介護かいご保険ほけん料りょう 高齢こうれい者しゃの負担ふたん引き上ひきあげなどの議論ぎろんを再開さいかい 厚あつ労ろう省しょう部会ぶかい

その上うえで、「物価ぶっかの上昇じょうしょうやコロナ禍か以降いこうの生活せいかつの困難こんなんさを考かんがえると、生活せいかつが成り立なりたつ形かたちでの保険ほけん料りょう負担ふたんを考かんがえないといけない。どのレベルで負担ふたんいただくべきなのか、生活せいかつ実態じったいをとらえた上うえで、慎重しんちょうに議論ぎろんする必要ひつようがある」と話はなしていました。

1つ目めは65歳さい以上いじょうの高齢こうれい者しゃが負担ふたんする介護かいご保険ほけん料りょうの見直みなおしです。

介護かいご保険ほけん料りょうは40歳さいから64歳さいまでの現役げんえき世代せだいが支払しはらう保険ほけん料りょうと、65歳さい以上いじょうの高齢こうれい者しゃが支払しはらう保険ほけん料りょうの2種類しゅるいあります。

このうち、65歳さい以上いじょうの高齢こうれい者しゃが負担ふたんする介護かいご保険ほけん料りょうについて、一定いってい以上いじょうの所得しょとくがある高齢こうれい者しゃは負担ふたん額がくを引き上ひきあげる一方いっぽう、低てい所得しょとくの高齢こうれい者しゃについては負担ふたん額がくを引き下ひきさげる方向ほうこうで、どのくらいの収入しゅうにゅうの人ひとを対象たいしょうに、どの程度ていど負担ふたん額がくを引き上ひきあげるかなどについて検討けんとうが行おこなわれます。

介護かいご保険ほけん料りょうは、介護かいご保険ほけん制度せいどが始はじまった23年ねん前まえの2000年度ねんどは全国ぜんこく平均へいきんで月つき2911円えんでしたが、急速きゅうそくな高齢こうれい化かが進すすむ中なか、現在げんざいは月つき6014円えんと2倍ばい以上いじょうになり、2040年度ねんどには月つき9000円えん程度ていどになると推計すいけいされています。

物価ぶっか高だかなども重かさなって、所得しょとくが低ひくい高齢こうれい者しゃの実質じっしつ的てきな負担ふたんが増ます中なかで、高齢こうれい者しゃどうしで負担ふたんを分け合わけあい、制度せいどを持続じぞく可能かのうなものにしたいとしています。

2つ目めは介護かいごサービスを利用りようした際さいに支払しはらう自己じこ負担ふたん額がくの見直みなおしです。

現在げんざい、介護かいごサービスを利用りようした際さいの自己じこ負担ふたんの割合わりあいは原則げんそく1割わりで、所得しょとくに応おうじて2割わりまたは3割わりと段階だんかい的てきに定さだめられています。

介護かいごを必要ひつようとする人ひとは年々ねんねん増加ぞうかし、それに伴ともなって介護かいごサービスにかかる費用ひようも増ふえていることから、制度せいどを持続じぞく可能かのうなものとするため、2割わりまたは3割わりを負担ふたんする対象たいしょう者しゃを増ふやすことができないか検討けんとうされています。

当初とうしょは、去年きょねんの年末ねんまつに結論けつろんを取とりまとめる予定よていでしたが、物価ぶっか高騰こうとうの影響えいきょうなどを考慮こうりょすると、負担ふたん額がくが増加ぞうかした場合ばあいの高齢こうれい者しゃの生活せいかつへの影響えいきょうを慎重しんちょうに検討けんとうする必要ひつようがあるとして議論ぎろんを継続けいぞくすることになり、ことし夏なつまでに結論けつろんを出だすことになりました。

しかしその後そのご、ことしの春闘しゅんとうで他た職種しょくしゅの賃上ちんあげの動うごきが広ひろがり、今後こんご、介護かいご職員しょくいんの報酬ほうしゅうも上あげることを考かんがえると、この秋あきから行おこなわれる介護かいご報酬ほうしゅうの改定かいていの議論ぎろんと同時どうじに進すすめる必要ひつようがあるとして、結論けつろんを取とりまとめる時期じきが再ふたたび延期えんきされ、ことしの年末ねんまつまで検討けんとうを続つづけることになりました。

そして10日にち、半年はんとしぶりに高齢こうれい者しゃの負担ふたんのあり方ありかたについての専門せんもん家かの議論ぎろんが再開さいかいされました。

これに伴ともない、介護かいごサービスにかかる費用ひようも年々ねんねん増加ぞうかし、今年度こんねんどの総額そうがくは予算よさんベースで13兆ちょう8000億おく円えんで、機械きかい的てきな試算しさんでは、2025年度ねんどにはおよそ15兆ちょう円えんに、さらに団塊だんかいジュニアの世代せだいが65歳さい以上いじょうになる2040年度ねんどにはおよそ26兆ちょう円えんになると推計すいけいされています。

一方いっぽう、保険ほけん料りょうを高齢こうれい者しゃとともに支払しはらい、制度せいどを支ささえている40歳さいから64歳さいまでの現役げんえき世代せだいは減少げんしょう傾向けいこうで、このままでは財源ざいげんを確保かくほできなくなるおそれがあり、費用ひようを抑制よくせいし制度せいどを持続じぞく可能かのうなものにすることが課題かだいとなっています。