緊張きんちょう続つづくウクライナ ロシアの脅威きょういに市民しみんは？記者きしゃが現地げんち取材しゅざい

ロシアは「侵攻しんこうする意図いとはない」と繰り返くりかえし主張しゅちょうしていますが、8年ねん前まえ（2014年ねん）にはウクライナ南部なんぶのクリミアを一方いっぽう的てきに併合へいごうしました。また、ウクライナ東部とうぶではロシアが後うしろ盾たてとなっている武装ぶそう勢力せいりょくとウクライナ政府せいふ軍ぐんの間まで衝突しょうとつに発展はってんし、その後そのごも散発さんぱつ的てきに戦闘せんとうが続つづいています。

中心ちゅうしん部ぶにあるショッピングモールでは、お茶おちゃを飲のみながら会話かいわを楽たのしむカップルの姿すがたや、ウクライナ伝統でんとうの弦楽器げんがっきバンドゥーラを弾はじきながら美うつくしい旋律せんりつで民謡みんようを歌うたう女性じょせい2人にんの姿すがたもありました。

スーパーにはそばの実みを売うるコーナーがあり、新型しんがたコロナの感染かんせん拡大かくだいの第だい1波はの時ときにはいわゆる「巣すごもり需要じゅよう」として棚たなからなくなったのだそうです。

今回こんかい取材しゅざいに訪おとずれると在庫ざいこは十分じゅうぶんで、買い占かいしめも起おきていませんでした。

その一方いっぽうで「国境こっきょう周辺しゅうへんのロシア軍ぐんは脅おどしにすぎないと願ねがいますが、ニュースを見みていて今後こんごは備蓄びちく用ように多おおめに買かうかも知しれません」という人ひともいました。

なかには「パニックになる必要ひつようはありませんが、状況じょうきょうは緊迫きんぱくしているので、そばの実みだけは、いつもより多おおめに、3キロの袋ふくろを買かうことにしました」と話はなす人ひともいました。

私わたしは8年ねん前まえ、東部とうぶの中心ちゅうしん都市としドネツクで取材しゅざいしましたが、政府せいふ軍ぐんとの戦闘せんとうでは多おおくの市民しみんが巻き込まきこまれて犠牲ぎせいになり、女性じょせいや子こども、高齢こうれい者しゃを中心ちゅうしんに、多おおくの人ひとたちが戦火せんかを逃のがれて、着の身着きのみきのまま列車れっしゃに飛び乗とびのり避難ひなんする様子ようすを目めにしました。

夫おっとと娘むすめ、孫まごの4人にん暮くらしで、そばの実みをはじめ多おおくの食料しょくりょう品ひんや医薬品いやくひんなどを買かいだめして部屋へやのあちこちに保管ほかんしていました。とりわけ医薬品いやくひんは、感染かんせん対策たいさくのアルコール消毒しょうどく液えきから抗生こうせい剤ざいや止血しけつ帯たい、鎮痛ちんつう剤ざいまで、2つの箱はこに詰め込つめこんでいることに驚おどろかされました。

8年ねん前まえ、娘むすめのワレリヤさんは東部とうぶドネツクで暮くらしていて、戦闘せんとうの激化げきかに伴ともない、息子むすこを連つれてキエフで暮くらす両親りょうしんのもとに避難ひなんしてきました。

ワレリヤさんによれば、当時とうじドネツクは戦闘せんとうの影響えいきょうで深刻しんこくな医薬品いやくひん不足ふそくに陥おちいったということで、ナターリヤさんは持病じびょうの薬くすりをはじめ思おもいつく医薬品いやくひんを備そなえているというのです。

ナターリヤさんはこう話はなしていましたー。

また、キエフ中心ちゅうしん部ぶの独立どくりつ広場ひろばで話はなしを聞きいた、息子むすこがドネツクでの戦闘せんとうで大だいけがを負おったという女性じょせいは「国くにどうしが元もとの友好ゆうこう関係かんけいに戻もどるには100年ねんかかる。（1991年ねんの）ソビエト崩壊ほうかい後ご、ウクライナにあった核兵器かくへいきを国くにが放棄ほうきしたのは、ロシアが『あなたたちを守まもりますよ』と約束やくそくしたから。その約束やくそくを破やぶって私わたしたちを攻撃こうげきしているロシアと、どうして友人ゆうじんになれますか」と語気ごきを強つよめていました。

（ウクライナとロシアはかつて「ソビエト連邦れんぽう」という同おなじ国くにでした）。

1月末げつまつに開ひらかれた講習こうしゅう会かいは、地元じもとの領土りょうど防衛ぼうえい部隊ぶたいが主催しゅさいし、12人にんが参加さんか。半数はんすう以上いじょうは女性じょせいでした。

ふだんは運送うんそう業ぎょうを営いとなんでいますが、有事ゆうじの際さいには人口じんこう1万まん5000のウクラインカを守り抜まもりぬくとしたうえで「誰だれも戦たたかいたくはない。全員ぜんいんの強つよい気持きもちを相手あいて（ロシア）に示しめすことが抑止よくし力りょくになれば」と力ちからを込こめていました。