大型連休で
各地の
観光地がにぎわう
中、
石川県の
奥能登地域では1
年4
か月前に
発生した
能登半島地震の
影響で、
今もおよそ3
分の1の
宿泊施設が
営業を
再開していないことがNHKの
調査でわかりました。
在大型连休期间,各地旅游景点热闹非凡,但据NHK调查,受一年前四个月前发生的能登半岛地震影响,石川县奥能登地区至今仍有大约三分之一的住宿设施尚未恢复营业。
施設の再建だけでなく将来的に宿泊客をどう呼び込んでいくかが重要な課題となっています。
不仅仅是重建设施,今后如何吸引住宿客人也是一个重要课题。
石川県の能登半島は観光業が地域経済を支える主要な産業となっていますが、去年の元日に発生した能登半島地震で観光地や宿泊施設が大きな被害を受けました。
石川县的能登半岛,旅游业已成为支撑当地经济的主要产业,但去年元旦发生的能登半岛地震对旅游景点和住宿设施造成了重大损失。
地震から1年以上が経過する中、現状はどうなっているのか。
NHKは4月中旬から下旬にかけて、奥能登地域の輪島市と珠洲市、能登町、それに穴水町にある宿泊施設の営業の状況を調べました。
NHK在4月中旬至下旬,对奥能登地区的轮岛市、珠洲市、能登町以及穴水町的住宿设施营业状况进行了调查。
調査したのは自治体や観光協会の情報サイトで紹介されているホテルや民宿など109の宿泊施設で、施設への聞き取りや現地の確認、それに行政への取材などでこのうち99施設の状況が確認できました。
调查对象是由地方政府和观光协会信息网站介绍的酒店和民宿等109家住宿设施,通过对设施的访谈、实地确认以及对行政机关的采访等方式,确认了其中99家设施的情况。
その結果、全体のおよそ3分の1にあたる36の宿泊施設が、今後、営業しないことを決めたケースを含め「営業を再開していない」ことがわかりました。
结果显示,包括决定今后不再营业的案例在内,大约占整体三分之一的36家住宿设施,目前尚未恢复营业。
施設数の内訳を自治体ごとにみると
▽輪島市が17
▽珠洲市が13
▽能登町が4
▽穴水町が2となっています。
从各自治体来看,设施数量分别为:轮岛市17个、珠洲市13个、能登町4个、穴水町2个。
一方、営業を再開している宿泊施設は63と全体の半数以上あり、そのほとんどは観光客の受け入れを行っているとしています。
另一方面,已经恢复营业的住宿设施有63家,占总数的一半以上,其中大多数表示正在接待游客。
しかし、宿泊者の多くが復興工事の作業員や被災者を支援する関係者が占めるといった声も聞かれ、復旧・復興が進めばこうした宿泊者も減ることが予想されます。
然而,也有声音表示,许多住宿者是从事复兴工程的工人或支援受灾者的相关人员,随着修复与重建的推进,这类住宿者预计也会减少。
能登半島地震の被災地では、被災した施設の再建だけでなく、将来的に宿泊客をどう呼び込んでいくかが重要な課題となっています。
在能登半岛地震的灾区,不仅仅是受灾设施的重建,今后如何吸引住宿客人也是一个重要课题。
建物傾いた民宿 営業再開の見通し立たず
能登半島地震で被害を受け休業を続けている宿泊施設の中には、いまも営業再開の見通しが立っていないところがあります。
因能登半岛地震受损而持续停业的住宿设施中,有些至今仍看不到恢复营业的希望。
輪島市河井町にある「深三」は、地元の伝統家屋をイメージして建てられた木造2階建ての民宿です。
“深三”位于轮岛市河井町,是一家以当地传统民居为灵感建造的两层木结构民宿。
夫婦で民宿を営む深見大さんによりますと、民宿では地元でとれた魚を輪島塗の容器で提供するなど地域の伝統文化を感じられる雰囲気づくりにこだわっていて、例年の大型連休は多くの予約が入り観光客でにぎわっていたということです。
据经营民宿的深见大先生介绍,民宿非常注重营造能够感受到当地传统文化的氛围,比如用轮岛涂的器皿提供当地捕获的鱼类。往年在大型连休期间,都会收到大量预订,吸引众多游客前来,非常热闹。
しかし地震で大きな被害を受け、現在も建物の南側が10センチ余り沈み込んでいて、2階の客室の床も斜めに傾いてしまっています。
