検索けんさくが危あぶない!? 悪用あくようされるネット広告こうこく

家庭かてい用ようゲーム機き「プレイステーション5」です。

通常つうじょうの販売はんばい価格かかくより若干じゃっかん割高わりだかではあるものの、迷まよわず購入こうにゅうを決意けつい。

販売はんばいサイトは「会員かいいん登録とうろく」が必要ひつようとされていて、メールアドレスを登録とうろくし、パスワードを設定せってい。住所じゅうしょや生なま年月としつき日びなども入力にゅうりょくしました。銀行ぎんこう振込ふりこみでの支払しはらいを選えらび、すぐに近所きんじょのATMで代金だいきんを振り込ふりこみました。振り込ふりこみ先さきは、個人こじん名義めいぎの口座こうざでした。

あわてて振り込ふりこんだものの、名義めいぎが法人ほうじんでないことに少すこし違和感いわかんを覚おぼえ、少すこしたってから念ねんのためサイト名めいを検索けんさくしてみました。

すると…

「詐欺さぎサイト」だと指摘してきする情報じょうほうが複数ふくすう見みつかったのです。

すぐに振り込ふりこみを依頼いらいした銀行ぎんこうに連絡れんらくして振込ふりこみ中止ちゅうしを依頼いらいしましたが、振り込ふりこみはすでに完了かんりょう。その2日にち後ご、送金そうきんした先さきの銀行ぎんこうにも直接ちょくせつ確認かくにんすると、振り込ふりこみから24時間じかん以内いないに引き出ひきだされたと回答かいとうがあったということです。

結局けっきょく、商品しょうひんが届とどくことも、代金だいきんが返金へんきんされることありませんでした。

被害ひがいにあった男性だんせい

「いつも使つかう検索けんさくサイトなので安心あんしんしきっていました。検索けんさくした結果けっか、最さい上位じょういに広告こうこくが表示ひょうじされることも知しらなかったし、詐欺さぎのサイトが紛れ込まぎれこんでいるとは思おもいませんでした。起おきてしまったことは仕方しかたがないですが、『だまされた、ふざんけんな』という気持きもちが強つよいです」

12月つきに表示ひょうじされた広告こうこくは、「えきねっと」や「JR東日本ひがしにっぽん」という文字もじが表示ひょうじされていたももの、URLの末尾まつびのドメインは「.su」（ソビエト連邦れんぽう）で、本物ほんものとは異ことなっていました。

このサイトは、カード番号ばんごうやパスワードなどを盗ぬすみ取とる“フィッシングサイト”と見みられます。

前まえの年としに比くらべて1万まん940件けん、増加ぞうかしました。

通報つうほう者しゃがこうした悪質あくしつなサイトを知しった理由りゆうについては、メールやSNSからの誘導ゆうどうを上回うわまわって、「インターネットの検索けんさく結果けっか」が6割わりにのぼっています。

ことし3月つき、愛知あいち県警けんけいがリスティング広告こうこくを悪用あくようした「詐欺さぎサイト」に関かかわるメンバーを検挙けんきょ。警察けいさつによりますと、検挙けんきょされたメンバーが関かかわった「詐欺さぎサイト」では「プレイステーション5」の販売はんばいをうたって代金だいきんを振り込ふりこませていて、被害ひがい額がくは、去年きょねん3月つきからことし1月つきまでの11か月かげつ間かんに全国ぜんこくで少すくなくとも3000万まん円えんに上のぼっています。

「詐欺さぎサイト」は摘発てきはつを免まぬかれるため、細こまかい変更へんこうを繰り返くりかえしながら運営うんえいしているとみられ、こうした手口てぐちのサイトが、少すくなくとも36件けん確認かくにんされているということです。

