【詳くわしく】マイナンバー相次あいつぐトラブル 何なにが起おきた？今後こんごは？

デジタル庁ちょうでは、登録とうろくされた口座こうざの名義めいぎが本人ほんにんと異ことなる場合ばあいには給付きゅうふ金きんを受け取うけとれない可能かのう性せいがあるとして、本人ほんにん名義めいぎの口座こうざに変更へんこうするよう呼よびかけていくことにしています。

公金こうきん受取うけとり口座こうざをめぐっては、これとは別べつに別べつの人ひとのマイナンバーに登録とうろくされるミスが全国ぜんこくの15の自治体じちたいで21件けんが確認かくにんされています。

【マイナ保険ほけん証しょうに他人たにんの情報じょうほう】

政府せいふは、今いまの健康けんこう保険ほけん証しょうを来年らいねん秋あきに廃止はいしし、マイナンバーカードに一体いったい化かすることを目指めざしていますが、マイナンバーカードと一体いったい化かした健康けんこう保険ほけん証しょうに他人たにんの情報じょうほうが登録とうろくされていたケースが、7312件けん確認かくにんされています。

厚生こうせい労働ろうどう省しょうは、主おもな原因げんいんは、健康けんこう保険ほけんを運営うんえいする組合くみあいによる、加入かにゅう者しゃ情報じょうほうの入力にゅうりょくミスだったとして先月せんげつ23日にちに、およそ3400ある全国ぜんこくすべての組合くみあいに対にたいし、これまでの入力にゅうりょく作業さぎょうでルールを守まもっていたか点検てんけんを要請ようせいしています。

点検てんけんの結果けっか、ルールを守まもっていなかった場合ばあいは入力にゅうりょくされた情報じょうほうが正ただしいかどうか、改あらためてデータの照会しょうかいをかけて確認かくにんを行おこない、来月らいげつ末まつまでに報告ほうこくするよう求もとめています。

【コンビニで他人たにんの証明しょうめい書しょ発行はっこう】

マイナンバーカードを使つかい、コンビニで住民じゅうみん票ひょうの写うつしや戸籍こせき証明しょうめい書しょなどを交付こうふするサービスでは、別人べつじんの証明しょうめい書しょが発行はっこうされるトラブルが、あわせて14件けん起おきたほか、システム設定せっていの誤あやまりで住所じゅうしょ変更へんこうが反映はんえいされず、古ふるい証明しょうめい書しょが発行はっこうされる不ふ具合ぐあいが1日にち、新あらたに9件けん確認かくにんされています。

また、すでに登録とうろくを抹消まっしょうした印鑑いんかん登録とうろく証明しょうめい書しょが誤あやまって発行はっこうされるトラブルも、13件けん確認かくにんされています。

【公金こうきん受取うけとり口座こうざが別人べつじんのマイナンバーに登録とうろく】

マイナンバーにひも付つけて登録とうろくすることで、国くにの給付きゅうふ金きんなどを受け取うけとることができる「公金こうきん受取うけとり口座こうざ」をめぐっては、別べつの人ひとのマイナンバーに登録とうろくされるトラブルが相次あいついでいます。

これまでに15の自治体じちたいであわせて21件けんに上のぼっていて、関連かんれんするシステムの総そう点検てんけんを実施じっしするとともに、誤あやまった登録とうろくを防ふせぐためのシステム改修かいしゅうを進すすめています。

【マイナポイントが他人たにんに付与ふよ】

さらにマイナンバーカードの取得しゅとくなどで、ポイントがつく「マイナポイント」が、誤あやまって他人たにんに付与ふよされたケースが97の自治体じちたいで、あわせて121件けん確認かくにんされ、デジタル庁ちょうでは本人ほんにん確認かくにんを厳格げんかくに行おこなうシステムに改修かいしゅうを進すすめています。

マイナンバーと公金こうきん受取うけとり口座こうざに登録とうろくする金融きんゆう機関きかんの口座こうざの名義めいぎは照合しょうごうできない仕組しくみとなっています。

