政治せいじ資金しきん規正きせい法ほう 自民じみん“踏み込ふみこんだ修正しゅうせい案あん” 立たつ民みん“実効じっこう性せいなし”

政治せいじ資金しきん規正きせい法ほうの改正かいせいをめぐり、自民党じみんとうは3日にち、公明党こうめいとうと日本にっぽん維新いしんの会かいの主張しゅちょうを踏ふまえた修正しゅうせい案あんを国会こっかいに提出ていしゅつし、衆議院しゅうぎいんの特別とくべつ委員いいん会かいで趣旨しゅし説明せつめいを行おこないました。

このあと委員いいん会かいで質疑しつぎが行おこなわれ、

▽自民党じみんとうの牧原まきはら秀樹ひでき氏しは修正しゅうせい案あんでパーティー券けんの購入こうにゅう者しゃを公開こうかいする基準きじゅん額がくをさらに引き下ひきさげたことについて、「自民党じみんとうは『10万まん円えんを超こえる』という案あんだったが『5万まん円えんを超こえる』に修正しゅうせいした趣旨しゅしを聞ききたい」と質問しつもんしました。

これに対にたいし、自民党じみんとうの法案ほうあん提出ていしゅつ者しゃの鈴木すずき馨かおる祐ゆう氏しは「可能かのうなかぎり幅広はばひろい合意ごういを得えて、今いまの国会こっかいで確実かくじつに法ほう改正かいせいを実現じつげんすると申し上もうしあげてきた。各党かくとうが5万まん円えんへの引き下ひきさげを求もとめる中なか、党とうとして賛同さんどうすることで踏み込ふみこんだ案あんを提示ていじする決断けつだんをした」と述のべました。

▽立憲りっけん民主みんしゅ党とうの山岸やまぎし一生かずお氏しは自民党じみんとうの修正しゅうせい案あんを「中身なかみと実効じっこう性せいがなく修正しゅうせいの名なに値あたいしない」と批判ひはんしたうえで、党とうから議員ぎいんに支給しきゅうされる「政策せいさく活動かつどう費ひ」に1年間ねんかんごとの支出ししゅつの上限じょうげん額がくを定さだめるとしていることについて「上限じょうげんを決きめると言いっているが10億おく円えんかもしれないし100億おく円えんかもしれない。上限じょうげんが高たかくなることも排除はいじょされないのではないか」と指摘してきしました。

これに対にたいし自民党じみんとうの鈴木すずき氏しは「具体ぐたい的てきな制度せいど設計せっけいについては、政治せいじ活動かつどうの自由じゆうへの配慮はいりょも大事だいじなうえ、各党かくとうによって活動かつどう規模きぼも異ことなっている。これからどのような額がくが適切てきせつなのか、協議きょうぎを行おこない決定けっていしていく」と述のべました。

▽日本にっぽん維新いしんの会かいの青柳あおやぎ仁士ひとし氏しは「政策せいさく活動かつどう費ひ」をめぐり、修正しゅうせい案あんで50万まん円えんを超こえる支給しきゅうを受うけた議員ぎいんの使つかいみちなどを開示かいじするとしていることについて「50万まん円えん以下いかであれば今いままでどおり自由じゆうに好すきに配くばれるということか。党首とうしゅどうしの合意ごうい文書ぶんしょは極きわめて重おもく、万が一まんがいち条文じょうぶん化かする段階だんかいでほごにするようなことがあれば法案ほうあんには反対はんたいする」と迫せまりました。

これに対にたいし自民党じみんとうの鈴木すずき氏しは「党首とうしゅ間かんの合意ごういは当然とうぜん履行りこうする。合意ごういでは10年ねん後ごに領収りょうしゅう書しょを明細めいさい書しょなどとともに公開こうかいするとしているのでしっかり履行りこうする」と述のべました。

一方いっぽう、委員いいん会かいに先立さきだって開ひらかれた理事りじ会かいで、自民党じみんとうは4日にち、委員いいん会かいで法案ほうあんの採決さいけつを行おこなったあと本ほん会議かいぎでも採決さいけつすることを提案ていあんしたのに対にたいし、立憲りっけん民主みんしゅ党とうは「あすの岸田きしだ総理そうり大臣だいじんへの質疑しつぎも見みて、波なみ静しずかであれば受け入うけいれたい」と述のべました。

修正しゅうせい後ごの自民じみんの法案ほうあんは

自民党じみんとうがまとめた政治せいじ資金しきん規正きせい法ほうの改正かいせい案あんは、議員ぎいん本人ほんにんへの罰則ばっそくを強化きょうかする、いわゆる「連座れんざ制せい」の導入どうにゅうが柱はしらの一ひとつとなっています。

公明党こうめいとうの主張しゅちょうを踏ふまえ、パーティー券けんの購入こうにゅう者しゃを公開こうかいする基準きじゅん額がくを当初とうしょの案あんから引き下ひきさげたほか、党とうから支給しきゅうされる「政策せいさく活動かつどう費ひ」については、日本にっぽん維新いしんの会かいの、10年ねん後ごに領収りょうしゅう書しょを公開こうかいする案あんを取り入とりいれる修正しゅうせいを行おこないました。

