そのうえで、会合全体の成果として「価値観を共有するG7の財務大臣が対面で本音の交渉を行い、一致して世界の経済をリードする力強いメッセージを発信することができた」と述べました。
このうち、グローバル企業への課税強化は音楽の配信サービスやオンライン広告など、経済のデジタル化に伴って国境を越えた事業展開が加速する中、国内に拠点を置いているかどうかを基準とする従来のルールでは適正な課税ができないという問題意識が根底にあります。 新たなルールによる課税の対象とする企業について、各国は、アメリカの提案に基づいて▼業種は問わず、▼一定規模以上の売り上げがあり、▼売り上げに占める利益の割合=利益率が高い企業として、100社程度に絞ることなどを議論してきました。 こうした企業の利益の一部に課税し、その税収を国ごとの売り上げに応じて配分する仕組みが検討されています。 利益率の高い企業に課税対象を絞ると、アメリカの巨大IT企業やヨーロッパの製薬大手などが含まれる一方、日本企業の多くは外れる公算が大きいとみられています。 もう1つの法人税の最低税率の議論は、▼企業が税率の低い国や地域に利益を移して課税を逃れる動きや、▼各国が企業を誘致するために税率を競うように引き下げる流れに歯止めをかける狙いがあります。 最低税率の水準については、当初、高い水準を目指していたアメリカが先月になって15%を下限とすることを提案し、各国から歩み寄りを歓迎する意向が示されていました。 今後は低い税率で企業を誘致してきたアイルランドやシンガポールなどとの溝を埋められるかが焦点となりそうです。
国際課税の議論のねらいは
G7の財務大臣会合は、イギリスのロンドンで4日から2日間の日程で行われ、国際的な課税ルールづくりが焦点になりました。
会議の終了後に発表された声明によりますと、法人税の引き下げ競争に歯止めをかけるための共通の最低税率について、「15%を下限とする最低税率の導入を目指すことで一致した」と盛り込みました。
最低税率を15%以上とするのは、先月、アメリカが示していた案が支持された形です。
また、グローバル企業に対する課税強化については、利益率の高い企業を対象とし、利益の一部に課税して国ごとに公平に配分するルールの導入を目指すことで一致しました。
G7各国が結束を示したことで、今月末にOECDの加盟国を中心におよそ140の国や地域が参加して開かれる交渉会合や、来月のG20での合意に向けて、弾みがつくことになりそうです。
麻生財務大臣「よくここまで来られた」