但是由于地震造成了严重的损害,现在建筑物南侧仍然下沉了10多厘米,二楼客房的地板也倾斜了。
1階の部屋の扉も動かすことができなくなっているほか、窓のサッシの部分にはすき間ができてしまい雨が室内に入らないようシートで覆うなどしています。
一楼房间的门也已经无法开启,窗户的框架部分出现了缝隙,为了防止雨水进入室内,只好用塑料布等覆盖住。
業者に相談したところ建物の傾きを直すためには大がかりな工事が必要だとされましたが、業者の人手不足などもあり工事を開始できる時期が決まっていません。
据咨询业者,为了纠正建筑物的倾斜,需要进行大规模的施工,但由于业者人手不足等原因,尚未确定能够开始施工的时间。
営業再開の見通しが立たないため、深見さんは週に3日、アルバイトをして生計を立てているということです。
由于看不到恢复营业的希望,深见先生每周打三天工来维持生计。
今後、施設の復旧工事が行えることになっても多額の費用がかかるとみられ、公的な補助を受けたとしても支払いができるのか不安を感じています。
即使今后能够进行设施的修复工程,预计也会花费大量费用,即使获得了政府的补助,也对是否能够支付感到不安。
深見大さん
「いつまで今の状態が続くのか、我慢しないといけないのか、先が見えないのが辛いです。
深见大先生说:“现在的状况还要持续到什么时候呢?是不是还必须忍耐下去?看不到未来,这让我很痛苦。”
貯蓄にも
限りがあり、いつまでも
待てるわけではないので、
最悪の
場合、この
場所を
離れることも
考えています」
再開した民宿 観光回復せず不安の声
営業を再開し観光客が戻りつつある宿泊施設でも、本格的な観光需要の回復には至っていないとして、不安の声が聞かれました。
储蓄也是有限的,不可能一直等待下去,最坏的情况下也在考虑离开这个地方。”重新开业的民宿表示,尽管游客正在逐渐回流,但还没有恢复到真正的旅游需求水平,因此也有人表达了不安的声音。
輪島市河井町の「お宿たなか」は1970年に営業を始めた木造3階建ての民宿で、地震で被災しましたが発生のおよそ1か月後に営業を再開しました。
轮岛市河井町的“田中旅馆”是一家于1970年开始营业的三层木结构民宿,虽然在地震中受灾,但在地震发生大约一个月后重新开业了。
経営者の田中孝一さんによりますと、去年7月からは料理の提供を行うなど観光客を受け入れていて、この大型連休中も観光客が戻りつつあるといいます。
据经营者田中孝一先生介绍,从去年7月开始已经接待游客并提供餐饮服务,今年的长假期间游客也正在逐渐回归。
家族3人で5年ぶりに訪れたという長野県の70代の男性は「料理がとてもおいしいです。
能登半島が
早く
復興して
活気ある場所になってほしい」と
話していました。
他说:“希望能登半岛能早日复兴,成为一个充满活力的地方。”
それでも観光シーズンを除くと観光客は少なく、宿泊者の多くが復旧や復興に携わる工事の関係者など占めているということです。
即便如此,除了旅游旺季以外,游客依然很少,据说大多数住宿者都是参与修复和重建工程的相关人员。
今後、被災地の復旧や復興が進み工事関係者が減少する一方で観光客の数が増えなければ、事業の継続に影響が出るのではないかと不安を感じています。
今后,随着受灾地区的恢复和重建推进,工程相关人员减少,如果游客数量没有增加,我担心这会影响到事业的持续发展。
田中孝一さん
「観光客の予約が芳しくない状況が今だけなのか今後も続くのか、わからないので心配です。
田中孝一先生说:“我担心现在游客预订不理想的情况,是暂时的,还是今后也会持续下去,目前还不清楚。”
観光客に
来ていただかないと
賑わいは
生まれないので、
少しでも
輪島の
応援に
来ていただければ
嬉しいです」
奥能登地域の観光地 影響が長期化
奥能登地域は県内有数の観光地で、能登半島地震で多くの観光業者が被害を受け、影響が長期化しています。
