき以来いらい、17年ねん4か月かげつぶりの安値やすね水準すいじゅんです。

人民元じんみんげの取り引とりひきは中国ちゅうごく人民じんみん銀行ぎんこうが毎朝まいあさ発表はっぴょうする基準きじゅん値ちの上下じょうげ2％以内いないの範囲はんいで行おこなわれますが、中国ちゅうごく人民じんみん銀行ぎんこうは10日にち朝あさ、ドルに対にたいする基準きじゅん値ちを1年ねん7か月かげつぶりの安値やすね水準すいじゅんに設定せっていしていました。

市場しじょうでは、アメリカのトランプ政権せいけんによる追加ついか関税かんぜいの大幅おおはばな引き上ひきあげを受うけて、中国ちゅうごくが影響えいきょうを和やわらげるため人民元じんみんげ安やすを容認ようにんするとの見方みかたが広ひろがっています。

人民元じんみんげ安やすは、輸出ゆしゅつ産業さんぎょうの競争きょうそう力りょく向上こうじょうにつながる一方いっぽう、中国ちゅうごくからの資金しきん流出りゅうしゅつを招まねくおそれもあり、中国ちゅうごく政府せいふはこれまで慎重しんちょうな姿勢しせいを示しめしてきました。

市場しじょう関係かんけい者しゃは「追加ついか関税かんぜいの税率ぜいりつが想定そうてい以上いじょうに大おおきいため、中国ちゅうごく政府せいふは人民元じんみんげ安やすへの誘導ゆうどうにかじを切きったとの見方みかたが出でている。

ただ、急激きゅうげきな人民元じんみんげ安やすは、アメリカから反発はんぱつを招まねき、貿易ぼうえきをめぐる交渉こうしょうが一段いちだんと難むずかしくなるおそれもあり先行さきゆきは見通みとおしにくい」と話はなしています。

米べいは最大さいだいの輸出ゆしゅつ先さき追加ついか関税かんぜいによる経済けいざい影響えいきょうは避さけられず

中国ちゅうごくの貿易ぼうえき統計とうけいによりますと、去年きょねん1年間ねんかんで中国ちゅうごくがアメリカに輸出ゆしゅつした額がくは、おととしから4。

9％増ふえて5246億おくドル余あまり、日本にっぽん円えんで77兆ちょう円えんあまりとなっています。

中国ちゅうごくの輸出ゆしゅつ全体ぜんたいの14。

6％を占しめ国こくとしては最大さいだいの輸出ゆしゅつ先さきとなっていて、追加ついか関税かんぜいによる経済けいざいへの影響えいきょうは避さけられません。

日本にっぽんの調査ちょうさ会社かいしゃ「大和やまと総研そうけん」の試算しさんでは、日本にっぽん時間じかんの9日にち、発動はつどうされたトランプ政権せいけんによる104％の追加ついか関税かんぜいは、中国ちゅうごくのGDP＝国内こくない総そう生産せいさんを2。

55ポイント押し下おしさげるとしています。

さらにトランプ政権せいけんは中国ちゅうごくへの追加ついか関税かんぜいを125％まで引き上ひきあげ、中国ちゅうごく経済けいざいにさらに大おおきな影響えいきょうが出でるとみられます。

一方いっぽう、アメリカとの対立たいりつが続つづく中なか、中国ちゅうごくは、ASEAN＝東南アジアとうなんあじあ諸国しょこく連合れんごうの国くになど新しん興国こうこく向むけの輸出ゆしゅつを増ふやしてきました。

去年きょねん1年間ねんかんのASEAN向むけの輸出ゆしゅつ額がくは、おととしから12％増ふえて5865億おくドル余あまり、およそ86兆ちょう2000億おく円えんとアメリカを上回うわまわる規模きぼになっています。

専門せんもん家か「トランプ政権せいけんの本当ほんとうの狙ねらいは中国ちゅうごく」

米べい中ちゅう関係かんけいや中国ちゅうごく経済けいざいに詳くわしい日本にっぽん総合そうごう研究所けんきゅうじょの呉くれ軍ぐん華はな上席じょうせき理事りじは、中国ちゅうごく政府せいふがトランプ政権せいけんによる相互そうご関税かんぜいなどに対抗たいこうしアメリカからの輸入ゆにゅう品ひんに84％の追加ついか関税かんぜいを課かす措置そちを発動はつどうしたことについて、「トランプ政権せいけんの本当ほんとうの狙ねらいが中国ちゅうごくにあるという認識にんしきがあり、譲歩じょうほしてもおそらくよい取り引とりひきができないという判断はんだんがあったのではないか」と述のべました。

