森友もりとも学園がくえんめぐる文書ぶんしょの不ふ開示かいじの決定けっていを取り消とりけす判決はんけつ 大阪おおさか高裁こうさい

森友もりとも学園がくえんに関にかんする財務省ざいむしょうの決裁けっさい文書ぶんしょの改かいざんに関与かんよさせられ自殺じさつした近畿きんき財務局ざいむきょくの職員しょくいん、赤木あかぎ俊夫としおさん（当時とうじ54）の妻つまの雅子まさこさんは4年ねん前まえ、一連いちれんの捜査そうさの過程かていで財務省ざいむしょうが検察けんさつに任意にんいで提出ていしゅつした文書ぶんしょを開示かいじするよう求もとめましたが、財務省ざいむしょうは文書ぶんしょの存否そんぴも明あきらかにせず、不ふ開示かいじとする決定けっていをしました。

雅子まさこさんは決定けっていの取り消とりけしを求もとめて訴うったえを起おこし、1審しんの大阪おおさか地方ちほう裁判所さいばんしょは2023年ねん9月つき、「文書ぶんしょが存在そんざいするかどうかを明あきらかにした場合ばあい、行政ぎょうせい機関きかんが捜査そうさ対象たいしょうとなる事件じけんで捜査そうさの内容ないようなどが推定すいていされ、将来しょうらいの刑事けいじ事件じけんの捜査そうさに支障ししょうが及およぶおそれがある」として訴うったえを退しりぞけました。

30日にちの2審しんの判決はんけつで大阪おおさか高等こうとう裁判所さいばんしょの牧まき賢二けんじ裁判さいばん長ちょうは、文書ぶんしょの存否そんぴも明あきらかにせず不ふ開示かいじとした決定けっていを取り消とりけす判決はんけつを言い渡いいわたしました。

雅子まさこさんは、今回こんかいの裁判さいばんとは別べつに、不ふ開示かいじの決定けっていの取り消とりけしを求もとめる審査しんさ請求せいきゅうを行おこない、総務そうむ省しょうの「情報じょうほう公開こうかい・個人こじん情報じょうほう保護ほご審査しんさ会かい」は去年きょねん3月つき、決定けっていを取り消とりけすよう答申とうしんしましたが、財務省ざいむしょうは再ふたたび文書ぶんしょの存否そんぴを明あきらかにせず不ふ開示かいじとしていて、大阪おおさか高裁こうさいの判断はんだんが注目ちゅうもくされていました。

妻つまの雅子まさこさん「国くには上告じょうこくせずに判決はんけつに従したがってほしい」

判決はんけつが言い渡いいわたされたあと、妻つまの雅子まさこさんが俊夫としおさんの写真しゃしんを抱かかえて報道陣ほうどうじんの取材しゅざいに応おうじ、「今いままでの苦労くろうが報むくわれて夫おっとも喜よろこんでいると思おもいます」と話はなしました。

その上うえで、「国くには上告じょうこくせずに判決はんけつに従したがってほしい。改かいざんを誰だれが決きめて指示しじしたのか、何なにのために改かいざんしたのかを知しりたいので、しっかり開示かいじしてほしい」と述のべました。

林はやし官房かんぼう長官ちょうかん「内容ないようを精査せいさし適切てきせつに対応たいおう」

林はやし官房かんぼう長官ちょうかんは午後ごごの記者きしゃ会見かいけんで「元もと近畿きんき財務局ざいむきょく職員しょくいんの赤木あかぎ俊夫としおさんがお亡なくなりになったことについては謹つつしんでお悔おくやみを申し上もうしあげたい。判決はんけつでは国くに側がわの主張しゅちょうが認みとめられなかったものと承知しょうちしており、今後こんご、関係かんけい省庁しょうちょうで内容ないようを精査せいさし適切てきせつに対応たいおうする」と述のべました。

森友もりとも学園がくえんめぐる文書ぶんしょ これまでの経緯けいいは

近畿きんき財務局ざいむきょくの赤木あかぎ俊夫としおさんが、職場しょくばに残のこしたいわゆる「赤木あかぎファイル」は、妻つまの雅子まさこさんが国くになどを訴うったえた裁判さいばんで、2021年ねん6月つきに一部いちぶを黒くろ塗ぬりにされたうえで開示かいじされました。

ファイルには、財務省ざいむしょう職員しょくいんが改かいざんを指示しじするメールなどが含ふくまれていましたが、改かいざんの理由りゆうなどを具体ぐたい的てきに示しめす内容ないようはありませんでした。

雅子まさこさんは、改かいざんの経緯けいいを明あきらかにするため一連いちれんの捜査そうさの過程かていで財務省ざいむしょうが検察けんさつに任意にんいで提出ていしゅつした文書ぶんしょの開示かいじを求もとめて情報じょうほう公開こうかい請求せいきゅうをしましたが、財務省ざいむしょうは「文書ぶんしょが存在そんざいするか否いなかを答こたえるだけで捜査そうさ機関きかんの活動かつどう内容ないようを明あきらかにすることになる」として開示かいじしませんでした。

このため、雅子まさこさんは2021年ねん10月つき、国くにに対にたいして決定けっていの取り消とりけしを求もとめる訴うったえを起おこしました。

2023年ねん9月つき、1審しんの大阪おおさか地方ちほう裁判所さいばんしょは国くに側がわの主張しゅちょうを認みとめて訴うったえを退しりぞけたため、雅子まさこさん側がわが控訴こうそしていました。

一方いっぽう、雅子まさこさんが裁判さいばんとは別べつに行いった審査しんさ請求せいきゅうで、総務そうむ省しょうの「情報じょうほう公開こうかい・個人こじん情報じょうほう保護ほご審査しんさ会かい」は、去年きょねん3月つき、「仮かりに文書ぶんしょの存否そんぴを答こたえたとしても、判明はんめいするのは財務省ざいむしょうが何なんらかの文書ぶんしょを検察けんさつに任意にんい提出ていしゅつした事実じじつの有無うむにとどまる。具体ぐたい的てきな捜査そうさの内容ないようなどを開示かいじするものとはいえず、捜査そうさに支障ししょうを及およぼすおそれがあるとは認みとめられない」として決定けっていを取り消とりけすよう答申とうしんしました。

しかし、答申とうしんに法的ほうてき拘束こうそく力りょくはなく、財務省ざいむしょうは去年きょねん5月つき、再ふたたび文書ぶんしょの存否そんぴを明あきらかにせず不ふ開示かいじとしていました。