警察けいさつは、記事きじの冒頭ぼうとうで紹介しょうかいした高知こうち県けんの男性だんせいがだまされたサイトも関連かんれんがあるとみています。

広告こうこく枠わくに表示ひょうじされるには、高たかい金額きんがくで落札らくさつすることはもちろん、そのほかにも、キーワードとサイトの内容ないようとの関連かんれん性せいや、検索けんさくしたユーザーの所在地しょざいちや時間じかん帯たいなど、さまざまな要素ようそによって決きまっていると言いいます。

ゲーム機きの販売はんばいをかたるサイトや切符きっぷの予約よやくサイトなどが広告こうこく枠わくに表示ひょうじされたのは、こうした仕組しくみのもと、悪質あくしつサイトの“運営うんえい側がわ”が、広告こうこく表示ひょうじの権利けんりを“落札らくさつ”したと考かんがえられます。

検索けんさくサイトでのリスティング広告こうこくは、通常つうじょうの検索けんさく結果けっかより上位じょういに表示ひょうじされる仕組しくみになっていて、たとえ悪質あくしつサイトの広告こうこくであっても、審査しんさをすり抜すりぬけ、広告こうこく枠わくを落札らくさつすれば、上位じょういに表示ひょうじされてしまうこともあるのです。

Google回答かいとう

「悪意あくいある第三者だいさんしゃがGoogleのシステムを回避かいひするために使用しようする最新さいしんの方法ほうほうを認識にんしきし、機械きかい学習がくしゅうモデルを定期ていき的てきに更新こうしんして広告こうこく関連かんれんの詐欺さぎなどの発信はっしん元もとにフラグを立たてています。システムが、新あたらしい広告こうこく関連かんれんの詐欺さぎのパターンを学習がくしゅうすることで、悪質あくしつな広告こうこくが配信はいしんされる前まえに、広告こうこくやアカウントをより積極せっきょく的てきに検出けんしゅつし対処たいしょすることが可能かのうとなっています」

一方いっぽうで、「システムは常つねに改善かいぜんされていますが、攻撃こうげきの手法しゅほうが変化へんかするにつれて、不正ふせいな広告こうこくが見落みおとされる可能かのう性せいがあります」としました。

このうちの一ひとつにアクセスしてみると、Amazonのログイン画面がめんにそっくりのページが。ただ、URLをよく見みてみると正規せいきのサイトとは異ことなっていました。

メールアドレスやパスワードを入力にゅうりょくし、「ログイン」をクリックすると、「重要じゅうようなお知おしらせ」という表示ひょうじが出でてきました。

※セキュリティー会社かいしゃによるデモンストレーションなので、実際じっさいには、絶対ぜったいに入力にゅうりょくしないでください

IDとパスワードを繰り返くりかえし入力にゅうりょくさせ、複数ふくすうの組み合くみあわせのパスワードを盗ぬすみ取とろうとする、巧妙こうみょうなフィッシングサイトだと考かんがえられます。

この「クローキング」、当然とうぜんながら、検索けんさくサイト側がわから禁止きんしされている極きわめて悪質あくしつな行為こういです。

だまされないためには、

▽「検索けんさく上位じょういに表示ひょうじされるもの＝正ただしい情報じょうほうとは限かぎらない」という意識いしきを持もつことです。

検索けんさくからログインサイトへアクセスするのではなく、

▽アカウントを作成さくせいした際さいにあらかじめブックマークを設定せっていしておくことや、

▽公式こうしきアプリを利用りようすること、

▽それに補助ほじょ的てきにフィッシングを判定はんていするソフトなどを入いれておくことが有効ゆうこうです。

初はじめて利用りようするサイトなどは、限度げんど額がくがあるプリペイド式しきのカードを活用かつようするといった工夫くふうでリスクを最小さいしょう限げんに抑おさえることもできます。

私わたしたちの生活せいかつに欠かかせない検索けんさくサイトですが、悪質あくしつサイトが紛れ込まぎれこんでいるというリスクを意識いしきした上うえで、使つかいこなすことが必要ひつようです。