パレードは5日正午すぎからロンドン中心部で行われました。
騎馬隊や軍楽隊に先導されたイギリス軍の兵士など1300人以上がバッキンガム宮殿まで行進し、チャールズ国王夫妻など王室のメンバーや大戦に参加した退役軍人がその様子を見守りました。
パレードの後には、イギリス空軍のアクロバット飛行隊「レッド・アローズ」など合わせて20機以上が上空を飛行し、集まった大勢の市民からは歓声があがっていました。
また、催しにはイギリスで訓練を受けているウクライナ兵が自国の国旗を携えながら加わる姿もみられ、今回の参加について、イギリス政府はロシアの侵攻に対する「自由のための戦闘への支援を象徴するものだ」と説明しています。
スターマー首相は催しに関連し、退役軍人に宛てた書簡を公開し、「私たちの勝利は憎悪や専制政治、そして、悪に対する善の勝利でもある。歴史の絆を新たにし、将来の世代が私たちの国の物語を自分たちのものとして受け継ぐ責任がある」と述べました。
ヨーロッパでは第2次世界大戦でナチス・ドイツが降伏し、終戦を迎えてから80年の節目となる8日にかけて、犠牲者を追悼し平和を願うさまざまな催しが行われます。
第2次世界大戦に参加 99歳の男性は
かつてイギリス空軍の通信兵として第2次世界大戦に参加したデニス・ビショップさん(99)は、5日の式典を前にイギリス南部の空軍基地に招かれ顕彰状を贈られました。
ビショップさんは80年前の1945年、連合国軍の任務のためドイツ北部に駐留していたということで、ナチス・ドイツの降伏を知ったときの状況について「仲間と小さな瓶ビールを酌み交わした。周りのテントを見渡すと、みんな祝っていた」と述べ、ヨーロッパだけで数千万人が犠牲になった戦争が終わったことへの安ど感が広がっていたと振り返りました。
しかし、終戦から80年近くたってロシアがウクライナを軍事侵攻し、多くの市民が犠牲になっている現状について「昔は『これが最後の戦争になる』などと言われていたが、世界は今とんでもない状態にある。普通の市民は戦争なんて望んでおらず、家族がいて、仕事があって、住む家があれば満足している。あれもこれも奪い取ろうなんて思っていない」と述べ、懸念を示しました。
その上で「権力者が思うがままに仕切ってより多くの土地を奪おうとするのではなく、すべての国が協力して資源などを分け合い、満足することが大事だ」と述べ、戦争をなくすためには各国間の協調を推し進めることが最も重要だと訴えていました。