日本新聞: 洋上風力発電建設コスト上昇で次回公募から制度変更へ経産省

洋上ようじょう風力ふうりょく発電はつでん建設けんせつコスト上昇じょうしょうで次回じかい公募こうぼから制度せいど変更へんこうへ経けい産さん省しょう

Jan 28, 2025 05:01 1

Furigana

国くにが再生さいせい可能かのうエネルギー拡大かくだいの柱はしらに位置いちづけている洋上ようじょう風力ふうりょく発電はつでんについて、経済けいざい産業さんぎょう省しょうは建設けんせつコストの上昇じょうしょうが今後こんごの拡大かくだいの妨さまたげになるおそれがあるとして、次回じかいの公募こうぼからコストの上昇じょうしょう分ぶんの一部いちぶを電力でんりょく価格かかくに上乗うわのせできるよう制度せいどを変更へんこうする方針ほうしんを決きめました。

12月つきにまとまった国くにの新あたらしいエネルギー基本きほん計画けいかくの案あんでは、2040年度ねんどに再生さいせい可能かのうエネルギーが最大さいだいの電源でんげんになると位置いちづけられていて、洋上ようじょう風力ふうりょく発電はつでんはその柱はしらとして期待きたいされています。

しかし、洋上ようじょう風力ふうりょくは設置せっちにかかるコストが大おおきいうえ、最近さいきんの資材しざい価格かかくの高騰こうとうで発電はつでんを開始かいししても採算さいさんが合あわなくなる可能かのう性せいがあると指摘してきされていました。

こうした中なか、経済けいざい産業さんぎょう省しょうは国くにが指定していした海域かいいきで行おこなわれる次回じかいの事業じぎょう者しゃの公募こうぼから建設けんせつコストの上昇じょうしょう分ぶんの一部いちぶを電力でんりょくの買い取かいとり価格かかくに上乗うわのせできるよう制度せいどを変更へんこうする方針ほうしんを決きめました。

具体ぐたい的てきには、企業きぎょう物価ぶっか指数しすうなどの上昇じょうしょう率りつをもとに価格かかくに反映はんえいさせる考かんがえで、今回こんかいの対応たいおうによって公募こうぼに応おうじる事業じぎょう者しゃを増ふやし、洋上ようじょう風力ふうりょくの拡大かくだいを後押あとおししたいとしています。

資材しざい価格かかくの高騰こうとうで採算さいさんとりにくく

洋上ようじょう風力ふうりょく発電はつでんをめぐっては、脱だつ炭素たんそに向むけた取り組とりくみの一環いっかんとして、世界せかいで開発かいはつが進すすむ一方いっぽう、資材しざい価格かかくの高騰こうとうで開発かいはつコストが上昇じょうしょうし、採算さいさんがとりにくくなっています。

経済けいざい産業さんぎょう省しょうによりますと、アメリカでは事業じぎょうから撤退てったいする動うごきが相次あいついでいるほか、日本にっぽんの発電はつでん事業じぎょう者しゃの「JERA」も12月つき、イギリスの「bp」との間まで効率こうりつ化かのため風力ふうりょく発電はつでん事業じぎょうを統合とうごうすると発表はっぴょうしました。

JERAの矢島やじま聡さとし常務じょうむはこの時ときの会見かいけんで「資材しざいが相当そうとう上あがってきていて、当初とうしょもくろんでいた採算さいさん性せいが難むずかしくなってきている」と話はなしていました。

経済けいざい産業さんぎょう省しょうによりますと、国内こくないにおける洋上ようじょう風力ふうりょくの開発かいはつコストは2018年ねんと比くらべて去年きょねんは40％程度ていど上昇じょうしょうしたということです。

大手おおて電力でんりょく会社かいしゃで作つくる電気でんき事業じぎょう連合れんごう会かいの林はやし欣吾きんご会長かいちょうは、1月つきの会見かいけんで「インフレやサプライチェーンの先細さきぼそりで洋上ようじょう風力ふうりょく発電はつでんはビジネスとして非常ひじょうに厳きびしい状況じょうきょうだ。行政ぎょうせいに対にたいして投資とうし環境かんきょうの改善かいぜんや資金しきん的てきに後押あとおしする制度せいどを求もとめていきたい」と話はなしていました。