日本製鉄は、被ばくした男性社員2人がおととし12月末までに医療施設を退院したことを明らかにしましたが、詳しい容体などは個人情報に関わるとして明らかにしていません。
関係者によりますと、おととし5月、兵庫県姫路市にある日本製鉄の工場で、製品の厚さを測定するエックス線装置の点検を行った男性社員2人が体調不良を訴えました。
法令で定められている年間の限度量を大幅に超える被ばくをしたとみられ、高度な被ばく医療を提供する広島大学の医療施設で検査や治療を受けました。
事故を受け、姫路労働基準監督署が安全管理の状況を調べたところ、現場では、法令に定められているにもかかわらず、エックス線装置の稼働を作業員に知らせるための対策や、放射線測定器の装着を作業員に促す措置がとられていなかった疑いがあることが分かりました。
このため労働基準監督署は、法人としての「日本製鉄」とエックス線装置の管理責任者を務める50代の社員について、必要な安全管理を怠っていたとして、20日、労働安全衛生法違反の疑いで書類送検しました。
また、調査では被ばくした2人が、およそ20分間にわたってエックス線が出たままの状態で現場で作業にあたっていた可能性があることも分かったということです。
日本製鉄「事故の再発防止に向けて安全を尽くす」

NHKの取材に対し、日本製鉄の担当者は「送検の事実がまだ確認できていないためこれから確認します。引き続き、関係当局へは誠実に対応してまいります。事故の発生後も再発防止の対策を実施してきましたが、今後も事故の再発防止に向けて、安全を尽くしてまいります」と話しています。
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