アメリカのトランプ
大統領は、スイスで
開かれている
世界経済フォーラムの
年次総会、いわゆるダボス
会議で
演説し、
世界は
強いアメリカの
復活を
目の当たりにしているとして
経済政策の
成果を
強調したうえで、TPP=
環太平洋パートナーシップ
協定には
再交渉を
前提に
復帰する
可能性を
示唆しました。トランプ
大統領は
26日、アメリカの
大統領としては
18年ぶりに
出席したダボス
会議で、
世界各国から
集まった
政財界のリーダーを
前に
演説しました。
この中でトランプ大統領は「世界は、強く、繁栄したアメリカの復活を目の当たりにしている。アメリカはビジネスに開かれており、再び競争力を獲得している」と述べ、減税などの税制改革の実現を通して、アメリカ経済の成長は加速していると自身の経済政策の成果を強調しました。
そして貿易の不均衡の是正に向けて公正な貿易を求める姿勢を改めて示したうえで、TPP=環太平洋パートナーシップ協定に関連して「アメリカはあらゆる国と互いに利益がある貿易協定について交渉する用意がある。それはTPP交渉の参加国も含んでいる。こうした国々と個別に、もしくは多国間で交渉を検討するだろう」と述べ、再交渉を前提にTPPに復帰する可能性を示唆しました。
さらに「アメリカ第一主義はアメリカの孤立ではない。アメリカが成長するとき世界も成長する。アメリカの繁栄は世界の雇用を創出した」と述べ、みずからが掲げるアメリカ第一主義は世界の分断をもたらすという見方に反論しました。
“侮辱発言” に抗議 南アがトランプ演説ボイコット
ダボス会議に参加したアメリカのトランプ大統領に対しては、会議に先立ってアフリカの国々などを侮辱するような発言をしたと報じられたことを受けて、南アフリカの経済団体がトランプ大統領の演説をボイコットするなど反発も出ています。
南アフリカの有力企業で作る経済団体のボナン・モハレ会長は26日、ダボス会議の会場でNHKの取材に応じ、報道に衝撃を受けたとしたうえで「アフリカに住む人間としてトランプ大統領の発言は自分自身のこととして受け止めている。もし何もしなければ私たちの子どもたちが失望してしまう」と演説のボイコットを決めた理由を説明し、趣旨に賛同した人がほかにも多数いたと述べました。
「朝鮮半島非核化への取り組みは誇り」
トランプ大統領はダボス会議の演説で、核やミサイル開発を加速させる北朝鮮への対応について「朝鮮半島の非核化に向けて最大限の圧力をかけるため、世界の国々を結束させる歴史的な取り組みをトランプ政権が率いてきたことを誇りに思う」と述べ、引き続き各国と連携していく考えを示しました。