地球ちきゅう最後さいごまで「のこふん」” 終末しゅうまつ時計とけい 冷戦れいせんなら

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Jan 26, 2018 04:01
Furigana
Japanese newspaper
地球ちきゅう最後さいごまでののこ時間じかん象徴しょうちょうてきしめす「終末しゅうまつ時計とけい」の時刻じこく発表はっぴょうしてきたアメリカの科学かがく雑誌ざっしは、北朝鮮きたちょうせんかく・ミサイル開発かいはつ加速かそくしていることや、トランプ大統領だいとうりょうかく政策せいさく予測よそくできないことなどから、時計とけいはりさんぜろびょうすすめ、冷戦れいせんいちきゅうさんねんならんで、過去かこ最短さいたんの「のこふん」になったとして、つよ危機ききかんしめしました。アメリカの科学かがく雑誌ざっし、「ブレティン・オブ・ジ・アトミック・サイエンティスツ」は、にち首都しゅとワシントンで記者きしゃ会見かいけんひらき、地球ちきゅう最後さいごまでののこ時間じかん象徴しょうちょうてきしめす「終末しゅうまつ時計とけい」のはりさんぜろびょうすすめ、「のこふん」になったと発表はっぴょうしました。

のこふん」は、冷戦れいせんにアメリカときゅうソビエトが水爆すいばく実験じっけんおこなったいちきゅうさんねんならんで、過去かこ最短さいたんです。

理由りゆうについては、北朝鮮きたちょうせんかく・ミサイル開発かいはつ加速かそくしていることや、トランプ大統領だいとうりょうかく政策せいさく予測よそくできないことなどから、かく戦争せんそう危険きけんせいたかまっているとしており、つよ危機ききかんしめしています。

また、トランプ大統領だいとうりょうがパリ協定きょうていからの脱退だったい表明ひょうめいするなど、地球ちきゅう温暖おんだん対策たいさく停滞ていたいしていることや、トランプ政権せいけん登場とうじょうでこれまでの国際こくさい秩序ちつじょくずれ、外交がいこう交渉こうしょうすすまないことなども理由りゆうげました。

そのうえでこの科学かがく雑誌ざっしは、北朝鮮きたちょうせんとので、非核ひかくけた対話たいわ目指めざし、トランプ大統領だいとうりょう非難ひなん応酬おうしゅうをやめることや、各国かっこく地球ちきゅう温暖おんだん対策たいさく強化きょうかすることなどで、危機ききとおざけることができると指摘してきし、迅速じんそく行動こうどうびかけています。

終末しゅうまつ時計とけい」これまでの一進一退いっしんいったい

終末しゅうまつ時計とけい」は、かく戦争せんそう脅威きょういについて警告けいこくしようと、冷戦れいせん初期しょきいちきゅうよんななねん科学かがく雑誌ざっし表紙ひょうし登場とうじょうし、地球ちきゅう滅亡めつぼうまで「のこななふん」とされました。

当時とうじ核兵器かくへいき保有ほゆうしていたのはアメリカだけでしたが、いちきゅうよんきゅうねんきゅうソビエトがかく実験じっけんおこない、核兵器かくへいき保有ほゆうするにいたったさいには「のこさんふん」に、いちきゅうさんねんには、べいソが水爆すいばく実験じっけんおこなったのをけて、これまででもっと地球ちきゅう滅亡めつぼうちかい「のこふん」まですすめられました。

いちきゅうろくぜろ年代ねんだいからななぜろ年代ねんだいにかけては、フランスと中国ちゅうごくあらたにかく保有ほゆうこくとなったり、ベトナム戦争せんそうなど地域ちいきてき衝突しょうとつはげしさをしたりしたさいはりすすめられた一方いっぽうで、部分ぶぶんてきかく実験じっけん禁止きんし条約じょうやくNPTえぬぴ-てぃ-かく拡散かくさん防止ぼうし条約じょうやく発効はっこうするなど、核軍縮かくぐんしゅくべいソの対立たいりつ回避かいひけたうごきがられると、はりは「のこいちふん」にもどされました。

しかし、いちきゅうはちぜろ年代ねんだいにかけて、はりふたたすすめられます。世界せかい全体ぜんたい核兵器かくへいきかずろくまんはつえるなど、かく軍縮ぐんしゅくすすまなかったうえ、きゅうソビエトがアフガニスタンに侵攻しんこうするなどべいソの対立たいりつふかまったことから、いちきゅうはちいちねんには「のこよんふん」に、そして、いちきゅうはちよんねんには「のこさんふん」にまですすめられました。

その後そのごきゅうソビエトのゴルバチョフ書記しょきちょう登場とうじょうべいソの対立たいりつやわらぎ、冷戦れいせん終結しゅうけつして核軍縮かくぐんしゅく機運きうんたかまったことをけ、いちきゅうきゅういちねん時計とけいはり地球ちきゅう滅亡めつぼうからもっととおい「いちななふんまえ」にまでもどされました。

ところが、いちきゅうきゅうはちねんにインドとパキスタンが相次あいついでかく実験じっけんおこなったことや、アメリカなどかく保有ほゆうこく核兵器かくへいき近代きんだいすすめるなど、核軍縮かくぐんしゅくのペースがちたことにくわえ、いち世紀せいきはいってからは、地球ちきゅう温暖おんだん対策たいさくすすまないことも考慮こうりょされ、はりすすめられました。

さらに去年きょねんには、北朝鮮きたちょうせんによるかく・ミサイル開発かいはつや、アメリカ・トランプ政権せいけん核兵器かくへいき地球ちきゅう温暖おんだんをめるぐ政策せいさくへの懸念けねんなどから、はりが「のこふんはん」まですすめられていました。

科学かがく雑誌ざっし中心ちゅうしんメンバーが警告けいこく

科学かがく雑誌ざっし中心ちゅうしんメンバーで、アリゾナ州立しゅうりつ大学だいがくのローレンス・クラウス教授きょうじゅは、にち記者きしゃ会見かいけんで、「現在げんざいべいソの冷戦れいせん同様どうようかく戦争せんそうによる破滅はめつ危機ききせまっているが、政府せいふやメディア、それに科学かがく事実じじつそのものに信頼しんらいかれなくなり、世界せかい直面ちょくめんする問題もんだい対応たいおうするのがむずかしくなっている」と警告けいこくしました。

そのうえで、「わたしたちは、これまでの危機ききでも時計とけいはりもどすことができた。政府せいふなどに対にたいし、ただしい行動こうどうをとるよううながしていかなければならない」とべました。

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