Japanese News: ロシアによる軍事侵攻から500日ウクライナ反転攻勢を本格化

ロシアによる軍事ぐんじ侵攻しんこうから8日にちで500日にちとなり、ウクライナのゼレンスキー大統領だいとうりょうはさらなる領土りょうど奪還だっかんへの決意けついを示しめし反転はんてん攻勢こうせいを本格ほんかく化かさせる考かんがえです。こうした中なか、アメリカ政府せいふは殺傷さっしょう能力のうりょくが高たかいクラスター爆弾ばくだんを供与きょうよすると発表はっぴょうしましたが、ロシア側がわは反発はんぱつしています。

ウクライナへの軍事ぐんじ侵攻しんこうが始はじまって500日にちとなる8日にちにあわせてゼレンスキー大統領だいとうりょうはロシア軍ぐんから去年きょねん6月つき、奪還だっかんした黒海こっかいの拠点きょてんの島しま、ズミイヌイ島とうを訪おとずれた映像えいぞうをSNSで公開こうかいしました。

そして「兵士へいしを含ふくむウクライナのすべての人ひとに感謝かんしゃしたい。われわれは必かならず勝かつ」と述のべ、さらなる領土りょうど奪還だっかんを目指めざし反転はんてん攻勢こうせいを本格ほんかく化かさせる決意けついを示しめしました。

ウクライナ国防省こくぼうしょうのマリャル次官じかんもSNSで500日間にちかんの戦果せんかを強調きょうちょうした上うえで「われわれの兵士へいしが東部とうぶと南部なんぶの占領せんりょうされた地域ちいきを解放かいほうしている。まもなくF16戦闘せんとう機きのパイロットの訓練くんれんが始はじまる」として欧米おうべいから戦闘せんとう機きなどの支援しえんを受うけて作戦さくせんを進すすめていく考かんがえを示しめしました。

アメリカのシンクタンク「戦争せんそう研究所けんきゅうじょ」は7日にち「ウクライナ軍ぐんはバフムトで戦術せんじゅつ的てきに重要じゅうような進展しんてんを果はたした」として、ロシアが5月つきに掌握しょうあくを宣言せんげんした東部とうぶの拠点きょてんバフムトでウクライナ側がわが前進ぜんしんしていると分析ぶんせきしました。

こうした中なか、アメリカのバイデン政権せいけんは7日にち、ウクライナからの要請ようせいに応おうじて殺傷さっしょう能力のうりょくが高たかいクラスター爆弾ばくだんを新あらたに供与きょうよすると発表はっぴょうしました。

これに対にたいし、ワシントンに駐在ちゅうざいするロシアのアントノフ大使たいしは声明せいめいで「現在げんざいのアメリカの挑発ちょうはつのレベルは常軌じょうきを逸いっしていて人類じんるいを新あらたな世界せかい大戦たいせんに近ちかづけている」などと強つよく反発はんぱつしました。

クラスター爆弾ばくだんは使用しようを禁止きんしする国際こくさい条約じょうやくがある兵器へいきで、アメリカはロシア軍ぐんがすでに使用しようし、ウクライナの反転はんてん攻勢こうせいに必要ひつような兵器へいきだと強調きょうちょうしていますが国際こくさい的てきな人権じんけん団体だんたいなどからは批判ひはんの声こえも上あがっています。

ゼレンスキー大統領だいとうりょうロシアから奪還だっかんの島しま訪問ほうもん

ウクライナのゼレンスキー大統領だいとうりょうは、ロシアによるウクライナへの軍事ぐんじ侵攻しんこうが始はじまってから500日にちとなるのにあわせて、去年きょねん、ロシアから奪還だっかんした黒海こっかいの拠点きょてん、ズミイヌイ島とうを訪おとずれた映像えいぞうを8日にち、SNSで公開こうかいしました。

ズミイヌイ島とうはウクライナ南部なんぶのオデーサ州しゅうの沖合おきあいにある戦略せんりゃく的てきな拠点きょてんで、軍事ぐんじ侵攻しんこうが始はじまった直後ちょくごにロシア軍ぐんに占拠せんきょされましたが、その後そのご、去年きょねん6月つき、ウクライナ軍ぐんが奪還だっかんしました。

公開こうかいされた動画どうがではゼレンスキー大統領だいとうりょうが、島しまの名前なまえが書かかれたプレートに花束はなたばを手向たむけて、ペンで「ウクライナに栄光えいこうあれ」と記しるす様子ようすがうつされていました。

また動画どうがでゼレンスキー大統領だいとうりょうは「この島しまはウクライナ軍ぐんがこれからも領土りょうどを取り戻とりもどすことを証明しょうめいする存在そんざいだ。兵士へいしを含ふくむウクライナのすべての人ひとに感謝かんしゃしたい。われわれは必かならず勝かつ」と述のべ、さらなる領土りょうど奪還だっかんを目指めざし反転はんてん攻勢こうせいを本格ほんかく化かさせる決意けついを示しめしました。

長引ながびく戦闘せんとうで双方そうほうの犠牲ぎせいも拡大かくだい

長引ながびく戦闘せんとうにより、双方そうほうの犠牲ぎせいも拡大かくだいし続つづけています。

アメリカのシンクタンクは、ことし2月つき、ロシア軍ぐんの兵士へいしや戦闘せんとう員いんの死者ししゃ数すうは、6万まん人にんから7万まん人にんで、死傷ししょう者しゃ数すうが20万まん人にんから25万まん人にんだという分析ぶんせきを示しめしています。

