アメリカの
連邦議会への
乱入事件をめぐる
トランプ前大統領の
弾劾裁判の
審理が
日本時間の10
日午前3
時ごろ
始まり、
前大統領の
責任を
追及する
民主党の
議員に対し、トランプ
氏側は、すでに
退任した
前大統領に対する弾劾裁判は
憲法に
違反すると
主張し、
双方が
真っ向から
対立しました。
アメリカ議会下院は
先月、
連邦議会への
乱入事件で
支持者らによる
騒乱をあおった
などとして、
トランプ前大統領を
弾劾訴追する
決議を
賛成多数で
可決しました。
これを受けて9日午後、日本時間の10日午前3時ごろ、議会上院で前大統領の責任を追及する弾劾裁判の審理が始まり、初日の審理では、弾劾裁判の合憲性をめぐって討論が行われました。
この中で、弾劾裁判の検察官役を務める民主党のラスキン下院議員は、「トランプ氏側の主張が通れば、1月6日におきたことを将来、またおこすことになる」と述べたうえで、トランプ氏の支持者らが先月、議会に乱入した際の映像を見せました。
そのうえで、「大統領を弾劾する憲法上の権利は、選挙結果が攻撃の対象になる、政権の最終盤にこそ必要とされるものだ」と述べ、トランプ前大統領は、憲法に基づいて罪に問われるべきだと訴えました。
これに対し、トランプ前大統領の弁護団のキャスター弁護士は、アメリカの憲法は公職に就いていない人物を弾劾することを想定しておらず、弾劾裁判は憲法違反だと主張しました。
そのうえで、「アメリカの国民は、選挙で新しい大統領を選び、民主主義の仕組みが機能していることを証明した」と述べ、今回の弾劾裁判は民主主義への挑戦だとして、双方の主張は真っ向から対立しました。
弾劾裁判は10日から検察官役を務める民主党の下院議員らと、トランプ前大統領の弁護団がそれぞれの主張を述べ合う冒頭陳述が行われる予定です。
ただ、共和党のあいだでは、トランプ氏の弾劾に慎重な議員が多いことからトランプ氏に無罪の評決が下される見通しです。
また、議会上院では、弾劾裁判の長期化が新政権が重視する、新型コロナウイルスの経済対策法案の審議などに及ぼす影響を懸念する声も出ていることから、トランプ前大統領が有罪か無罪かを決める評決は来週中にも出されるという見方が広がっています。