国連こくれん人権じんけん理事りじ会かい ロシアの理事りじ国こく資格しかく停止ていしの決議けつぎを採択さいたく

そして「あと数すう分ふんで、あなたが無む関心かんしんな傍観ぼうかん者しゃでないことを証明しょうめいする機会きかいがくる。賛成さんせいのボタンを押おすことで人権じんけん理事りじ会かいや世界せかいとウクライナの多おおくの命いのちを救すくうことができる」と述のべ、各国かっこくに支持しじを訴うったえました。

そのうえで「決議けつぎの採択さいたくは、ロシアによるウクライナへの侵略しんりゃくへのさらなる処罰しょばつとなる。各国かっこくの結束けっそくに感謝かんしゃする。ロシアに協調きょうちょうして圧力あつりょくをかけ続つづけ、平和へいわを求もとめさせよう」として、各国かっこくに一層いっそうの協力きょうりょくを呼よびかけました。

このあと決議けつぎが採択さいたくされると、国連こくれん人権じんけん理事りじ会かいの理事りじ国こくとしての資格しかくを7日にちにみずから終おわらせると主張しゅちょうしたうえで「今回こんかいの決議けつぎは違法いほうかつ政治せいじ的てきな動機どうきによるものだ」と述のべ、賛成さんせいした国々くにぐにをけん制けんせいしました。

ロシア外務省がいむしょうは7日にち、声明せいめいで「違法いほうかつ政治せいじ的てきに動機どうきづけられた措置そちだ」と反発はんぱつしました。

そのうえで「理事りじ会かいは都合つごうのいいように利用りようする、あるグループに独占どくせんされている」として、対立たいりつする欧米おうべい各国かっこくを批判ひはんしました。

そして、欧米おうべい各国かっこくが人権じんけん侵害しんがいに関与かんよしていると一方いっぽう的てきに主張しゅちょうしたうえで「これらの国々くにぐには政治せいじ的てき・経済けいざい的てきな既得きとく権益けんえきに妥協だきょうするつもりがない。こうした行為こういは国際こくさい社会しゃかいから国連こくれん人権じんけん理事りじ会かいに託たくされた職務しょくむ権限けんげんに違反いはんし、国連こくれんの信頼しんらいを損そこなうものだ」と非難ひなんしました。

そのうえで「性的せいてき暴行ぼうこうや殺人さつじん、拷問ごうもんが行おこなわれているという信用しんように足たる報告ほうこくが次々つぎつぎと出でている」と述のべ、ロシア軍ぐんが占拠せんきょしている地域ちいきで残虐ざんぎゃく行為こういを続つづけているとして厳きびしく非難ひなんしました。

アメリカのトーマスグリーンフィールド国連こくれん大使たいしは演説えんぜつで「重要じゅうようで歴史れきし的てきな瞬間しゅんかんだ。国際こくさい社会しゃかいはきょう正ただしい方向ほうこうへ一いち歩ほ踏み出ふみだした」と述のべ、決議けつぎの採択さいたくを評価ひょうかしました。そのうえで「このいわれのない不当ふとうな戦争せんそうについてロシアに責任せきにんを負おわせ続つづけ、ウクライナの人ひとたちに寄り添よりそうため力ちからを尽つくそう」と各国かっこくに呼よびかけました。

また決議けつぎ案あんの共同きょうどう提案ていあん国こくに加くわわった日本にっぽんの石いし兼けん国連こくれん大使たいしは演説えんぜつで「悲惨ひさんな事態じたいを引き起ひきおこした国くにが人権じんけん理事りじ会かいにとどまるのは極きわめて不適切ふてきせつだ。このような行動こうどうをとらなければならないのは非常ひじょうに残念ざんねんだが、これはロシアの選択ろしあのせんたくがもたらした必然ひつぜん的てきな結果けっかだ」と述のべて、ロシアを非難ひなんしたうえでウクライナでの悲劇ひげきを食い止くいとめるため国際こくさい社会しゃかいと協力きょうりょくしていくと強調きょうちょうしました。

このうち中国ちゅうごくやベトナムなど18か国かこくは先月せんげつ、ウクライナの人道じんどう状況じょうきょうの改善かいぜんを求もとめる決議けつぎには棄権きけんしましたが今回こんかいは反対はんたいに回まわりました。

その理由りゆうについて中国ちゅうごくの張ちょう軍ぐん国連こくれん大使たいしは演説えんぜつで、今回こんかいの決議けつぎが「加盟かめい国こくの間まの分断ぶんだんを悪化あっかさせ対立たいりつの激化げきかにつながる。火ひに油あぶらを注そそぐようなもので、紛争ふんそうの緩和かんわや和平わへい交渉こうしょうの進展しんてんには役に立やくにたたない」と非難ひなんしました。また「人権じんけん問題もんだいの政治せいじ化かに断固だんことして反対はんたいし、人権じんけん問題もんだいをめぐる対立たいりつ的てきなアプローチに反対はんたいし人権じんけんの名なのもとにほかの国くにに圧力あつりょくをかけることに反対はんたいする」と主張しゅちょうしました。

