アメリカ
議会上院は
与野党の
対立が
続いて、
政府の
暫定予算が
切れる
前に、
新たな
予算案を
可決することができず、トランプ
大統領の
就任からちょうど
1年となる
20日、
政府機関が
一部閉鎖される
事態となりました。トランプ
大統領は、ことし
9月までの
今年度の
予算案で、メキシコとの
国境沿いに
壁を
建設する
費用を
要求している
一方、
野党・
民主党は、
子どもの
時に
親に
連れられて
不法入国した
若者を
強制送還しないようにする
対応策を
求めています。
今の暫定予算が19日に切れるため、議会下院はひとまず来月16日までの新たな暫定予算案を可決しましたが、議会上院では、与野党の間で調整がつかず、新たな予算案を可決できませんでした。
このため、必要な予算が手当てできず、トランプ大統領の就任からちょうど1年となる20日、政府機関が一部閉鎖される事態となりました。
これは、オバマ前政権のもとで起きた2013年10月以来のことで、トランプ大統領にとって打撃になりそうです。ただ、20日と21日は週末のため、目立った影響は出ないと見られます。
新たな予算案が可決されなければ週明け以降国防や治安など国の安全などに直結する業務を除く多くの機関の職員が、自宅待機を命じられるなど影響が出る見通しです。
ホワイトハウス声明「責任は上院の民主党」
ホワイトハウスのサンダース報道官は声明を出し、「閉鎖の責任は上院の民主党にある。彼らは私たちの安全保障や軍人の家族、かよわい子どもたち、そして国家よりも政争を優先させた」として民主党を非難しました。
そのうえで、民主党が子どもの時に親に連れられて不法入国した若者を強制送還しないようにする対応策を求めていることをめぐり、「民主党が合法な市民を人質にとって無謀な要求を掲げている間は、違法な移民の地位に関する交渉をするつもりはない」として、予算案を通過させないかぎり移民政策をめぐる交渉には応じない姿勢を示し、民主党側に譲歩を迫りました。
政府機関閉鎖の影響は
政府機関が一部閉鎖される事態となりましたが、20日と21日は週末のため目立った影響は出ないとみられます。
また、前回の2013年の政府閉鎖の際は全米で国立公園が閉鎖されましたが、トランプ政権は閉鎖しないとしています。
アメリカメディアによりますと、首都ワシントンのスミソニアン博物館や国立動物園も今週末は閉鎖されないということです。
ただ、週明け以降も予算が成立しない場合、スミソニアン博物館や国立動物園は閉鎖され、観光などに影響が出るおそれがあります。
さらに、国防や治安、医療など国の安全や国民生活に直結する業務は継続されるものの、多くの職員が自宅待機を命じられ、業務に影響が出る見通しです。
アメリカメディアによりますと、環境保護局や日本の国税庁にあたるIRS=内国歳入庁などでは9割程度の職員が自宅待機となり大部分の業務が停止されるということです。
また、厚生省では医療保険の業務などに影響は出ないものの半分程度の職員が自宅待機となる見通しです。
2013年の閉鎖の際は最も多い日でおよそ85万人の政府職員が自宅待機となったとされています。
一方、警察や消防、郵便などに影響はないほか、全米各地の空港での管制業務や手荷物検査などは通常どおり行われる予定です。
また、アメリカ軍では訓練や装備品の整備などが中止される可能性はあるものの、兵士は国内外で任務にあたり続けるということです。
そして、ホワイトハウスはトランプ大統領が来週、スイスのダボスで開かれる世界経済フォーラムの年次総会、いわゆる「ダボス会議」に出席する予定に変更はないとしているほか、国務省も当面は通常どおり業務を続けるとしています。
アメリカメディアは特別検察官によるいわゆるロシア疑惑の捜査も影響はなく続くと伝えています。