Actualités japonaises: 首相施政方針演説 “少子化対策は最重要政策防衛力強化も”

岸田きしだ総理そうり大臣だいじんは通常つうじょう国会こっかい初日しょにちの23日にち、施政しせい方針ほうしん演説えんぜつを行おこないました。

少子しょうし化か対策たいさくは待まったなしの課題かだいだとして、最さい重要じゅうよう政策せいさくに位置いちづけ、内容ないようの具体ぐたい化かと安定あんてい的てきな財源ざいげんの検討けんとうを進すすめる考かんがえを示しめしました。また防衛ぼうえい力りょく強化きょうかの必要ひつよう性せいを強調きょうちょうし、不足ふそくする財源ざいげんは増税ぞうぜいで賄まかなう方針ほうしんを重かさねて示しめしました。

“新しん時代じだいの国くにづくり安定あんていした国際こくさい秩序ちつじょづくりを”

冒頭ぼうとう、岸田きしだ総理そうり大臣だいじんは、「近代きんだい日本にっぽんにとって、大おおきな時代じだいの転換てんかん点てんは明治めいじ維新いしんとその77年ねん後ごの大戦たいせんの終戦しゅうせんの2回かいあった。そして、くしくもそれから77年ねんがたった今たったいま、再ふたたび歴史れきしの分岐ぶんき点てんに立たっている」と述のべました。

そのうえで、「これまでの時代じだいの常識じょうしきを捨て去すてさり、強つよい覚悟かくごと時代じだいを見通みとおすビジョンをもって新あらたな時代じだいにふさわしい社会しゃかい、経済けいざい、国際こくさい秩序ちつじょを創つくりあげていかねばならない。力ちからをあわせて、ともに、新しん時代じだいの国くにづくり、安定あんていした国際こくさい秩序ちつじょづくりを進すすめていこうではないか」と呼よびかけました。

“防衛ぼうえい力りょくの抜本ばっぽん的てきな強化きょうか着実ちゃくじつに進すすめる”

そして、防衛ぼうえい力りょくの抜本ばっぽん的てきな強化きょうかをめぐり、5年間ねんかんで43兆ちょう円えんの防衛ぼうえい予算よさんを確保かくほし、「反撃はんげき能力のうりょく」の保有ほゆうを含ふくめた取り組とりくみを、着実ちゃくじつに進すすめていくと説明せつめいし、「こうした取り組とりくみは、将来しょうらいにわたって維持いじ・強化きょうかしていかなければならない」と述のべました。

防衛ぼうえい予算よさんの財源ざいげんのうち、およそ4分ぶんの1は行財政ぎょうざいせい改革かいかくを行おこなっても不足ふそくするとして、「今いまを生いきるわれわれが将来しょうらい世代せだいへの責任せきにんとして対応たいおうしていく」と述のべ、増税ぞうぜいで賄まかなう方針ほうしんを重かさねて示しめしました。

“物価ぶっか上昇じょうしょうを上回うわまわる賃上ちんあげの実現じつげんを図はかる”

また、物価ぶっか高だか対応たいおうにちゅうちょなく取り組とりくむとともにみずからが掲かかげる「新あたらしい資本しほん主義しゅぎ」のもとで、物価ぶっか上昇じょうしょうを上回うわまわる賃上ちんあげの実現じつげんを図はかると強調きょうちょうしました。

賃上ちんあげを持続じぞく的てきなものにするため、希望きぼう者しゃの雇用こようの正規せいき化かや、リスキリング＝学まなび直なおしによる能力のうりょく向上こうじょう支援しえん、それに、年功ねんこう賃金ちんぎんの見直みなおしなどによる労働ろうどう市場しじょう改革かいかくを、加速かそくさせる方針ほうしんを示しめしました。

年功ねんこう賃金ちんぎんの見直みなおしについては、「ことし6月つきまでに日本にっぽん企業きぎょうにあった『職務しょくむ給きゅう』の導入どうにゅう方法ほうほうを類型るいけい化かし、モデルを示しめす」と述のべました。

