(1)多くの人が集まって物を売買する場所。 律令制時代には, 官設の市が平城京・平安京それぞれの東西にひらかれ, 地方の国府にも設けられた。 中世以後, 交通の要地に設けられ, また次第に定期市として発達し, 貨幣の流通によって交換の場から商業市場へと発展。
「縁日には~が立つ」
(2)多くの人が集まるところ。
→ 市をなす
(3)まち。 市街。
「数ならぬわが身は~の溝なれや行きかふ人の越えぬなければ/散木奇歌集」
<i>~が栄・えた</i>
〔「一期(イチゴ)栄えた」の転じたものという〕
御伽(オトギ)話・昔話などの最後につける言葉。
「めでたし, めでたし」の意。 「すぐにお蔦が, 新しい半襟を一掛礼に遣つて, 其の晩は~・えたが/婦系図(鏡花)」
<i>~に帰(キ)するが如(ゴト)し</i>
〔孟子(梁恵王下)〕
市に人が集まるように, 仁徳のある人のところに人々が慕い集まる。
<i>~に虎(トラ)あり</i>
〔三人の人が市に虎がいると言えば, 実際には虎がいなくてもいると信じられるようになるという「戦国策(魏策)」「韓非子(内儲説上)」などの故事から〕
根も葉もないうわさでも, 多くの人が口にするうちに本当のことと信じられるようになる。 三人市虎(シコ)をなす。
<i>~に虎を放(ハナ)つ</i>
〔人の多く集まる市に虎を放す意から〕
非常に危険なことのたとえ。
<i>~を為(ナ)・す</i>
多くの人が集まる。
「門前~・す」