如果没有游客前来,就无法带来热闹的氛围,所以如果哪怕只有一点点,也希望大家能来支持轮岛,这让我很高兴。奥能登地区的旅游景点受影响时间较长。奥能登地区是县内著名的旅游胜地,在能登半岛地震中,许多旅游业者受到了损害,影响也在持续。
奥能登地域は豊かな自然に伝統的な家屋が広がり「輪島の朝市」や「白米の千枚田」、国の伝統的工芸品に指定される「輪島塗」のほか、塩を製造する技法や海からの強い風を防ぐ「間垣」と呼ばれる竹の垣根など観光資源に恵まれています。
奥能登地区拥有丰富的自然环境和传统民居,分布着“轮岛早市”、“白米千枚田”等景点,以及被指定为国家传统工艺品的“轮岛涂”。此外,还拥有制盐技法和用于防御来自大海强风的被称为“间垣”的竹篱笆等丰富的旅游资源。
県によりますと地震が発生する前の2023年に能登地域を訪れた観光客は627万人余りに上り、観光業は地域経済を支える主要な産業となっています。
据县政府介绍,2023年在地震发生前,前往能登地区的游客超过627万人,旅游业已成为支撑该地区经济的主要产业。
地震の発生から1年4か月がたちましたが、飲食店の中には今も休業や営業時間の短縮などの対応をとっているケースが少なくありません。
地震发生已经过去了一年零四个月,但仍有不少餐饮店采取停业或缩短营业时间等措施。
宿泊施設は旅館や民宿など中小規模のものが多く、地元の海産物など食材が手に入らないため食事を提供することが難しいという声も聞かれます。
住宿设施多为旅馆和民宿等中小规模的类型,也有声音反映由于难以获得当地的海产品等食材,提供餐饮服务存在困难。
石川県観光戦略課は「被災地では観光客の回復がなかなか進んでいないのが現状で、特に奥能登地域は観光地の被害のほか営業する宿泊施設や飲食店が地震の前と比べて減っていると認識している。
石川县观光战略课表示:“目前灾区的游客恢复进展缓慢,特别是奥能登地区,除了旅游景点受损之外,营业的住宿设施和餐饮店也比地震前减少了。”
観光客が
訪問できる施設を
紹介する
など情報発信を
続けていきたい」としています。
珠洲の「潮騒レストラン」大型連休にあわせ再開
大型連休にあわせ、能登半島地震と豪雨で2度にわたって被災した石川県珠洲市のレストランが営業を再開し、訪れた人たちが日本海を一望できる眺めと食事を楽しみました。
珠洲的“潮骚餐厅”在大型连休期间重新开业。配合大型连休,曾两次因能登半岛地震和暴雨受灾的石川县珠洲市餐厅恢复营业,来访者们一边欣赏日本海的美景,一边享受美食。
営業を再開したのは、建築家の坂茂さんが設計を手がけた珠洲市大谷町の「潮騒レストラン」です。
重新开业的是由建筑师坂茂先生设计的珠洲市大谷町的“潮骚餐厅”。
ガラス張りの店内や屋外のデッキからは日本海を一望することができ、訪れた人たちは眺めを楽しみながら能登の食材を生かした料理を味わっていました。
从玻璃幕墙的店内和室外的露台可以一览日本海,来访的人们一边欣赏美景,一边品尝着充分利用能登食材的料理。
この店はおととし開かれた「奥能登国際芸術祭」にあわせ、珠洲市が建設して民間の団体が運営する形でオープンしましたが、去年1月の能登半島地震で浄化槽が壊れるなど大きな被害を受けました。
这家店是在前年的“奥能登国际艺术节”期间,由珠洲市建设并由民间团体运营的形式开业的,但在去年1月的能登半岛地震中,污水处理槽等设施遭受了严重损坏。
その後、8月にいったん営業を再開しましたが、9月の豪雨で再び被災し、2度目の休業を余儀なくされました。
之后,虽然在8月一度恢复了营业,但因9月的暴雨再次受灾,不得不进行第二次停业。
店のある大谷地区は豪雨で大きな被害を受け、設備の復旧に時間がかかっていましたが、大型連休の後半にあわせておよそ7か月ぶりに営業を再開することができました。
大谷地区的店铺因暴雨遭受了重大损失,设备的修复也花费了不少时间,但赶在大型连休后半段,终于时隔大约七个月重新开业了。
東京から訪れた40代の男性は「店があることは知っていましたが、訪れたのは初めてです。
一位来自东京的40多岁男性表示:“我知道这家店的存在,但这是我第一次来。”
復興のためにも
店が
増えてほしいです」と
話していました。
