天皇てんのう皇后こうごう両りょう陛下へいか きょう ご結婚けっこんから30年ねん

その全文ぜんぶんです。

今日きょうで結婚けっこん30年ねんを迎むかえると思おもうと、感慨かんがいもひとしおです。

30年ねん前まえ、雨あめの降ふる中なかで執り行とりおこなわれた結婚けっこんの儀ぎや午後ごごの朝見ちょうけんの儀ぎ、多おおくの方ほうから温あたたかい祝福しゅくふくを頂いただいたパレードなどを懐なつかしく思い出おもいだします。

この30年間ねんかんに我が国わがくにと世界せかいは大おおきな変化へんかを経へてきましたが、そうした道みちのりの中なかで、たくさんの方ほうからの助たすけを頂いただきながら、二に人にんで多おおくのことを経験けいけんし、互たがいに助け合たすけあいつつ、喜よろこびを分わかち合あい、そして時ときには悲かなしみを共ともにし、これまでの歩あゆみを進すすめてこられたことに深ふかい感謝かんしゃの念ねんを覚おぼえます。

また、この3年ねん余あまりの間まには、新型しんがたコロナウイルス感染かんせん症しょうが社会しゃかいに大おおきな影響えいきょうを与あたえ、世界中せかいじゅうの人々ひとびとが多おおくの困難こんなんに直面ちょくめんしてきました。

我が国わがくにでは、新型しんがたコロナウイルス感染かんせん症しょうの問題もんだいが少すこしずつ落ち着おちつきを見みせ、人々ひとびとが日常にちじょうの生活せいかつを取り戻とりもどしつつあることに安堵あんどしておりますが、同時どうじに、今いまなお様々さまざまな困難こんなんを抱かかえている人々ひとびとの身の上みのうえを案あんじています。

それとともに、まだ課題かだいも残のこる中なか、新あたらしいコミュニティー作づくりを始はじめ、被災ひさい地ちが今後こんご更さらに復興ふっこうしていくことを心こころから願ねがっております。

上皇じょうこう上じょう皇后こうごう両りょう陛下へいかが、常つねに国民こくみんの幸しあわせを願ねがわれながら、心こころを込こめてお務つとめに取り組とりくんでこられたお姿すがたを私わたしたちも拝見はいけんしてきましたが、そうしたなさりようを心こころに刻きざみながら、今後こんごとも国民こくみんの幸しあわせを願ねがい、二に人にんで協力きょうりょくしながら務つとめを果はたしていくことができればと考かんがえています。

世界せかいや社会しゃかいの変化へんかはこれからも続つづくものであり、そうした変化へんかに応おうじて私わたしたちの務つとめに対にたいする社会しゃかいの要請ようせいも変かわってくるものと思おもわれますが、そうした中なかでも、国民こくみんと苦楽くらくを共ともにするという皇室こうしつの在り方ありかたが大切たいせつであるとの考かんがえを今後こんごとも持もち続つづけていきたいと思おもいます。

これからも各地かくちに足あしを運はこび、高齢こうれいの方ほうや若者わかものたち、社会しゃかいを支ささえる人ひとや苦労くろうを抱かかえる人ひとなど、多おおくの人々ひとびとと出会であって話はなしを聞きき、時ときには言葉ことばにならない心こころの声こえに耳みみを傾かたむけながら、困難こんなんな状況じょうきょうに置おかれた人々ひとびとを始はじめ、様々さまざまな状況じょうきょうにある人ひとたちに心こころを寄よせていきたいと思おもいます。

そして、そのような取組とりくみのうちに、この国くにの人々ひとびとの新あらたな可能かのう性せいに心こころを開ひらき続つづけていくことができればと考かんがえています。

愛子いとしごは、私わたしたちの生活せいかつを楽たのしく和なごやかなものにしてくれるだけでなく、愛子あいこが学まなび、経験けいけんする一ひとつ一ひとつのことが、私わたしたちにとっても新あらたな学まなびへとつながっていると感かんじます。

この機会きかいに、国民こくみんの皆様みなさまより寄よせていただいている温あたたかいお気持きもちに対にたいして、改あらためて感謝かんしゃの気持きもちをお伝おつたえしたいと思おもいます。

これからの時代じだいが、皆様みなさまにとって明あかるい希望きぼうと夢ゆめを持もって歩あゆみを進すすめていくことのできるものとなるよう心こころから願ねがっています。