このほか、経済けいざいの好こう循環じゅんかんをつくるため、GX＝グリーントランスフォーメーションやデジタル、それにスタートアップなど、各かく分野ぶんやでの投資とうしや改革かいかくを進すすめていく考かんがえを示しめしました。

そして、エネルギーの安定あんてい供給きょうきゅうをめぐり、安全あんぜんの確保かくほと地域ちいきの理解りかいを大前提だいぜんていに、原子力げんしりょく発電はつでん所しょの次世代じせだい革新かくしん炉ろへの建て替たてかえや、一定いってい期間きかんの運転うんてんの延長えんちょうを進すすめていくと説明せつめいしました。

“最さい重要じゅうよう政策せいさくは子こども・子育こそだて政策せいさく”

一方いっぽう、「ことし、『新あたらしい資本しほん主義しゅぎ』の取り組とりくみを次つぎの段階だんかいに進すすめたい。経済けいざい社会しゃかいの『持続じぞく性せい』と『包摂ほうせつ性せい』を考かんがえるうえで最さい重要じゅうよう政策せいさくと位置いちづけているのが子こども・子育こそだて政策せいさくだ」と述のべました。

そのうえで「急速きゅうそくに進展しんてんする少子しょうし化かで去年きょねんの出生しゅっしょう数すうは80万まん人にんを割り込わりこむと見込みこまれ、わが国わがくには社会しゃかい機能きのうを維持いじできるかどうかの瀬戸際せとぎわと呼よぶべき状況じょうきょうに置おかれており、待まったなしの課題かだいだ。『こどもファースト』の経済けいざい社会しゃかいを作り上つくりあげ、出生しゅっしょう率りつを反転はんてんさせなければならない。従来じゅうらいとは次元じげんの異ことなる少子しょうし化か対策たいさくを実現じつげんしたい」と述のべ、内容ないようの具体ぐたい化かと安定あんてい的てきな財源ざいげんの検討けんとうを進すすめる方針ほうしんを表明ひょうめいしました。

また、地方ちほう創そう生せいも経済けいざい再生さいせいの源みなもとだとして、観光かんこうや農業のうぎょうを含ふくめた産業さんぎょう活性かっせい化かやデジタル化かの支援しえんに力ちからを入いれていくと説明せつめいしました。

さらに、ことし、関東かんとう大震災だいしんさいから100年ねんとなることも踏ふまえ、新あらたな国土こくど強きょうじん化か基本きほん計画けいかくを策定さくていする方針ほうしんを示しめしたほか、引き続ひきつづき福島ふくしまの復興ふっこうに全力ぜんりょくをあげる考かんがえを示しめしました。

新型しんがたコロナ対応たいおう

このほか新型しんがたコロナ対応たいおうをめぐり、日常にちじょうを取り戻とりもどす取り組とりくみを進すすめていくとして、原則げんそく、ことしの春はるに感染かんせん症しょう法ほう上じょうの位置いちづけを季節きせつ性せいインフルエンザなどと同おなじ「5類るい」に移行いこうする方向ほうこうで検討けんとうを進すすめ、マスク着用ちゃくようの在り方ありかたについても考え方かんがえかたを整理せいりすると説明せつめいしました。

外交がいこう・安全あんぜん保障ほしょう政策せいさく

外交がいこう・安全あんぜん保障ほしょう政策せいさくについては「『歴史れきしの分岐ぶんき点てん』を迎むかえる中なか、国益こくえきを守り抜まもりぬくため、積極せっきょく的てきかつ力強ちからづよく『新しん時代じだいリアリズム外交がいこう』を展開てんかいしていく」と述のべ、G7＝主要しゅよう7か国かこくの議長ぎちょう国こくとして世界せかいの平和へいわと繁栄はんえいに向むけた取り組とりくみを主導しゅどうする決意けついを示しめしました。

