(副助)
体言, 活用語の連体形, 一部の助詞などに接続する。 古くは, 活用語の連用形, 副詞などにも接続する。
(1)他を排除して, ある事柄だけに限定する意を表す。 (ア)「学歴~がはばをきかす時代は過ぎた」「あの人のおもかげが夢に~見られて, いつまでも忘れられない」「事に触れて, 数知らず苦しき事~まされば, いといたう思ひわびたるを/源氏(桐壺)」(イ)「のみならず(また)」の形で慣用的に用いられる。
「経理があいまいである~ならず, 不正出費もかなりあるようだ」
(2)(文末に終助詞的に用いられて)それ以外に致しようがないというような意を込めて, 強く言い切る。
「なんとかしてこの苦境を逃れようと, ただあせる~」
(3)ある事柄を取り出して強調する意を表す。
「世の中はかく~ならし犬じもの道に伏してや命過ぎなむ/万葉 886」「御胸~つとふたがりてつゆまどろまれず/源氏(桐壺)」
〔(1)語源は「の身」で, 「…それ自身」と強調するのが原義といわれる。 (2)(1)は漢文における文末助辞「耳」の訓読から生じた用法。 (3)現代語では主として書き言葉に用いられ, これに相当する助詞としては, 一般に「だけ」「ばかり」の語が用いられる〕