(1)形があって, 人の生活に何らかの役割を果たし, 持ち運びのできる程度のもの。 また, 売買の対象とするもの。
「記念の~を贈る」「よい~をそろえた店」「これはお勧めできる~です」
(2)質のよしあしなどで区別した, 物の等級。 内容などの違いによる, 物の区別。 種類。
「あれとは~が違う」「~が落ちる」「手を変え~を変え」
(3)上下の差別。 序列。 差異。
「弓といへば~なきものを/神楽歌」
(4)階段。 段。 [和名抄]
(5)人の階級。 身分。 家柄。
「口惜しき~に思ひくたし給ふとも/宇津保(俊蔭)」
(6)
(「科」とも書く)人や物に備わっている好ましい様子。 (ア)(身分が高いことを示すような)優雅なおかしがたい感じ。 また, 物の風情・情趣。 ひん。
「陪従の~おくれたる, 柳に挿頭の山吹わりなく見ゆれど/枕草子220」(イ)(人の心を引きつけようとする)気取ったしぐさ。 また, なまめかしいしぐさ。 「此の娘生まれ立ちより~をやりて/浮世草子・禁短気」
(7)事情。 次第。 事柄。
「よい場を持てば~により物干にさへ貸すならひ/浄瑠璃・二つ腹帯」
<i>~無(ナ)・し</i>
上品でない。 粗野である。
「手はあしげなるを, まぎらはし, ざればみて書いたるさま~・し/源氏(夕顔)」
<i>~によ・る</i>
場合による。
「~・つたら, 餓鬼まで出来た女房だから, すけてもやらうが/歌舞伎・四谷怪談」
<i>~好(ヨ)・し</i>
体裁がよい。 具合がよい。 人に良い感じを与える。
「お富~・く払ひのけ/歌舞伎・与話情」
<i>~を作(ツク)・る</i>
(多く女性が)こびを含んだ, 色っぽい動作・様子を見せる。