デジタル庁ちょうのホームページのよくある質問しつもんのページには、「こどもは銀行ぎんこう口座こうざを持もっていません。代かわりに親おやの口座こうざを登録とうろくできますか」という質問しつもんに対にたいして、「登録とうろく者しゃ本人ほんにんと異ことなる名義めいぎの口座こうざを公金こうきん受取うけとり口座こうざとして登録とうろくすることはできません」と案内あんないされています。

しかし、実際じっさいにはマイナンバーの登録とうろく者しゃと違ちがう名義めいぎの口座こうざを公金こうきん受取うけとり口座こうざとして登録とうろくすることができるのが現状げんじょうです。その背景はいけいにはマイナンバーと公金こうきん受取うけとり口座こうざに登録とうろくする金融きんゆう機関きかんの口座こうざの名義めいぎが照合しょうごうできない仕組しくみがあります。

その上うえで「マイナンバーカードへの信頼しんらい確保かくほに向むけ、一連いちれんの事案じあんに関にかんする全すべてのデータやシステムの再さい点検てんけんを行おこなうとともに、インシデントなどへの対応たいおうや、ヒューマンエラーを防ふせぐデジタル化かを徹底てっていするなど、対策たいさくを強化きょうかしてもらいたい」と述のべ、河野こうのデジタル大臣だいじんに対にたいし対応たいおうの強化きょうかを図はかるよう改あらためて指示しじしました。

その後そのご、ほかの会社かいしゃが運営うんえいするシステムでも住所じゅうしょの変更へんこうが反映はんえいされていない証明しょうめい書しょなどが発行はっこうされるトラブルが確認かくにんされています。

このためデジタル庁ちょうは、国くにと地方ちほう公共こうきょう団体だんたいが管理かんりする「J-LIS＝地方ちほう公共こうきょう団体だんたい情報じょうほうシステム機構きこう」を通をつうじてシステムを運営うんえいする全国ぜんこくおよそ50社しゃで点検てんけんが行おこなわれていることを明あきらかにしました。点検てんけんは、システムを止とめずに行おこなわれ、同おなじようなトラブルが起おきていないか確認かくにん作業さぎょうが進すすめられています。

去年きょねん6月末げつまつに、最大さいだい2万まん円えん分ぶんのポイントがもらえる「マイナポイント第だい2弾だん」の申し込もうしこみが始はじまったことを受うけて、翌よく7月つきには、前まえの月つきの倍ばい以上いじょうのおよそ147万まん枚まいの申請しんせいがありました。

ポイントが与あたえられる対象たいしょうとなるカードの申し込もうしこみ期限きげんとされた去年きょねん9月つきは、1か月かげつでおよそ587万まん枚まいの申請しんせいがありました。

カードの申込もうしこみ期限きげんはその後そのご2回かいにわたって延長えんちょうされ、2回かい目めの期限きげんとなった12月つきには658万まん枚まいあまり、3回かい目めの期限きげんとなったことし2月つきには、月間げっかんでは過去かこ最多さいたとなる758万まん枚まいあまりの申請しんせいがありました。

最終さいしゅう日びとなる2月つき28日にちには、自治体じちたいの窓口まどぐちが混雑こんざつし、総務そうむ省しょうは、申請しんせいを1日にち延長えんちょうする緊急きんきゅう措置そちをとるなど対応たいおうに追おわれました。4日にち時点じてんでのカードの累計るいけいの申請しんせい枚数まいすうは国民こくみんの77％にあたる9707万まん枚まいあまりとなっています。

こうしたトラブルが、マイナポイントの導入どうにゅうで、カードの申請しんせいが急増きゅうぞうする中なかで起おきたことについて「ポイント事業じぎょうによる性急せいきゅうな普及ふきゅう、そしてマイナンバー制度せいどが急速きゅうそくに広ひろがりを見みせている中なかで人ひとが対応たいおうできない、十分じゅうぶんなシステム対応たいおうができていないからこそ事故じこが相次あいついでしまった。一定いっていの長ながいスパンの中なかで、まずはシステム的てきなミスが生しょうじないかどうか、こういったことをチェックしていく作業さぎょうが必要ひつようだったのではないかと、

デジタル化かというのは、そもそも時間じかんがかかるものです。安全あんぜん第だい一いちで進すすめることが大切たいせつです」としています。