映像えいぞうは、先月せんげつ30日にちに皇居こうきょにある蚕かいこの飼育しいく施設しせつで撮影さつえいされ、両りょう陛下へいかと長女ちょうじょの愛子あいこさまが「蔟まぶし」（まぶし）と呼よばれる器具きぐから蚕かいこの繭まゆを取り出とりだして収穫しゅうかくする「繭まゆ掻かき」（まゆかき）と呼よばれる作業さぎょうをされています。

皇室こうしつでは、明治めいじ時代じだいから歴代れきだいの皇后こうごうが蚕かいこを育そだてていて、側近そっきんによりますと、この日ひ、皇后こうごうさまは、天皇てんのう陛下へいかや愛子あいこさまと繭まゆの形かたちや大おおきさについて和なごやかに話はなしながら作業さぎょうされたということです。

天皇てんのうご一家いっかは、ことし4月つき5日にちから10日にちまで栃木とちぎ県けん高根沢たかねざわ町まちにある宮内庁くないちょうの御料ごりょう牧場ぼくじょうで静養せいようされました。

提供ていきょうされた写真しゃしんでは、滞在たいざい中ちゅうに生うまれ、愛子あいこさまが「レインボー」と名付なづけられたメスの子こ牛うしとご一家いっかが触ふれあわれる様子ようすや、皇后こうごうさまや愛子あいこさまが馬うまににんじんを与あたえられる場面ばめんが写うつされています。

ご一家いっかは、動物どうぶつと接せっする際さい、防疫ぼうえき対策たいさくとして、防護ぼうご服ふくを着用ちゃくようされたということです。

別べつの写真しゃしんでは、収穫しゅうかくした大おおきな大根だいこんを持もって、両りょう陛下へいかと愛子あいこさまが笑顔えがおを向むけられています。

しかし、その2年ねん後ご、皇后こうごうさまは体調たいちょうを崩くずし、療養りょうよう生活せいかつに入はいられました。

宮内庁くないちょうは「適応てきおう障害しょうがい」という診断しんだん結果けっかを公表こうひょう。

慣なれない環境かんきょうと大おおきなプレッシャーの中なかで、公務こうむと子育こそだてによる心身しんしんの疲つかれをためられていたのです。

天皇てんのう陛下へいかは、記者きしゃ会見かいけんで皇后こうごうさまを支ささえ続つづける決意けついを述のべられました。

皇后こうごうさまは体調たいちょうに波なみがあり、公務こうむを重かさねるのが難むずかしい状況じょうきょうが続つづきますが、平成へいせい23年ねん（2011年ねん）に東日本ひがしにっぽん大震災だいしんさいが発生はっせいすると、両りょう陛下へいかで、大おおきな被害ひがいを受うけた東北とうほく3県けんを相次あいついで訪おとずれ、被災ひさい者しゃを見舞みまわれました。

平成へいせい25年ねん（2013年ねん）には皇后こうごうさまにとって、11年ねんぶりの外国がいこく公式こうしき訪問ほうもんとなったオランダへの訪問ほうもんが実現じつげんし、回復かいふくに向むけた大おおきな一いち歩ほを踏み出ふみだされました。

上皇じょうこうさまの退位たいいに伴ともない、即位そくいした天皇てんのう陛下へいかは、令りょう和わ元年がんねん（2019年ねん）10月つき、皇居こうきょ・宮殿きゅうでんで皇后こうごうさまとともに「即位そくい礼れい正殿せいでんの儀ぎ」に臨のぞみ、即位そくいを内外ないがいに宣言せんげんされました。

しかし、令りょう和わ2年ねん（2020年ねん）、新型しんがたコロナウイルスの感染かんせんが世界せかい的てきに拡大かくだいし、両りょう陛下へいかが人々ひとびとと直接ちょくせつ触ふれあう機会きかいは失うしなわれました。

翌年よくねんの元日がんじつ、両りょう陛下へいかは「団結だんけつして苦難くなんを乗り越のりこえてほしい」と国民こくみんに向むけて初はじめて、ビデオメッセージを発信はっしんされました。

さらに、オンラインを通つうじた人々ひとびととの交流こうりゅうを始はじめられました。

去年きょねん（2022年ねん）からは感染かんせんの状況じょうきょうをみながら地方ちほうへの訪問ほうもんを再開さいかいし、今月こんげつ、東日本ひがしにっぽん大震災だいしんさいで大おおきな被害ひがいを受うけた岩手いわて県けんも訪問ほうもんされました。