戦後を
代表する
日本画家、
平山郁夫などの
作品をもとにした
偽物の
版画が、
数年前から
百貨店などで
流通していたとみられることが
関係者への
取材で
分かりました。
画商でつくる
組合の
調査に対し、
大阪の
画商が
販売したことを
認めているということで、
警視庁は
著作権法違反の
疑いで
捜査しています。
偽物の
版画が
流通していたのは、
日本画家の
平山郁夫や
東山魁夷、
それに
片岡球子の
作品です。
版画を扱う画商でつくる「日本現代版画商協同組合」などによりますと、原画をもとに職人が制作する版画は通常、画家本人や遺族の許可を得たうえで数を制限して販売していますが、去年の春ごろ、特定の版画が百貨店などで多く流通していることに組合員が気付いて調査したところ、色合いなどがわずかに異なる偽物が含まれていたことが分かったということです。
さらに、流通ルートを調べた結果、大阪市で画廊を営む50代の画商が関わっていることが分かり、組合の調査に対し、数年前から販売していたことを認めたということです。
偽物の版画は、確認できただけで10作品あるということで、組合は去年12月、この画商を除名処分にしました。
また、警視庁は去年12月に著作権法違反の疑いで関係先を捜索し、複数の版画を押収したということで、今後、鑑定を進めるとともに流通ルートなどを調べることにしています。