一方いっぽう、ウクライナの市民しみんへの影響えいきょうも大おおきく、国連こくれん人権じんけん高等こうとう弁務べんむ官かん事務所じむしょは、7日にち、侵攻しんこう開始かいしから先月せんげつ末まつまでの間まに確認かくにんできただけでも9177人にんが砲撃ほうげきや空爆くうばくなどによって死亡しぼうしたと発表はっぴょうしました。

ただ、激はげしい戦闘せんとうが続つづく地域ちいきでは正確せいかくに状況じょうきょうを把握はあくできておらず実際じっさいの総数そうすうはこれを大おおきく上回うわまわるという見方みかたを示しめしています。

市民しみん生活せいかつを支ささえるインフラへの被害ひがいも相次あいついでいます。

去年きょねん10月つき上旬じょうじゅんにクリミアとロシア南部なんぶをつなぐ「クリミア大橋おおはし」で爆発ばくはつが起おきると、ロシア軍ぐんは報復ほうふくとしてウクライナ各地かくちの電力でんりょく施設しせつなど重要じゅうようインフラを狙ねらったミサイル攻撃こうげきを繰り返くりかえし、厳きびしい冬ふゆのあいだウクライナでは電力でんりょくが不足ふそくし暖房だんぼうが使つかえない状況じょうきょうに見舞みまわれました。

先月せんげつにはウクライナ南部なんぶヘルソン州しゅうのカホウカ水力すいりょく発電はつでん所しょのダムが決壊けっかいして貯水池ちょすいちの水みずが流出りゅうしゅつし、川かわの下流かりゅうでは大だい規模きぼな洪水こうずいで犠牲ぎせい者しゃが出でた一方いっぽう、国連こくれんは、上流じょうりゅうでは21万まん人にんが深刻しんこくな水不足みずぶそくに陥おちいっていると推計すいけいしています。

専門せんもん家か “ウクライナ反転はんてん攻勢こうせいはこれから本格ほんかく化かする見方みかた”

ロシアの安全あんぜん保障ほしょうや核かく戦略せんりゃくに詳くわしく、現在げんざいはヨーロッパを拠点きょてんに活動かつどうするユーリー・フョードロフ氏しはNHKのインタビューに対にたいし、ウクライナ軍ぐんの反転はんてん攻勢こうせいについて「ウクライナは12の旅団りょだんを投入とうにゅうする予定よていとされるが、戦闘せんとうに参加さんかしているのは3つの旅団りょだんで、9つの旅団りょだんは温存おんぞんされている。攻勢こうせいは実際じっさいのところまだ始はじまっていない」と述のべ反転はんてん攻勢こうせいはこれから本格ほんかく化かするという見方みかたを示しめしました。

そのうえで「今後こんごのカギとなるのは航空こうくう機きと射程しゃてい300キロに達たっするミサイルだ」と述のべ、ウクライナにとっては、欧米おうべい諸国しょこくから戦車せんしゃだけでなく、戦闘せんとう機きやATACMSと呼よばれる地ち対地たいちミサイルなどの軍事ぐんじ支援しえんを得えられることが重要じゅうようだと指摘してきしました。

一方いっぽう、フョードロフ氏しは、ウクライナ南部なんぶのザポリージャ原子力げんしりょく発電はつでん所しょに対にたいし、ロシア側がわが破壊はかい工作こうさくを行おこなう可能かのう性せいについて「技術ぎじゅつ的てきにロシアは可能かのうだ。また政治せいじ的てきには、この戦争せんそうがいかに危険きけんなものになっているかとヨーロッパ側がわに思おもわせてウクライナに抵抗ていこうをやめさせ、ロシア側がわの条件じょうけんに同意どういさせるため、プーチン政権せいけんが決定けっていを下くだす可能かのう性せいは排除はいじょしない」と述のべ予断よだんを持もたずに状況じょうきょうを注視ちゅうしする必要ひつようがあるとしています。

そして、プーチン政権せいけんに近ちかい著名ちょめいな安全あんぜん保障ほしょうの専門せんもん家かなどからロシアは核兵器かくへいきを使用しようすべきだという強硬きょうこう論ろんが上あがっていると指摘してきし「米べいソの時代じだいは、最初さいしょに核かく攻撃こうげきをしないという原則げんそくに基もとづいて行動こうどうしていた。敵てき側がわが先さきに核兵器かくへいきを使用しようする疑うたがいがあるという状況じょうきょうは非常ひじょうに危険きけんであり、不安定ふあんていだ」と懸念けねんを示しめしました。

そのうえで、ロシアの戦術せんじゅつ核兵器かくへいきがベラルーシに配備はいびされることについて「ロシアは飛び地とびちのカリーニングラードに戦術せんじゅつ核兵器かくへいきを配備はいびしているのでベラルーシに配備はいびしてもその対象たいしょう地域ちいきに大おおきな違ちがいはなく、軍事ぐんじ的てきな観点かんてんからはあまり意味いみがない」と指摘してきしました。

一方いっぽう、ロシアで暴動ぼうどうが起おきるなど仮かりに不安定ふあんてい化かした場合ばあい、ベラルーシのルカシェンコ大統領だいとうりょうが核兵器かくへいきを管理かんりする権限けんげんをロシアから奪うばう可能かのう性せいも捨すてきれないとしたうえで「ヨーロッパの安全あんぜん保障ほしょうに悪あく影響えいきょうを及およぼすことになる」と述のべ、核兵器かくへいきをめぐるベラルーシ側がわの言動げんどうに警戒けいかいを続つづけるべきだとしています。