ウクライナ側の代表団は28日から30日まで対面形式で行われるとしていて、ロシア側の代表団は29日と30日に交渉が行われるとしています。
停戦交渉は最近はオンライン形式で進められてきましたが、今回対面で行われると、ベラルーシで今月7日に実施されて以来となります。
これについて、ウクライナのゼレンスキー大統領はビデオメッセージを公開し「私たちは和平を求めている。停戦交渉は良い機会だ」としたうえで、「ウクライナの主権と領土の一体性が保たれることは当然で、疑いの余地はない。ウクライナの安全保障が確約されることも必須だ」と述べました。
これまでの交渉では、戦闘の停止やロシア軍の撤退などを求めるウクライナ側と、ウクライナの「中立化」や「非軍事化」などを求めるロシア側の主張の隔たりは埋まっておらず、対面での交渉を再開させることで具体的な進展がみられるかが焦点です。
そのうえで、「私たちの優先事項は変わらない。ウクライナの主権と領土の一体性が保たれることは当然で、疑いの余地はない。ウクライナの安全保障が確約されることも必須だ。私たちの目標は明白で平和と日常の暮らしをできるだけ早く取り戻すことだ」と述べました。 また、ゼレンスキー大統領は現在の戦況について、「ウクライナ軍は、ロシア軍の侵攻を食い止めているほか、いくつかの地域では押し返している」と述べました。
そのうえで、テドロス事務局長は「命を救うことに専念する医療従事者や施設への攻撃が繰り返されていることに憤慨している。和平が唯一の解決策だ。戦争をやめるようロシアに引き続き求める」と強く非難しています。
このためヨーロッパ各国にある劇場の周辺では27日、白い文字で「子どもたち」と地面に書いて追悼する動きが広がっています。 このうち、ドイツ・ベルリンの劇場は子どもたちも参加して地面に白いスプレーでロシア語で「子どもたち」と書いて、その様子を撮影した動画をSNSに投稿しました。 動画とともに「『子どもたち』という文字は上空からも見えていたのにロシア軍は攻撃した」としてロシア軍の対応を非難しました。 同じような追悼の動きはヨーロッパ各地の劇場周辺でも行われ、イギリスとチェコ、そしてリトアニアにあるウクライナ大使館は写真を投稿しています。 また、ウクライナのクレバ外相はみずからのSNSに、ハンガリーの首都ブダペストで行われた追悼イベントとしてマリウポリの劇場で犠牲になった人数と伝えられている300人分の靴がドナウ川の川岸に並べられた写真を投稿しました。 この川岸は第2次世界大戦中、多数のユダヤ人が虐殺された場所で、クレバ外相は「マリウポリで起きたことはナチスによる犯罪行為と同じだ。悲劇は繰り返してはならない」というメッセージを投稿しました。
このなかで両首脳は、ウクライナ情勢や停戦交渉の進展をめぐって議論したほか、エルドアン大統領が、早期の停戦や人道状況の改善の必要性を強調したということです。 そのうえで双方は、ロシアとウクライナによる次回の停戦交渉が、イスタンブールで行われることで合意したということです。 停戦交渉を巡っては、ウクライナ側の代表団の関係者が27日、近くトルコで行われる見通しを明らかにしていました。
このうちブリンケン国務長官は27日、訪問先のイスラエルで行われた会見で、「バイデン大統領としては、プーチン大統領にはウクライナを含むいずれの国に対しても戦争を仕掛けたり侵略したりする権限はないと述べただけだ。われわれはロシアの体制転換について戦略を持っているわけではない」と述べました。 また、アメリカのNATO大使のスミス氏も27日、CNNテレビに出演して同様の釈明をしました。 バイデン大統領の発言を巡っては、演説直後にもホワイトハウスの高官が「大統領は体制の転換について議論しているわけではない」と釈明していますが、ロシア側が「バイデンが決めることではない」などと反発していました。 一方、フランスのマクロン大統領はバイデン大統領の発言について27日、地元テレビに対し「ことばや行動によって事態を悪化させることなくロシアの軍事侵攻をとめなければならない。私ならそのようなことばは使わない」と述べています。 アメリカ政府が大統領の発言の火消しを急ぐ背景には、ロシアを刺激し、さらに事態が悪化することを避けたい考えがあるものとみられます。
これはウクライナとの国境に近いポーランド南東部の都市、ジェシュフで地元の市民団体が行ったもので、ポーランド人やウクライナから避難してきた人、合わせて100人以上が参加しました。 参加者は両国の国旗やEUの旗を持って集まり、ベートーベンの交響曲第9番の「歓喜の歌」をウクライナ語とポーランド語で歌い、連帯をアピールしました。 集会を企画した市民団体の担当者は「『歓喜の歌』はヨーロッパを象徴する歌だと思うのでウクライナがEUに加盟するのを応援するために歌いました」と話してました。 参加者の中にはウクライナ西部のリビウから逃れてきたという女の子もいて、「ウクライナがEUに加盟できたら平和が訪れると信じています。戦争が終わるよう、そしてすべてがうまくいくよう願っています」と話していました。
ロシア通信によりますと、これについてロシア上院で憲法や法律を担当するクリシャス議員は「ロシアは、ルガンスクとドネツクの主権を承認している。これらの行政当局はそれぞれの憲法に従って決定する権利がある」と述べ、支持したということです。 一方、ウクライナ外務省のニコレンコ報道官は「一部の占領地域で行われる住民投票など法的に無効だ。世界中のどの国も認めず、ロシアの孤立が深まるだけだ」とツイッターに投稿し、非難しました。 また、ロシア下院のカラシニコフ議員も「今はまだその時期ではない。前線で、地域の運命が決まろうとしている時に、この問題に気をとられるべきではない」と慎重な姿勢を示しました。 ロシア国防省は25日、ルガンスク州の93%を支配下に置いたと主張しています。
UNHCR=国連難民高等弁務官事務所のまとめによりますと、26日の時点でルーマニアにはポーランドに次いで2番目に多いおよそ58万人がウクライナから逃れてきています。 このうち、南東部イサクチャは、おもにウクライナ南部から、国境となっているドナウ川を船で渡って避難してくる人たちの拠点となっていて、27日も対岸のウクライナ側から100人余りを乗せた船が到着していました。 避難してくる人たちのほとんどは、女性と子どもで、船を下りたあとボランティアから食事やお茶などを受け取ると、安心した表情を見せていました。 戦闘が続く南部ヘルソンから2人の子どもなどを連れて避難してきたという34歳の女性は「きのうから店に食料品がなくなりました。人道危機の状態で、ヘルソンももうすぐマリウポリのようになると思います」と話し、9歳の息子は「家の近くで爆発があったときは怖かったです。戦争が早く終わってほしい」と話していました。
このうち99人は子どもだということです。 亡くなった人のうち、360人が東部のドネツク州とルガンスク州で、759人はキエフ州や東部のハリコフ州、北部のチェルニヒウ州、南部のヘルソン州など各地で確認されています。 多くの人たちは砲撃やミサイル、空爆などによって命を落としたということです。 また、けがをした人は1790人に上るということです。 今回の発表には、ロシア軍の激しい攻撃を受けている東部マリウポリなどで、確認が取れていない犠牲者の数は含まれておらず、国連人権高等弁務官事務所は、実際の数はこれよりはるかに多いとしています。
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