22日午後8時ごろ、JR長野駅の善光寺口のバスロータリー付近で、30代から40代の男性2人と女性1人のあわせて3人が男に刃物のようなもので背中や腹を刺されました。
警察によりますと、このうち長野市の会社員、丸山浩由さん(49)が意識不明の状態で病院に搬送されましたが、その後、死亡しました。
また、いずれも長野市の、37歳の会社員の男性は意識はありますがけがの程度は重く、46歳の会社員の女性も軽いけがをしているということです。
調べによりますと、刺した男は徒歩で逃走し、すぐ近くにあるホテルの方向に行ったあと、再び駅前をうろついていたのが確認されているということです。
刺された3人はバスを待っていたということで、男と面識はないとみられることから、警察は通り魔事件とみて、殺人などの疑いで行方を捜査しています。
警察 防犯カメラの画像を3種類公開
この事件で長野県警察本部は、JR長野駅周辺に設置された防犯カメラに写っていた、事件に関わったとみられる男の画像、3種類を公開しました。
このうちの1枚には、頭に白い布のようなものをかぶり、白い手袋のようなものをしている男が走り去る様子が写っています。
また別の画像では、男が右手に何かを持っているようにも見えます。
警察によりますと、男は
▽中年のやせ形で
▽身長は1メートル70センチ前後
▽めがねをかけていて
▽ジャンパーのようなものを着ていて、長ズボンだったということです。
専用のフリーダイヤルで情報提供呼びかけ
長野県警は男の行方を捜査するとともに、長野中央警察署に専用のフリーダイヤルを設置して情報の提供も呼びかけています。
電話番号は0120-007-285で、24時間受け付けています。
事件目撃し 通報した男性「次のターゲット探し さまよう感じ」
事件を目撃し、最初に警察に通報した男性によりますと、3人を刺した男が持っていた刃物のようなものは刃渡り20センチほどで、細くて長い刺身包丁に似た形状だったということです。
また、男が3人を刺したあとの様子について「駅の前をふらつき、次のターゲットを探してさまよう感じだった」と話しています。
男性は現場近くに子どもと一緒にいたということで「私と子どもに刃物のようなものが向いた瞬間があった。自分の身や家族を守るのに精いっぱいだった」と話していました。
事件直後に現場訪れた人は
事件が起きた直後、仕事から帰宅するためにバスに乗ろうと長野駅を訪れた20代の男性は「善光寺口のバス停にある3番乗り場近くで、40代か50代の男性が左の脇腹から出血して血だらけで倒れていて、居合わせた男性が心臓マッサージをしていました。その後、到着した救急隊員に運ばれるときも男性は意識がない様子でした」と話していました。
男性によりますと、このバス停は事件が起きた時間帯は2、30人ほどが駅の入り口近くまで並ぶこともあるということで「ふだんこのバス停を利用していますが、早く帰っていたら巻き込まれたかもしれず、怖いです」と話していました。
事件が起きた直後に長野駅を友人と訪れた20代の大学生は「駅前の交差点を駅に向かって渡ろうとしたところ、警察官がたくさん来ていて、なんだろうと思っていたら、駅の入り口に血だらけの50代くらいの男性が倒れていて、救急隊員が救助活動を行っていました。誰かが刺されたような現場の様子で、悲鳴はありませんでしたが、ショックを受けている人がいました。私は長野が地元で、関東の大学からきょう帰省をしてきたのですが、まさか地元でこんなことが起きるとは思っておらず、ショックです」と話していました。
友人の20代の男性は「刺された人は1人は駅の入り口で、もう1人はバス停のあたりにいる様子でした。救急隊員が『もう少し応援がほしい』とか『3人が乗る』などと尋常じゃない様子で言っていました。いつも長野駅を使いますし、犯人が捕まっていないので、本当に怖いです」と話していました。
長野市内の公立小中 休校などせずも“登校控えてもかまわない”
事件を受けて、長野市教育委員会は、市内の公立の小中学校について、23日は休校などの措置はとらず通常どおりの登校にするとしたうえで、登校時に教職員が見守りを行うほか、保護者にも可能な範囲で付き添うよう呼びかけています。
また、不安を感じる場合は登校を控えてもかまわないとし、欠席扱いにはしないとしています。