日本新聞: 母子健康手帳見直し発育曲線グラフ小さく生まれた子に対応

母子ぼし健康けんこう手帳てちょう見直みなおし発育はついく曲線きょくせんグラフ小ちいさく生うまれた子こに対応たいおう

Mar 23, 2025 15:03

Furigana

1000グラム未満みまんで生うまれた「超ちょう低てい出生しゅっしょう体重たいじゅう児じ」の子こどもの親おやの要望ようぼうなどを踏ふまえ、こども家庭かてい庁ちょうは母子ぼし健康けんこう手帳てちょうの発育はついく曲線きょくせんのグラフをすべての子こどもに対応たいおうする形かたちに見直みなおし、来月らいげつから配付はいふすることになりました。

出生しゅっしょう時じの平均へいきん体重たいじゅうは3000グラムほどで推移すいいし、子こどもの発育はついく状況じょうきょうなどを記しるす母子ぼし健康けんこう手帳てちょうは、これまで発育はついく曲線きょくせんのグラフの目盛めもりは1000グラムから始はじまっていました。

しかし、1000グラム未満みまんの「超ちょう低てい出生しゅっしょう体重たいじゅう児じ」は毎年まいとし2500人にん程度ていど生うまれ、出生しゅっしょう数すう全体ぜんたいの一定いっていの割合わりあいを占しめているほか、医療いりょうの進歩しんぽで500グラム未満みまんで生うまれた子こどもの生存せいぞん率りつは60％に高たかまっています。

こうした中なか、小ちいさく生うまれた子こどもの親おやなどを中心ちゅうしんに母子ぼし健康けんこう手帳てちょうのグラフをすべての子こどもに対応たいおうした形かたちにしてほしいとの声こえが数多かずおおくあがっていました。

こうした声こえを踏ふまえ、こども家庭かてい庁ちょうは、10年ねんをめどに行おこなわれている発育はついく曲線きょくせんのグラフの改訂かいていにあわせ、目盛めもりの最小さいしょう値ちを体重たいじゅうは0から、そして身長しんちょうは40センチだったのを20センチからに見直みなおしました。

こども家庭かてい庁ちょうは今回こんかいの見直みなおしについて「すべての子こどもの成長せいちょうを記録きろくできる母子ぼし健康けんこう手帳てちょうとするために見直みなおしを決きめた」としています。

新あらたな母子ぼし健康けんこう手帳てちょうは来月らいげつから配付はいふされます。

「超ちょう低てい出生しゅっしょう体重たいじゅう児じ」の親おや “つらい気持きもち書き込かきこみできず”

栃木とちぎ県けん真岡しんおか市しに住すむ小林こばやし恵めぐみさんは、6年ねん前まえ、妊娠にんしん高だか血圧けつあつ症候しょうこう群ぐんとなり妊娠にんしん6か月かげつで長男ちょうなんの奏そう明君めいくんを緊急きんきゅうで出産しゅっさんしました。

予定よてい日びより4か月かげつ早はやく、体重たいじゅうは493グラムの「超ちょう低てい出生しゅっしょう体重たいじゅう児じ」で、身長しんちょうが29.5センチでした。

慢性まんせい肺はい疾患しっかんによる呼吸こきゅう機能きのうへの影響えいきょうや、未熟みじゅく児じ網膜もうまく症しょうによる視力しりょくへの影響えいきょうなどが心配しんぱいされましたが、NICU＝新生児しんせいじ集中しゅうちゅう治療ちりょう室しつで治療ちりょうを受うけるなどして、生後せいご6か月かげつで2700グラムを超こえ、退院たいいんすることができました。

病院びょういんに預あづけていた母子ぼし健康けんこう手帳てちょうも返却へんきゃくされ、生うまれてからの成長せいちょうを記録きろくしようとした時ときに、発育はついく曲線きょくせんグラフが1000グラムから始はじまっていることを初はじめて知しったという小林こばやしさん。

グラフの欄外らんがいに定規じょうぎで線せんを引ひき、493グラムと思おもわれる場所ばしょに点てんを打うったものの、つらい気持きもちになり、その後そのご、書き込かきこむことができなかったといいます。

小林こばやしさんは、「息子むすこを小ちいさく産うんでしまったという自分じぶんを責せめる気持きもちが強つよくなりました」と当時とうじを振り返ふりかえりました。

今回こんかいこうした親おやの声こえが反映はんえいされて母子ぼし健康けんこう手帳てちょうが見直みなおされたことについて、「小ちいさく産うまれた赤あかちゃんの親おやにとって、これまでは母子ぼし健康けんこう手帳てちょうは見みるのもつらいものだったが、大おおきな1歩ほだと思おもいます。成長せいちょうを楽たのしみに記録きろくできるものに変かわっていくと思おもう」と話はなしていました。