このうちブラジルやメキシコ、それにUAE＝アラブ首長しゅちょう国こく連邦れんぽうなど39か国かこくは先月せんげつ、ウクライナの人道じんどう状況じょうきょうの改善かいぜんを求もとめる決議けつぎには賛成さんせいしましたが今回こんかいは棄権きけんに回まわりました。

その理由りゆうについてブラジルの国連こくれん大使たいしは演説えんぜつで、国連こくれん人権じんけん理事りじ会かいでウクライナの人権じんけん状況じょうきょうを調査ちょうさする委員いいん会かいの設置せっちが決きまったことに言及げんきゅうし「調査ちょうさ委員いいん会かいによる独立どくりつした、客観きゃっかん的てきな調査ちょうさが極きわめて重要じゅうようだ」と述のべ、人権じんけん理事りじ会かいによる調査ちょうさの結果けっかを待まつべきだという考かんがえを示しめしました。

採決さいけつのあとインドのティルムルティ国連こくれん大使たいしは棄権きけんの理由りゆうを説明せつめいする声明せいめいをみずからのツイッターに投稿とうこうし「ブチャでの多おおくの民間みんかん人じんの殺害さつがいは深ふかく憂慮ゆうりょすべきもので、私わたしたちはこれを明確めいかくに非難ひなんする」とする一方いっぽうで「インドは一貫いっかんして平和へいわと対話たいわと外交がいこうを支持しじしてきた。インドがいずれかの側がわを選えらぶとするなら、それは平和へいわの側がわであり暴力ぼうりょくの即時そくじ終結しゅうけつを求もとめるものだ」として、ロシアを非難ひなんも支持しじもしない立場たちばを改あらためて示しめしました。

人権じんけん理事りじ会かいは少すくなくとも年としに3回かい開催かいさいされ、重大じゅうだいな人権じんけん問題もんだいなどが起おきれば緊急きんきゅうに会合かいごうを開ひらくことができます。

人権じんけん理事りじ会かいは47の理事りじ国こくで構成こうせいされ、現在げんざいアメリカ、日本にっぽんなどのほかに、ロシアや中国ちゅうごくも理事りじ国こくになっています。

人権じんけん理事りじ会かいでは先月せんげつ4日にち、ロシアによるウクライナへの軍事ぐんじ侵攻しんこうについて国際こくさい人道じんどう法ほう違反いはんだと強つよく非難ひなんし、現地げんちの人権じんけん状況じょうきょうを調査ちょうさする独立どくりつの委員いいん会かいを設置せっちする決議けつぎが日本にっぽんを含ふくむ32か国かこくの賛成さんせい多数たすうで採択さいたくされました。

人権じんけん理事りじ会かいではまたロシアのラブロフ外相がいしょうのビデオ演説えんぜつに合あわせて多おおくの国くにの代表だいひょうが一斉いっせいに退席たいせきし、軍事ぐんじ侵攻しんこうに抗議こうぎの意思いしを示しめす場面ばめんもありました。

そのうえで「わが国わがくにはロシアによるウクライナへの侵略しんりゃくや民間みんかん人じんの殺害さつがいを厳きびしく非難ひなんするという基本きほん的てき立場たちばに基もとづき、いち早いちはやく共同きょうどう提案ていあん国こく入いりし、決議けつぎの採択さいたくに向むけて各国かっこくへ積極せっきょく的てきに働はたらきかけてきた。政府せいふとして、引き続ひきつづきG7＝主要しゅよう7か国かこくをはじめとする国際こくさい社会しゃかいと緊密きんみつに連携れんけいし、国連こくれんにおいてもわが国わがくにの基本きほん的てき立場たちばを踏ふまえ積極せっきょく的てきに貢献こうけんしていきたい」と述のべました。

また、記者きしゃ団だんから「ロシア軍ぐんの即時そくじ撤退てったいを求もとめる決議けつぎに比くらべて賛成さんせい票ひょうが伸のびなかった要因よういんをどう分析ぶんせきするか」と問とわれたのに対にたいし「今回こんかいの決議けつぎは、ロシアの人権じんけん理事りじ会かい理事りじ国こくの資格しかくを停止ていしするという具体ぐたい的てきな結果けっかを伴ともなう極きわめて重おもい国際こくさい社会しゃかいの意思いしを示しめしたもので、大おおきな意義いぎがあったものと考かんがえる」と述のべました。