また「容疑者の身柄を確保をした際に刃物を所持していた。事件に使われたものかどうかはわからない」と説明しました。
容疑者を特定した経緯について「被害者と交際していた容疑者がストーカー規制法に基づく禁止命令や警告を受けていたこと、防犯カメラ映像の追跡によって特定した」と述べました。
福岡県警は「今回、警察がとった措置については適切な対応だったと考えている。結果的に被害者が死亡したことについては、非常に残念でならない」などと説明しました。
容疑者を確保した経緯について「中洲で発見したあと、古門戸町で確保した。特段、抵抗する様子はなかった」と述べました。
福岡県警は、寺内容疑者が川野さんとどのような関係だったかについて「元交際相手で、別れ話、つきまといがあったことは把握している」と述べました。
捜査関係者によりますと、去年10月ごろ、川野さんから警察に対し「別れた元交際相手に携帯電話を取られた」とか「職場に電話がかかってくる」といった相談が寄せられたということです。 これを受けて、警察は、寺内容疑者に対し、口頭や文書による警告を複数回行ったということです。 そのうえで、翌11月には、川野さんの意向を確認したうえで、ストーカー規制法に基づき、つきまといなどを禁じる「禁止命令」を出しました。 命令書を受け取った際、寺内容疑者は素直に従う様子だったということです。 また、事件の10日前となる今月6日に警察官が川野さんに連絡を取ったところ「禁止命令」に反するようなストーカー行為などは確認されなかったということです。 この間、警察は、川野さんの自宅の周辺でパトロールを強化するなどの対応を取っていましたが、事件を防ぐことはできませんでした。
NHKが17日撮影した映像では、鑑識作業を行う警察官が機材などを持って関係先の建物の中に入っていく様子が確認できます。
捜査関係者によりますと、川野さんと元交際相手は仕事上のつながりで知り合ったとみられ、警察は相談の内容から緊急性がある事案と判断し、去年秋ごろには那珂川市を管轄する警察署から元交際相手に対し、ストーカー規制法に基づきつきまといなどを禁じる「禁止命令」を出していたということです。 警察は、川野さんの自宅周辺のパトロールを行ったり、定期的に連絡を取ったりしていたということです。
誕生日のメッセージカードを手向けた女性は「被害者の女性と知り合いではありませんが、私がこの現場の地下にある地下街で長年、働いていたので、『こんなところでこんな事件が起きるなんて夢にも思ってなかったでしょ』という思いで置きました」と話していました。 女性は容疑者の身柄が警察に確保されたと聞いて18日に2度、現場を訪れ手を合わせたということです。 花を手向けに訪れた近くに住む女性は「ニュースを知ってショックでした。同じ女性として、どんなに怖い思いをしたんだろうと思うと何とも言えない気持ちになりました。哀悼の気持ちを形で示したいと思って来ました」と話していました。 また、70代の男性は「私にも同じくらいの娘がいましたが、病気で急に亡くなりました。それと同じくらい家族にとっては突然の出来事で大変つらいことだと思います。事件当日、1時間前に現場を通っていたこともあってぜひ手を合わせたいと思って来ました」と話していました。
▽2011年に長崎県西海市で男が元交際相手の家族2人を殺害した事件や ▽2013年に東京・三鷹市で女子高校生が元交際相手の男に殺害された事件、 ▽2016年に東京・小金井市のライブ会場で音楽活動をしていた女子大学生がファンの男にナイフで刺され大けがをした事件などでは、被害者や家族が事前に警察へ相談しながら襲撃を防ぐことができず、警察の対応が問われました。 この間、ストーカー規制法の一部が改正され▽相手に拒まれたにもかかわらず電子メールを繰り返し送る行為を「つきまとい」などの違反行為に追加したほか、▽被害者の自宅周辺を「うろつく」行為も取締りの対象にするなど、対策が強化されてきました。 しかし、ストーカーによる被害は歯止めがかかっておらず、警察庁によりますと、警察に寄せられた被害の相談や通報は、2021年は全国で1万9728件で、2017年のおよそ2万3000件をピークに減少傾向にあるものの、この10年ほどは2万件前後で推移しています。 また、ストーカー規制法違反などで警察が検挙した事件は2021年は2518件で、前の年に比べ15件増えています。 今回の事件のように、規制法に基づく「禁止命令」を出しながら、被害を防げなかったケースも起きています。
一定の抑止効果はあるものの、被害を防ぐには限界があるのが現状で、課題が浮き彫りになっています。
警察 事件10日前に女性に連絡も禁止行為確認されず
元交際相手の関係先を捜索
相談の経緯と警察の対応は
現場には誕生日のメッセージも
亡くなった女性と同じ会社の同僚「早く真相解明を」
容疑者と同じアパートに住む男性「殺すぞという声も」
ストーカー対策強化の経緯