自民党じみんとうの法案ほうあんではいわゆる「連座れんざ制せい」として

▽議員ぎいんに収支しゅうし報告ほうこく書しょの「確認かくにん書しょ」の作成さくせいを義務ぎむづけ、会計かいけい責任せきにん者しゃが不ふ記載きさいや虚偽きょぎ記載きさいで処罰しょばつされた場合ばあい、議員ぎいんが「確認かくにん書しょ」を作成さくせいしていなかったり、内容ないようを確たしかめずに作成さくせいしたりしていれば、50万まん円えん以下いかの罰金ばっきんを科かし公民こうみん権けんを停止ていしするとしています。

また、▽収支しゅうし報告ほうこく書しょに不ふ記載きさいなどがあった場合ばあい、相当そうとうする額がくを国くにに寄付きふできるようにするとしています。

一方いっぽう、政治せいじ資金しきんの透明とうめい性せいを向上こうじょうさせる方策ほうさくとして、

▽外部がいぶ監査かんさを強化きょうかし、議員ぎいんの政治せいじ団体だんたいの支出ししゅつだけでなく収入しゅうにゅうも監査かんさの対象たいしょうに含ふくめること

▽議員ぎいんに収支しゅうし報告ほうこく書しょのオンライン提出ていしゅつを義務ぎむづけること

を盛り込もりこんでいます。

そして

▽パーティー券けんの購入こうにゅう者しゃを公開こうかいする基準きじゅん額がくについては、当初とうしょは現在げんざいの「20万まん円えんを超こえる」から「10万まん円えんを超こえる」にするとしていましたが、公明党こうめいとうの主張しゅちょうを踏ふまえ、法律ほうりつの施行しこうから1年ねん後ごに「5万まん円えんを超こえる」に引き下ひきさげると修正しゅうせいしました。

さらに

▽パーティー券けんの現金げんきんでの販売はんばいを禁止きんしし、代金だいきんは口座こうざ振り込ふりこみにするとしています。

▽党とうから議員ぎいんに支給しきゅうされる「政策せいさく活動かつどう費ひ」については、50万まん円えんを超こえる支給しきゅうを受うけた議員ぎいんが使つかいみちを項目こうもくごとの金額きんがくで党とうに報告ほうこくし、党とうが収支しゅうし報告ほうこく書しょに記載きさいするとしていたのに加くわえ、今回こんかいの修正しゅうせいで、支出ししゅつした年月としつきを開示かいじすることも盛り込もりこみました。

そして透明とうめい性せいを確保かくほするため、独立どくりつ性せいのある第三者だいさんしゃ機関きかんを設置せっちすることも追加ついかしました。

また、日本にっぽん維新いしんの会かいの、1年間ねんかんごとの支出ししゅつの上限じょうげん金額きんがくを定さだめたうえで領収りょうしゅう書しょなどを含ふくむ支出ししゅつの状況じょうきょうを10年ねん後ごに公開こうかいする案あんも取り入とりいれました。

▽国会こっかい議員ぎいんの政治せいじ団体だんたいの会計かいけい処理しょりをめぐっては、議員ぎいん側がわから年間ねんかんで1000万まん円えん以上いじょうの資金しきんを後援こうえん会かいなど別べつの政治せいじ団体だんたいに移うつした場合ばあい、支出ししゅつの公開こうかい基準きじゅんを国会こっかい議員ぎいんの団体だんたいと同様どうように厳格げんかくにするとしています。

このほか今回こんかいの修正しゅうせいでは、

▽国民こくみん民主みんしゅ党とうの主張しゅちょうを踏ふまえて、議員ぎいんに規正きせい法ほう違反いはんなどがあった場合ばあいに政党せいとう交付こうふ金きんの一部いちぶの交付こうふを停止ていしする制度せいどを創設そうせつすることも加くわえました。

また

▽外国がいこく人じんなどによるパーティー券けん購入こうにゅうに関にかんする規制きせいや

▽個人こじん献金けんきんを促進そくしんするための税制ぜいせい優遇ゆうぐう措置そち、

▽議員ぎいん自身じしんが代表だいひょうを務つとめる政党せいとう支部しぶに寄付きふした場合ばあいは、税制ぜいせい優遇ゆうぐう措置そちの対象たいしょうから外はずれることについて検討けんとうし、必要ひつような措置そちを講こうじることも盛り込もりこみました。

法案ほうあんは一部いちぶの規定きていを除のぞいて再さい来年らいねん1月つき1日にちから施行しこうし、修正しゅうせいで法律ほうりつの施行しこうから3年ねんをめどに見直みなおす規定きていも追加ついかしています。

