公明党の斉藤代表は、実施を求める減税については来年度からを想定しており、現金給付をできるだけ早期に行う必要があるという考えを示しました。
一方、立憲民主党では、消費税の減税などを目指す有志の議員らが、当分の間、税率を5%まで引き下げるべきだとする提言案をとりまとめました。
公明 斉藤代表 “減税は来年度からを想定 給付金は早期に”
公明党の斉藤代表は10日、物価高やアメリカの関税措置による家計や企業の負担を軽減するため減税が必要だと指摘した上で、減税が実現するまでのつなぎの措置として現金給付を検討すべきだという考えを示しました。
これについて斉藤氏は11日の記者会見で「減税が家計や企業の負担を抑え、経済対策として国民に安心を与えるのではないかという趣旨で申し上げた。減税の中身や方策はあらゆる選択肢をそ上に載せて検討しているところであり、特定の税目が念頭にある訳ではない」と指摘しました。
その上で、減税の実施時期について「税制関連法案を国会に提出して成立させることを考えれば来年度からが常識的だ。それまでの間の給付措置はできるだけ早い時期に実行する必要がある」と述べました。
一方、消費税の税収が社会保障の財源にあてられていることから、消費税率の引き下げを行う場合の対応を問われたのに対し「仮に消費税減税を考えるのであれば、代替の社会保障財源を同時に示すことは当然必要だ」と述べました。
立民 有志ら “消費税率5%に引き下げ” 執行部に申し入れへ
一方、立憲民主党では、末松義規衆議院議員らが、消費税の減税などを目指した勉強会を立ち上げて議論を重ねています。
国会内で開かれた11日の会合の冒頭、末松氏は「トランプ政権の関税措置で日本の産業も苦しみ、国民生活がどんどん悪くなる中、物価を下げてほしいという切実な要求がある。党幹部の考え方もかなり柔軟になってきているとも言われているので私たちの要求を実現してほしい」と述べました。
そして、これまでの議論を踏まえ、消費税率を当分の間、5%に引き下げる一方、必要となる財源は歳出改革や法人税の引き上げなどによって確保するとした執行部への提言案を示し、大筋で了承されました。
末松氏らは、提言の最終的な文言を調整した上で、執行部に対し緊急の経済政策として打ち出すよう申し入れることにしています。
一方、党内では江田元代表代行らも消費税の減税を目指した勉強会を立ち上げていて、物価上昇が続く当分の間は、緊急対策として食料品にかかる消費税をなくすことなどを求めています。
立民 野田代表 消費減税は “物価高対策の一つの方向性”
野田代表は記者会見で、消費税の減税はアメリカの関税措置や物価高への対策となり得るかを問われ、「関税措置の影響への対応はよく分析していかないといけない。ただ、物価高対策が依然として必要な中では、一つの政策の方向性だとは思う」と述べました。
また、公明党の斉藤代表が減税が実現するまでのつなぎの措置として現金給付を検討すべきだという考えを示していることについて「かつての3党合意の当事者からそういう発言が出てきたことは、今の状況への危機感のあらわれなのかもしれない」と述べました。
国民 榛葉幹事長 “消費税率引き下げなど できること全部を”
国民民主党の榛葉幹事長は記者会見で「国難とも言える危機を乗り越えるために、しっかりと経済対策を打ってほしい。政府には消費税率の一律5%への引き下げなど、できることは全部やってほしい」と述べました。
共産 山添政策委員長 “暮らし大変 今からでも消費減税を”
共産党の山添政策委員長は記者会見で「私たちは『トランプ関税』が問題になる以前から物価高で暮らしも大変なので消費税の減税を求めてきたが、その際、政府与党は一切応じなかった。『今頃か』というのが率直な感想だが、今からでも消費税は減税するべきで、税率を緊急に5%に引き下げることなどを求めていきたい」と述べました。
林官房長官 “消費税は社会保障支える 引き下げ適当ではない”
林官房長官は午後の記者会見で「消費税は、急速な高齢化などに伴い社会保障給付費が大きく増加する中で全世代型社会保障制度を支える重要な財源と位置づけられており、政府として税率を引き下げることは適当ではないと考えている」と述べました。
その上で「今年度予算も成立したばかりであり、新たな給付金や減税といった補正予算や経済対策を検討している事実はないが、適切な対応を取っていきたい」と述べました。
そして「物価高への対応は、昨年度の補正予算や今年度予算に盛り込んだあらゆる政策を総動員して取り組む。アメリカの関税措置については、まず影響を十分に分析することが重要で、その上で必要な対策を講じていく」と説明しました。