「潮騒レストラン」の加藤元基店長
「久しぶりに働くことができてうれしいです。
“潮骚餐厅”的店长加藤元基表示:“能够久违地工作,我感到很高兴。”
まだ復旧の
途中ですが
その一翼を
担って
頑張っていきたいです」
専門家「宿泊施設の経営どう続けるか地域全体で考えて」
観光地の災害復興に詳しい「観光レジリエンス研究所」の高松正人代表は「能登半島に観光客はまだ戻っていないというのが正直なところだ。
我们还在复苏的过程中,但我想尽自己的一份力继续努力。” 专家表示:“关于如何维持住宿设施的经营,希望整个地区共同思考。” 对旅游地灾后重建有深入了解的“旅游韧性研究所”代表高松正人表示:“说实话,能登半岛的游客还没有恢复。”
地震前の
状況に
戻るには
かなりの
時間が
かかる」と
指摘しています。
そして「現在、宿泊施設に泊まっている工事関係者は復興工事にめどがつけば引きあげることになる。
然后,“目前住在住宿设施的工程相关人员,如果复兴工程有了眉目,就会撤离。”
そのことを
見据えて
どうやって
宿泊施設の
経営を
続けて
いくのか、
地域全体として
考えていかないといけない」と
話しています。
鉴于此,必须从整个地区的角度来思考,今后该如何继续经营住宿设施。
高松さんは、地域をあげた新たな観光戦略について、今のうちから話し合いを始めるべきだとしています。
高松先生认为,现在就应该开始讨论整个地区的新旅游战略。
そのうえで「キーワードは『今の状況で奥能登地域に来られるのが誰なのか』ということだと思う。
我认为,关键在于“在当前情况下,究竟是谁会来到奥能登地区”。
地震の
支援活動に
関わった
人や
何度も
訪れた
経験があり
好きだという
人などを
呼び込んで、
訪問する
層をだんだんと
広げて
いくことが
必要だ」と
話していました。
需要吸引那些参与过地震救援活动的人、曾多次来访并表示喜欢的人等,逐渐扩大来访者的群体。
奥能登の4自治体 地震からの1年3か月で人口10。
奥能登的四个自治体在地震后一年三个月内人口减少了10%。
2%
減少能登半島地震や豪雨で被害を受けた石川県の奥能登地域の4つの自治体の人口は、地震が起きてからことし3月末までの1年3か月で10%余り減少したことが市や町の住民登録をもとにした県のまとめでわかりました。
能登半岛地震和暴雨受灾的石川县奥能登地区4个自治体的人口,在地震发生后到今年3月底的1年3个月里,减少了10%以上。这是根据市町居民登记,由县方面汇总得出的结果。
石川県は毎月、市や町ごとの人口について住民登録をもとに公表していて、4月1日時点のデータを公表しました。
石川县每个月都会根据居民登记,公布各市町的人口数据,并已公布截至4月1日的数据。
それによりますと、地震や豪雨で被害を受けた奥能登地域の4つの市と町の転出者数は、地震が発生した去年1月1日からことし3月末までの1年3か月であわせて5207人でした。
据报道,在地震和暴雨中受灾的奥能登地区4个市町,从去年1月1日地震发生到今年3月底的1年3个月间,迁出人数合计为5207人。
自治体別に見ると
▽輪島市が2384人
▽珠洲市が1309人
▽能登町が961人
▽穴水町が553人でした。
按各自治体来看,轮岛市为2384人,珠洲市为1309人,能登町为961人,穴水町为553人。
一方、この期間の転入者数は、4つの市と町であわせて1406人と、転出者数の4分の1ほどにとどまっています。
另一方面,这一期间的迁入人数在四个市和町合计为1406人,仅为迁出人数的四分之一左右。
4月1日時点の奥能登地域の人口は推計で4万9558人となり、能登半島地震のあと初めて5万人を下回りました。
截至4月1日,奥能登地区的人口估计为49,558人,这是能登半岛地震后首次低于5万人。
去年1月1日時点の5万5213人と比べると5655人、率にして10。
与去年1月1日的5万5213人相比,减少了5655人,减少率为10%。
2%の
減少となり、ふるさとを
離れて
ほかの
地域に
移る動きが
続いています。