群馬県の
草津白根山の
噴火から
30日で
1週間になります。
草津白根山では、
29日も
火山性地震が
観測されるなど、
火山活動が
高まった
状態が
続いていて、
気象庁は、「
入山規制」を
示す
噴火警戒レベル「
3」を
継続し、
火口付近からおおむね
2キロの
範囲では
大きな噴
石に
警戒を
続けるよう
呼びかけています。
群馬県の
北西部にある
草津白根山では、
今月23日、
本白根山の
鏡池付近で
噴火が
発生し、
1キロ
以上離れた
場所まで噴
石が
飛びました。
気象庁によりますと、草津白根山では噴火が起きた23日に火山性地震が600回以上観測され、その後、減少したものの29日も観測されています。
また、噴火から3日間は地下の熱水やガスの動きを示すと考えられる火山性微動が観測されました。
一方、監視カメラの観測では29日、本白根山付近で噴気は見られなかったということです。
気象庁は、草津白根山では、火山活動が高まった状態が続き、今後も同じ程度の噴火が発生する可能性があるとして、「入山規制」を示す噴火警戒レベル3の火口周辺警報を継続し、鏡池付近からおおむね2キロの範囲で噴火に伴う噴石に警戒するよう呼びかけています。
また、風下側で降る小さな噴石や火山灰、空振=空気の振動、それに火山ガスにも注意するよう呼びかけています。
一方、本白根山付近ではこれまで山の南側に観測機器がなかったため、気象庁などは、噴火のあと、観測機器の整備を進めています。
気象庁が臨時のカメラや地震計、それに空振計をそれぞれ1台ずつ新たに設置したほか、東京工業大学などはこれまでに2台の地震計を設置し、30日にもさらに1台設置する予定です。
しかし、こうした機器の設置は、火山活動が高まっていることや雪が深いことから立ち入り規制範囲の外に限られ、より火口に近い場所に設置するのは難しいということです。
気象庁は、火山活動や積雪の状況も確認しながら観測態勢の強化を進めることにしています。
「監視の在り方考え直す必要も」長年観測の専門家
噴火から1週間となる草津白根山の状況について、長年、草津白根山のふもとで観測を行っている東京工業大学の野上健治教授は「上空から見たかぎり、今回できた火口からはガスも出ておらず、周辺には雪が積もっており、熱もないと判断できる。表面上は極めて静穏な状態だ」とする一方で、「地下の状態はわからないため、さまざまな観測機器を使い、何が起きているかを科学的に調べるまでは安全とは言えない」と述べました。
また今回、予測していなかった場所で突然噴火が起きたことについて「何の兆候もなく、リードタイムが本当に少ない中で、どう噴火を察知していくのかは非常に重たい課題だ。これまでの火山監視の在り方をもう一度考え直すようなケースになるのではないか」と話していました。