また、「経済けいざい的てきに、譲歩じょうほしてもしょうがないという判断はんだんに加くわえて、政治せいじ的てきには、強硬きょうこう姿勢しせいを取とることで愛国あいこく心しんを高たかめて、国内こくないを団結だんけつするのに有利ゆうりになる」と述のべ、中国ちゅうごく経済けいざいが減速げんそくする中なかで、国内こくないの団結だんけつを図はかるねらいもあると指摘してきしました。

そして、アメリカの関税かんぜい政策せいさくをめぐる中国ちゅうごくの今後こんごの対応たいおうについて「耐たえられるかどうかではなく耐たえていくしかないという問題もんだい意識いしきを持もっているだろう」とした上うえで、「トランプ政権せいけんに対にたいする不満ふまんが高たかまっていることを踏ふまえてアメリカに対にたいする共闘きょうとう陣営じんえいをできるだけ作つくろうとすると思おもう」と述のべ、関税かんぜい措置そちにさらされるほかの国々くにぐにとの連携れんけいを強つよめようとするという見方みかたを示しめしました。

さらに、アメリカと中国ちゅうごくが追加ついか関税かんぜいと対抗たいこう措置そちの応酬おうしゅうを繰り広くりひろげている状況じょうきょうについては「米べい中ちゅうはおそらく貿易ぼうえきのデカップリングの最終さいしゅう段階だんかいにきている。

これからは生産せいさんや製造せいぞうの分野ぶんや、そして、次第しだいに経済けいざいのデカップリングが進行しんこうしていくだろう」と分析ぶんせきしました。

《追加ついか関税かんぜいの衝撃しょうげき広ひろがる経営けいえい戦略せんりゃくの見直みなおしも》

野球やきゅう帽ぼうなど輸出ゆしゅつするメーカー「関税かんぜい引き上ひきあげられるたび恐怖きょうふ」

トランプ政権せいけんによる相次あいつぐ追加ついか関税かんぜいを受うけて、中国ちゅうごくではアメリカへの輸出ゆしゅつが多おおい雑貨ざっかや衣類いるいなどの業界ぎょうかいに衝撃しょうげきが広ひろがっています。

製造せいぞう業ぎょうが集積しゅうせきする広東かんとん省しょう広州こうしゅうにある衣料いりょう品ひんメーカーでは、海外かいがいの大手おおてスポーツブランドなどから発注はっちゅうを受うけて帽子ぼうしなどを生産せいさんしていて、アメリカ向むけが輸出ゆしゅつの半分はんぶんを占しめています。

「USA」のロゴが入はいった野球やきゅう帽ぼうなどさまざまな商品しょうひんを輸出ゆしゅつしてきましたが、トランプ政権せいけんによる追加ついか関税かんぜいによって先行さきゆきが見通みとおせなくなっています。

ことし2月つきと3月つきに中国ちゅうごくに対にたいしてあわせて20％の追加ついか関税かんぜいが課かせられた際さいには、アメリカの顧客こきゃくと協議きょうぎしながらなんとか輸出ゆしゅつを続つづけてきました。

しかし、追加ついか関税かんぜいが100％を超こえることになり、一部いちぶの取引とりひき先さきからは輸出ゆしゅつを一時いちじ的てきに停止ていしするよう要請ようせいがあったということです。

取材しゅざいに訪おとずれた9日にちは、アメリカに向むけて発送はっそうされる予定よていだった商品しょうひんが工場こうじょうの一角いっかくに積つまれたままとなっていました。

このメーカーでは、追加ついか関税かんぜいがこのまま続つづけばアメリカ向むけの輸出ゆしゅつの減少げんしょうは避さけられないとして国内こくないの販路はんろ拡大かくだいやヨーロッパや東南アジアとうなんあじあなどの輸出ゆしゅつ先さきの開拓かいたくを検討けんとうしています。

会社かいしゃの経営けいえい者しゃの馬うま剣けん峰ほうさんは「アメリカ市場しじょうは私わたしたちにとって非常ひじょうに重要じゅうような市場しじょうです。

関税かんぜいが引き上ひきあげられるたびに恐怖きょうふを感かんじているので、できるだけ早はやく解決かいけつしてほしいです。企業きぎょうも市民しみんも、中国ちゅうごくとアメリカの激はげしい衝突しょうとつは望のぞんでいません」と話はなしていました。