そのうえで、5月つきの「広島ひろしまサミット」に向むけてロシアのウクライナ侵攻しんこうのほか、エネルギー・食料しょくりょう危機ききなど、世界せかい的てきな課題かだいへの対応たいおうで、G7各国かっこくで一致いっち結束けっそくするとともに「核兵器かくへいきのない世界せかい」の実現じつげんに向むけ、現実げんじつ的てきな取り組とりくみを進すすめていく考かんがえを示しめしました。

また2国こく間かん関係かんけいについて、

▽外交がいこうの基軸きじくは日にち米べい関係かんけいだとして日にち米べい同盟どうめいの抑止よくし力りょく・対処たいしょ力りょくを一層いっそう強化きょうかするほか、サプライチェーンの強きょうじん化かや半導体はんどうたいに関にかんする協力きょうりょくなど、経済けいざい安全あんぜん保障ほしょう分野ぶんやの連携れんけいに取り組とりくむ考かんがえを示しめしました。

▽中国ちゅうごくに対にたいしては、「東シナ海ひがししなかいや南シナ海みなみしなかいにおける力ちからによる一方いっぽう的てきな現状げんじょう変更へんこうの試こころみを含ふくめ、主張しゅちょうすべきは主張しゅちょうし、責任せきにんある行動こうどうを強つよく求もとめていく」と述のべ、首脳しゅのう間かんをはじめとする対話たいわを重かさね、建設けんせつ的てきかつ安定あんてい的てきな関係かんけい構築こうちくを目指めざす考かんがえを示しめしました。

▽韓国かんこくとの関係かんけいについては、さまざまな課題かだいへの対応たいおうに協力きょうりょくすべき重要じゅうような隣国りんごくだとしたうえで「健全けんぜんな関係かんけいに戻もどし発展はってんさせていくため、緊密きんみつに意志いし疎通そつうしていく」と述のべました。

▽日にちロ関係かんけいについては、「ウクライナ侵略しんりゃくにより厳きびしい状況じょうきょうにあるが、引き続ひきつづき領土りょうど問題もんだいを解決かいけつして平和へいわ条約じょうやくを締結ていけつするとの方針ほうしんを堅持けんじする」と述のべ、

▽北朝鮮きたちょうせんに対にたいしては弾道だんどうミサイル発射はっしゃを容認ようにんしない姿勢しせいを示しめす一方いっぽう、拉致らち被害ひがい者しゃの帰国きこくの実現じつげんに向むけ全力ぜんりょくで取り組とりくむ考かんがえを示しめしました。

憲法けんぽう改正かいせい

憲法けんぽう改正かいせいについては「先送さきおくりできない課題かだいだ。この国会こっかいで、制定せいてい以来いらい初はじめてとなる改正かいせいに向むけ、より一層いっそう議論ぎろんを深ふかめてもらえることを心こころより期待きたいする」と述のべました。

閣僚かくりょう相次あいつぎ辞任じにん“再発さいはつ防止ぼうしに取り組とりくむ”

一方いっぽう、旧きゅう統一とういつ教会きょうかいとの関係かんけいや政治せいじとカネの問題もんだいなどで去年きょねん閣僚かくりょうが相次あいついで辞任じにんしたことをめぐり「国民こくみんから厳きびしい声こえをいただいたことを重おもく受け止うけとめている。信頼しんらいこそが政治せいじのいちばん大切たいせつな基盤きばんだと考かんがえてきた1人にんの政治せいじ家かとして、ざんきに堪こたえない」と述のべ、再発さいはつ防止ぼうしに取り組とりくむと強調きょうちょうしました。

そして最後さいごに「日本にっぽんという国くにを次つぎの世代せだいに引き継ひきついでいくために、これからも私わたしに課かせられた歴史れきし的てきな使命しめいを果はたすため全身ぜんしん全霊ぜんれいを尽つくす」と述のべました。