維新いしん 音喜多おときた政調せいちょう会長かいちょう さらなる修正しゅうせいを求もとめる

政治せいじ資金しきん規正きせい法ほうの改正かいせいをめぐり、日本にっぽん維新いしんの会かいの音喜多おときた政務せいむ調査ちょうさ会長かいちょうは、自民党じみんとうの修正しゅうせい案あんでは「政策せいさく活動かつどう費ひ」の領収りょうしゅう書しょの公開こうかいが50万まん円えんを超こえる支給しきゅうを受うけた場合ばあいに限かぎられるとして、すべての領収りょうしゅう書しょを公開こうかいの対象たいしょうにするなど、さらなる修正しゅうせいを求もとめていることを明あきらかにしました。

政治せいじ資金しきん規正きせい法ほうの改正かいせい案あんをめぐっては先週せんしゅう、岸田きしだ総理そうり大臣だいじんと日本にっぽん維新いしんの会かいの馬場ばば代表だいひょうが党とうから支給しきゅうされる「政策せいさく活動かつどう費ひ」について、維新いしんの会かいが求もとめていた10年ねん後ごに領収りょうしゅう書しょを公開こうかいすることなどで合意ごういし、自民党じみんとうは3日にちの衆議しゅうぎ院いんの特別とくべつ委員いいん会かいに修正しゅうせい案あんを提出ていしゅつしました。

これについて、維新いしんの会かいの音喜多おときた政務せいむ調査ちょうさ会長かいちょうは3日にち夕方ゆうがた、記者きしゃ団だんに対にたいし自民党じみんとうにさらなる修正しゅうせいを求もとめていることを明あきらかにしました。

具体ぐたい的てきには

▽自民党じみんとうの修正しゅうせい案あんでは「政策せいさく活動かつどう費ひ」の領収りょうしゅう書しょの公開こうかいが50万まん円えんを超こえる支給しきゅうを受うけた場合ばあいに限かぎられるとしてすべての領収りょうしゅう書しょを公開こうかいの対象たいしょうにすること

▽「政策せいさく活動かつどう費ひ」を旅費りょひや交通こうつう費ひとして使つかった場合ばあいに領収りょうしゅう書しょが公開こうかいされるよう明確めいかくにすること

▽10年ねん後ごの公開こうかいに向むけて領収りょうしゅう書しょを保管ほかんするための規定きていを新あらたに加くわえること

の3点てんを求もとめています。

音喜多おときた氏しは「例外れいがいや抜け道ぬけみちがある状態じょうたいで修正しゅうせい案あんに賛成さんせいすることは難むずかしい。今いま、さまざまなレベルで自民党じみんとうに協議きょうぎを呼よびかけ、前向まえむきに検討けんとうしてもらっている。われわれが望のぞむ形かたちで修正しゅうせいされれば賛成さんせいする」と述のべました。

自民じみん 茂木もぎ幹事かんじ長ちょう「この国会こっかいで改正かいせい実現じつげんしたい」

自民党じみんとうの茂木もぎ幹事かんじ長ちょうは記者きしゃ会見かいけんで「各党かくとうの提案ていあんの中なかでも取り入とりいれられるものは順次じゅんじできるかぎり取り入とりいれてきた。できるだけ多おおくの賛同さんどうを得えて、この国会こっかいで改正かいせいを実現じつげんしたい。今回こんかいの改正かいせい案あんは欧米おうべい各国かっこくと比較ひかくしても高たかい透明とうめい性せいを確保かくほするものになっており、国民こくみんに丁寧ていねいに説明せつめいしていきたい」と述のべました。

一方いっぽう、日本にっぽん維新いしんの会かいがさらなる修正しゅうせいを求もとめていることについては「合意ごうい内容ないようの具体ぐたい的てきな法案ほうあん化かについて、現場げんばで協議きょうぎが進すすんでいると理解りかいしている」と述のべるにとどめました。

共産きょうさん 小池こいけ書記しょき局長きょくちょう「自民じみんの修正しゅうせい案あん 再発さいはつ防止ぼうしにならない 」

共産きょうさん党とうの小池こいけ書記しょき局長きょくちょうは記者きしゃ会見かいけんで「自民党じみんとうの新あらたな修正しゅうせい案あんは、何なにの再発さいはつ防止ぼうしにもならない。公明党こうめいとうの山口やまぐち代表だいひょうは『自民党じみんとうと同おなじ穴あなのむじなとは見みられたくない』と言いったが、自民党じみんとうと公明党こうめいとう、それに日本にっぽん維新いしんの会かいは『むじな3兄弟きょうだい』で、同おなじ穴あなに入はいって抜け穴ぬけあなづくりをしているのではないか。徹底てってい的てきに議論ぎろんを続つづけ、真相しんそう解明かいめいをして、企業きぎょう・団体だんたい献金けんきんを全面ぜんめん禁止きんしする方向ほうこうに向むかうべきで、あすの特別とくべつ委員いいん会かいの採決さいけつには断固だんこ反対はんたいだ」と述のべました。