建材けんざいメーカーでは取り引とりひき先さきから注文ちゅうもん見合みあわせる動うごき相次あいつぐ

広東かんとん省しょう東ひがし莞ふといでアメリカ向むけのアルミニウムの建材けんざいなどを製造せいぞうしている香港ほんこんのメーカーでは、取り引とりひき先さきから注文ちゅうもんを見合みあわせる動うごきが相次あいついでいるということです。

このメーカーの製品せいひんには、トランプ政権せいけんの1期き目めから続つづいているものも含ふくめ、合あわせて70％の関税かんぜいが上乗うわのせされたため、メーカーではアメリカ以外いがいの輸出ゆしゅつ先さきの開拓かいたくに乗り出のりだしたほか、東南アジアとうなんあじあに新あらたな生産せいさん拠点きょてんを設もうけることを検討けんとうしています。

生産せいさん拠点きょてんの候補こうほ地ちとしてはトランプ政権せいけんが当初とうしょ発表はっぴょうした相互そうご関税かんぜいの税率ぜいりつが比較的ひかくてき低ひくかったマレーシアを検討けんとうし始はじめましたが、この措置そちが90日間にちかん停止ていしされるなど急きゅうな方針ほうしんの変更へんこうに翻弄ほんろうされています。

また、生産せいさん拠点きょてんの新設しんせつには早はやくても2年ねんほどかかるほか多額たがくの設備せつび投資とうしが必要ひつようで、米べい中ちゅうの貿易ぼうえき戦争せんそうの先行さきゆきが見みえない中なか、具体ぐたい的てきな経営けいえい戦略せんりゃくを立たてるのは困難こんなんだと言いいます。

この建材けんざいメーカーを経営けいえいする劉りゅう達いたる邦くにさんは「なすすべもなく混乱こんらんしています。

米べい中ちゅうの貿易ぼうえき戦争せんそうが続つづけば、われわれのような中小ちゅうしょう企業きぎょうにとってはかなりやっかいです。資金しきんも限かぎられていて打つ手うつては多おおくありません」と話はなしていました。

中国ちゅうごくのこれまでの対抗たいこう措置そち

中国ちゅうごくはアメリカのトランプ政権せいけんによる10％の追加ついか関税かんぜいの措置そちに対抗たいこうし、ことし2月つき10日にちからアメリカから輸入ゆにゅうされる石炭せきたんやLNG＝液化えきか天然てんねんガスなどに最大さいだいで15％の追加ついか関税かんぜいを課かしました。

対象たいしょうとなる品目ひんもくは、金額きんがくにして140億おくドル、日本にっぽん円えんで2兆ちょう円えんあまりと限定げんてい的てきな措置そちでした。

その後そのご、トランプ政権せいけんが先月せんげつ追加ついか関税かんぜいを20％に引き上ひきあげたため、中国ちゅうごくはこれに対抗たいこうする形かたちで先月せんげつ10日にちからアメリカ産さんの鶏肉けいにくや小麦こむぎ、大豆だいずなど一部いちぶの農産物のうさんぶつなどに最大さいだいで15％の追加ついか関税かんぜいを課かしました。

対象たいしょうとなる品目ひんもくは金額きんがくにして223億おくドル、日本にっぽん円えんで3兆ちょう2000億おく円えんあまりと2月つきの措置そちの規模きぼは上回うわまわったものの、このときもアメリカとの交渉こうしょうの余地よちを残のこすための抑制よくせい的てきな対応たいおうだという見方みかたが出でていました。

しかし、今月こんげつ3日にち、トランプ政権せいけんが「相互そうご関税かんぜい」として34％の追加ついか関税かんぜいを課かすとしたことを受うけ、中国ちゅうごくは、10日にちからアメリカのすべての輸入ゆにゅう品ひんに同おなじ税率ぜいりつの34％を課かす全面ぜんめん的てきな対抗たいこう措置そちを発表はっぴょう。

そして、アメリカが9日にち、さらに50％を上乗うわのせして84％の追加ついか関税かんぜいを発動はつどうし、中国ちゅうごくへの追加ついか関税かんぜいをあわせて104％まで引き上ひきあげたのに対抗たいこうし、中国ちゅうごくはアメリカへの追加ついか関税かんぜいを84％まで引き上ひきあげることを発表はっぴょうしました。