タイ人じん“銅どう線せん窃盗せっとう”グループ4人にんを逮捕たいほ 被害ひがい総額そうがく1億おく円えん超ちょうか 東京とうきょう

警視庁けいしちょうは、1都と7県けんで60件けん以上いじょうの盗ぬすみを繰り返くりかえし、被害ひがい総額そうがくは1億おく円えんを超こえるとみて調しらべています。

逮捕たいほされたのは、いずれもタイ人じんで、茨城いばらき県けん筑西市さいちに住すむウェイチェークー・プリチャー容疑ようぎ者しゃ（24）ら4人にんです。

警視庁けいしちょうによりますと、4人にんはことし5月つき、日の出ひので町まちにある太陽光たいようこう発電はつでん施設しせつに侵入しんにゅうし、送電そうでん用ようの銅どう線せんケーブルおよそ840メートル、193万まん円えん相当そうとうを盗ぬすんだ疑うたがいが持もたれています。

指示しじ役やくのウェイチェークー容疑ようぎ者しゃが、地図ちずアプリで発電はつでん施設しせつを探さがして実行じっこう役やくに指示しじし、銅どう線せんケーブルを切断せつだんして盗み出ぬすみだしたとみられ、その後そのご、金属きんぞく買い取かいとり店てんで売却ばいきゃくしていたということです。

調しらべに対にたいし、容疑ようぎ者しゃらは「1回かいにつき実行じっこう役やくは5万まん円えん、指示しじ役やくは10万まん円えんほどを受け取うけとり、生活せいかつ費ひや母国ぼこくへの送金そうきんに充あてていた」などと供述きょうじゅつしているということです。

警視庁けいしちょうは、このグループが関東かんとうを中心ちゅうしんに1都と7県けんの太陽光たいようこう発電はつでん施設しせつで60件けん以上いじょうの盗ぬすみを繰り返くりかえし、被害ひがい総額そうがくは1億おく円えんを超こえるとみて調しらべています。

被害ひがい施設しせつ運営うんえいの寺てらの住職じゅうしょく「監視かんしの目め行き届いきとどかず」

被害ひがいに遭あった太陽光たいようこう発電はつでん施設しせつを運営うんえいする寺てらの住職じゅうしょくによりますと、銅どう線せんケーブルが盗ぬすまれたことでおよそ4か月かげつ間かん、発電はつでんできなくなり、ゲートや防犯ぼうはんカメラの設置せっち費用ひようなどおよそ3500万まん円えんの損害そんがいが出でたということです。

住職じゅうしょくは「発電はつでん量りょうはリアルタイムでアプリに表示ひょうじされますが、晴はれているのにずっと発電はつでんされていない状態じょうたいが続つづいていて、おかしいと思おもって見みに行いったら銅どう線せんケーブルが盗ぬすまれていて本当ほんとうに驚おどろいた。発電はつでん施設しせつは人目ひとめのつかない山奥やまおくにあり監視かんしの目めが行き届いきとどかないので、どのように対策たいさくすればいいのか悩なやましい」と話はなしていました。

防犯ぼうはんカメラにゲートこじあける様子ようす

被害ひがいに遭あった太陽光たいようこう発電はつでん施設しせつの入り口いりくち付近ふきんに設置せっちされた防犯ぼうはんカメラの映像えいぞうには、2人組にんぐみがゲートを強引ごういんにこじあける様子ようすが写うつっています。

その後そのご、1台だいの黒くろい車くるまがゲートを通とおって侵入しんにゅうし、およそ5分ふん後ごに出でて行いく様子ようすが確認かくにんできます。

別べつの防犯ぼうはんカメラにも

また、別べつの場所ばしょに設置せっちされた防犯ぼうはんカメラには、侵入しんにゅうした黒くろい車くるまがソーラーパネルが設置せっちされている場所ばしょに向むかって坂さかを上のぼっていき、5分ふんほどで戻もどってくる様子ようすが確認かくにんできます。

現場げんばであらかじめ切断せつだんしておいた銅どう線せんケーブルを積つんでいるとみられます。

銅どうスクラップ 近年きんねん価格かかく上昇じょうしょう

金属きんぞくスクラップのマーケットを分析ぶんせきしている会社かいしゃによりますと、銅どうスクラップ1キロ当あたりの平均へいきん価格かかくは2013年ねんの時点じてんでは、758円えんでしたが、脱だつ炭素たんそに向むけて電気でんき自動車じどうしゃなどの生産せいさんが増ふえ、電気でんきを通とおしやすい銅どうの需要じゅようが高たかまったことなどから、近年きんねん価格かかくが上昇じょうしょうし、去年きょねんには1246円えんまで高騰こうとうしています。

全国ぜんこくで銅どう線せんケーブルなど盗ぬすまれる被害ひがい相次あいつぐ 法規ほうき制せい課題かだい

金属きんぞく価格かかくの高騰こうとうを背景はいけいに太陽光たいようこう発電はつでん施設しせつの送電そうでん用ようの銅どう線せんケーブルなど、金属きんぞくが盗ぬすまれる被害ひがいは相次あいついでいて、警察庁けいさつちょうによりますと、全国ぜんこくの被害ひがい件数けんすうは、ことし6月つきまでの半年はんとし間かんで1万まん758件けんに上のぼり、去年きょねんの同おなじ時期じきよりも3600件けん余あまり増ふえているということです。

また、去年きょねん1年間ねんかんの都道とどう府県ふけん別べつの被害ひがいは

▽茨城いばらき県けんが2889件けんと最もっとも多おおく

次ついで

▽千葉ちば県けん

▽栃木とちぎ県けん

▽群馬ぐんま県けん

▽埼玉さいたま県けんと

関東かんとう地方ちほうでの被害ひがいが全体ぜんたいの半数はんすうを占しめています。

一方いっぽう、警察けいさつはことし6月つきまでの半年はんとし間かんにカンボジア人じんやベトナム人じんのグループなどによる2200件けん余あまりを検挙けんきょしていますが、盗ぬすまれた銅どう線せんは買い取かいとり業者ぎょうしゃに売却ばいきゃくされ、不法ふほう滞在たいざいの外国がいこく人じんの収入しゅうにゅう源げんになっているとみられています。

現在げんざいの「古物ふるもの営業えいぎょう法ほう」では、切断せつだんされたケーブルなどは買い取かいとりの際さいに本人ほんにん確認かくにんが義務ぎむづけられていないため、対策たいさくの強化きょうかが課題かだいとなっていて、警察庁けいさつちょうは法律ほうりつの専門せんもん家かや金属きんぞくくずの業界ぎょうかい団体だんたいが参加さんかする会議かいぎを開ひらき、法規ほうき制せいのあり方ありかたなどを検討けんとうしています。